近年「ローカルSEO対策」に力を入れる店舗や医院が増えてきています。ローカルSEO対策を行うことで、来店見込みの高いユーザーに店舗や医院情報を表示することができます。
Webからの集客がメインとなりつつある今、今後ますますローカルSEOに力を入れる店舗や医院が増えるでしょう。そのため、ローカルSEO対策を行わないということは、貴重なWeb集客のチャンスを逃すことになります。ローカルSEO対策は無料で始めることができ、通常のSEO対策と比べて難易度が低いため、費用対効果の高い施策です。
今回は、ローカルSEOの概要や対策方法・MEOとの違いについて解説します。ぜひこの記事を参考に、ローカルSEO対策を行っていきましょう。
ローカルSEOとは？
ローカルSEOとは、Googleで特定の地域・店舗や医院を検索したときに、検索結果の上位に表示されるために行う施策のことです。「特定の地域+店舗や医院名」で検索するユーザーは来店する見込みが高く、Webからの集客をするうえでローカルSEOは必須の施策といえます。
MEOやSEOとの違いは？
MEOとは「Map Engine Optimization」を略したもので、日本語では「マップエンジン最適化」と呼ばれています。
ローカルSEOについて調べると必ず出てくる「MEO」は、実は「ローカルSEO」と同じ意味です。「MEO」という言葉は日本でしか使われておらず、海外では「ローカルSEO」と呼ばれています。Googleの公式でも「MEO」という言葉は使用されていないため、この記事では「ローカルSEO」と呼称を統一して解説を進めていきます。
SEOとは「Search Engine Optimization」を略したもので、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれています。対して、SEOにローカル（地域）が付いた「ローカルSEO」は、地域に特化した検索エンジンの最適化を目的とした施策です。
シンプルにお伝えすると、以下のとおりです。
- SEO：特定のキーワードで検索上位を目指す施策
- ローカルSEO：「新宿 居酒屋」や「世田谷 カフェ」など、地域名の付いたキーワードで上位表示を目指す施策
地域に特化する分、Web上での競合が少なくなるため、しっかり対策を行えば上位表示を狙いやすいといえます。
ローカルSEOの効果
ローカルSEOの効果は、以下の3つがあげられます。
Webからの集客が見込める
全国の競合が相手となるSEO対策と比べ、ローカルSEOは地域の検索に特化した施策なので、基本的に競合は少ないといえます。競合が少ないうえ、地域名で検索してきたユーザーは「来店の可能性が高いユーザー」なので、集客に直結しやすいのが大きなメリットです。
ローカルSEOに力を入れている店舗や医院はまだ少ないため、いち早くローカルSEOに取り組むことが重要といえるでしょう。
認知度が上がる
上位表示されると「地域」や「業種」で検索してきた「まだあなたの店舗や医院を知らないユーザー」の目に触れる機会が増えます。ローカルSEOの検索結果は、通常の検索結果よりも目立つ位置に表示されるためです。
何度もユーザーの目に触れることで、店舗や医院の認知度が上がっていく効果があります。
すぐに施策の成果が表れる
通常のSEO対策で成果を出すには少なくとも2～3か月の期間を要しますが、ローカルSEO対策であれば、早ければ1週間程度で施策の成果（上位表示）が表れます。
Googleの検索順位は基本的にライバルとの「相対評価」で決まるため、周辺エリアの競合にさえ勝てば、すぐに上位表示され集客の成果を実感できるでしょう。
ローカルSEOの種類
ローカルSEOは2種類の要素で構成されています。
- ローカルパック
- ナレッジパネル
ローカルパックは検索画面の上部に表示され、ナレッジパネルは検索画面の右側に表示される点が大きな違いです。これら2つの要素の違いについて、詳しく解説していきます。
ローカルパック
「ローカルパック」とは、地域名を含んだキーワードで検索されたときに、検索結果上に表示されるリストのことです。昨今においては、このローカルマップが検索結果の上位を占める傾向が強いため、しっかり取り組めばWeb集客の力強い味方となります。
ローカルパックには4種類の表示方法があるため、チェックしておきましょう。
通常のローカルパック
通常のローカルパックは、ユーザーの位置情報に合わせて店舗や医院が一覧で表示されます。
表示される情報には、店舗や医院の「営業時間」「住所」「電話番号」「口コミ」「オンライン予約」「ホームページへのリンク」が含まれているため、ユーザーがひと目で店舗や医院の概要を把握することができます。
ローカルスナックパック
ローカルスナックパックは、飲食や娯楽などのカテゴリ―検索をしたときに表示されます。通常のローカルパックと違う点は「店舗や医院の写真」が表示される点で、お店を探しているユーザーにイメージが伝わりやすいのがメリットです。
その反面「電話番号」や「ホームページへのリンク」は表示されません。見たい店舗や医院をクリックすると、通常のローカルパックの情報が表示されますが、1クリックしないと店舗や医院の概要が確認できない点がデメリットとなります。
ローカルABCパック
ローカルABCパックは、ブランド名やジャンル名などで検索したときに表示されます。表示された店舗名や医院名の左側にA・B・Cのアルファベットが表示されます。アルファベットのほかには「営業時間」や「住所」といった基本情報のみが表示され「口コミ」や「評価」は表示されません。
ローカルABCパックが表示される業態は、口コミや評価がさほど重要ではないコンビニ・駐車場・ガソリンスタンドなどが該当します。
ローカルファインダー
ローカルパック下部の「さらに表示」をクリックすると、店舗や医院の一覧が表示されます。これをローカルファインダーといいます。ローカルファインダーで上位表示していないと、ユーザーの目に留まる可能性は低いので、上位3位に入る施策を行っていきましょう。
上位表示のための施策については、のちほど詳しく解説します。
ナレッジパネル
ナレッジパネルは、地域系のキーワードを含めず、固有名詞のキーワード（店舗名や医院名）で検索したときに検索結果ページの右側に表示されます。調べたい店舗・医院のホームページを開くことなく概要を知ることができるため、忙しい現代人にとって便利な機能といえるでしょう。
ローカルSEOの対策方法
ローカルSEOの種類や効果について解説してきました。ここからは、どのようにローカルSEO対策を進めていけばいいか、詳しく解説していきます。
Googleビジネスプロフィールに登録する
ローカルSEO対策を行うには、まず「Googleビジネスプロフィール」に店舗や医院の情報を登録する必要があります。理由については、以下のとおりです。
- 検索されたキーワードに対して、Googleビジネスプロフィールの情報を元にGoogleが評価し、検索順位を決めているため
- 「ローカルパック」や「ナレッジパネル」の情報を常に正しい（新しい）情報に更新できるため
ローカルSEO対策において、上位表示すること・正しい情報を掲載することは最も大切な要素なので、Googleビジネスプロフィールへの登録は必須といえます。Googleビジネスプロフィールの登録料は無料で、登録方法も簡単なので、まだ登録していない場合はすぐに登録しましょう。
登録するうえで最も大切な要素である「関連性」「距離」「視認性の高さ」「NAP」について詳しく解説します。
関連性
ローカルSEOのランキングは、検索キーワードに対する関連性が大きく影響しています。そのため、見込み客が検索しそうなキーワードを予測し、Googleビジネスプロフィールにキーワードを含ませることが大切です。
Googleビジネスプロフィールに登録できる情報は、以下のとおりです。
- 名称
- 住所
- 電話番号
- 営業時間
- WebサイトのURL
- 写真
- 商品
- 属性
- 店舗や医院の説明
例えば、大阪府堺市で美容院を探している人を集客したい場合「大阪府の美容院」と記載するよりも「大阪府堺市の美容院」と記載したほうが見つけてもらえる可能性が高くなります。
また、Webサイトの存在も重要性が高いといえます。店舗や医院のWebサイトを見れば、雰囲気・スタッフ・メニュー・料金など、ユーザーが知りたい情報がひと目で分かるので、お店選びに失敗したくないユーザーは、Webサイトの有無でお店を決めることが多いからです。そのため、必ずWebサイトのURL欄に登録するようにしましょう。
店舗や医院のWebサイトがない場合は、簡単なものでも良いので作成することをおすすめします。今はクラウドソーシングサイトを利用すれば、安価でホームページの作成を外注できるため、自社で作成が難しい場合はぜひ利用しましょう。
距離
「地域名+キーワード」で検索されたときはもちろん「キーワード単体」で検索された場合も検索したユーザーの現在地から近い店舗や医院が表示されます。そのため、Googleビジネスプロフィールに住所の記載忘れや誤りがあると、せっかくの集客チャンスを逃すことになります。必ず正確な住所を記載しましょう。
視認性の高さ
ビジネスの知名度・認知度を表す「視認性」は、Googleマップの検索順位に大きく影響します。視認性が高いと、Googleマップにおいて上位表示されやすくなります。視認性は、ネット上のサイトやSNSにおいて、どのくらい言及されているかが目安です。また、ホームページの検索順位やオフラインでの認知度、Googleマップへの口コミ件数なども、視認性を左右する要素のひとつです。
「NAP」の表記を統一させる
NAPとは、Name（名称）・Address（住所）・ Phone（電話番号）の略です。Googleビジネスプロフィール・Webサイト・SNSなど、それぞれの媒体でNAPの表記が統一されていないと、検索してくれたユーザーに混乱を与えてしまいます。
表記ゆれについては、以下の点に注意しましょう。
- Name（名称）
店舗名や医院名をカタカナにするかアルファベットにするか / アルファベットの大文字と小文字 / 「株式会社」と「（株）」の表記
- Address（住所）
1階と1F / 100号室と100 / 丁目とハイフン（-）
- Phone（電話番号）
ハイフン（-）の有無 / 市外局番の「（）」の有無
Googleビジネスプロフィールに登録する際は、他の媒体のNAPと統一しましょう。
口コミに対して誠意をもって返信する
Googleマップには、口コミを投稿できるツールがあります。口コミはユーザー全員が見ることができ、店舗や医院の良し悪しを判断する重要な指標のひとつといえます。そのため、良い口コミを集める努力はもちろん、口コミに対して誠意をもって返信することが大切です。
口コミに返信することのメリットについては、以下があげられます。
- Googleからの評価アップが期待できる
- 悪い口コミに対して誠実な返信を行うほど店舗や医院の信頼度が上がる
- 顧客ニーズを満たすためのヒントを得ることができる
ユーザーからの口コミに対して対応（返信）していない店舗や医院は多いです。口コミ対策を徹底することで、ユーザーがあなたの店舗や医院に集まることも十分考えられます。時間をかけてでも、口コミ対策は徹底して行っていきましょう。
オーナー確認をする
Googleビジネスプロフィールに登録したら、そのアカウントが本当にビジネスオーナーのものかを確認する必要があります。オーナー確認ができていないと、一部の機能が使用できません。すべての機能を使ってローカルSEOを行うために、できるだけ早くオーナー確認を済ませましょう。
オーナー確認の方法は、以下のとおりです。
Googleビジネスプロフィールでオーナー確認をする方法
- ハガキ郵送
- SMS
- メール
- 動画撮影
- ビデオ通話
- 電話
業種によってオーナー確認に使用できる方法は異なります。まだオーナー確認が済んでいない方は、Googleビジネスプロフィールマネージャの画面から、オーナー確認の方法を見ておきましょう。
自社・自院のホームページのSEO対策をする
自社・自院のホームページのSEO対策をして検索順位が上がると、視認性が高くなるため、ローカルSEOにおいてもよい影響があります。Googleマップにおいて検索上位を獲得するために、ホームページのSEO対策も必ず行いましょう。
また、SEOとローカルSEOを組み合わせれば、さらに高い集客効果を発揮します。Googleマップ検索と通常検索の2つから集客が望めるようになるためです。効率よく集客を行うためにも、ホームページのSEO対策は欠かせません。
サイテーションや被リンクの獲得
サイテーションや被リンクを獲得した場合も、視認性が高くなり、ローカルSEOによい影響があります。SNSやブログなどで自社ビジネスについて言及してもらえるように、対策をしましょう。
サイテーションを獲得したい場合は、SNS運用をするのがおすすめです。SNS運用をすると、SNSユーザーが来店・来院してくれる可能性が高まります。SNSユーザーが来店・来院してくれて、よい体験ができた場合は、自分のアカウントで何らかの口コミを投稿してくれるかもしれません。
また被リンクを獲得したい場合は、SEO対策の強化をおすすめします。特に、ほかのサイトが引用したくなるような情報や研究結果などを記載すると、被リンクを獲得しやすいでしょう。
ローカルSEO対策で注意すべきこと
ローカルSEO対策を進めていくにあたって、注意すべき2つのことについて詳しく解説していきます。これから解説する2つのことを守らないと、ローカルSEO対策を行っていても、あなたの店舗や医院が上位表示されないといったことにもなるため注意しましょう。
口コミの自作自演
口コミを自身や身内で自演する・報酬を支払って口コミ依頼するなど、Googleガイドライン違反となることは控えましょう。
Googleは公平・公正な情報を重要視しているため、これらの偽造行為に対して重いペナルティを課します。順位の下降だけでなく、最悪の場合はあなたのGoogleビジネスプロフィールが削除されるリスクもあるため、必ずGoogleのガイドラインを守りましょう。
また、競合店舗や競合医院に悪い口コミを投稿して陥れようとするモラルのない事業者がいるのも事実です。こういった悪質な嫌がらせを受けた場合は、Googleビジネスプロフィールから「不適切なクチコミとして報告」する機能がありますので、放置せずすぐに対応しましょう。
最新の情報に更新する
古い情報や誤った情報を掲載していると、検索してくれたユーザー・店舗や医院に訪問してくれたユーザーに不信感を与えることになります。Googleビジネスプロフィールは定期的に最新情報に更新しましょう。
また、Googleは定期的に更新しているサイトを高く評価する傾向があるため、上位表示をするうえでも大切です。
Googleガイドラインを遵守する
Googleポリシー・ガイドラインに違反すると、検索順位が落とされたり、アカウントが停止されたりします。ローカルSEO対策の努力を無駄にしないためにも、Googleガイドラインは遵守するようにしてください。
ガイドラインで規制されている投稿内容には「ハラスメント」「ヘイトスピーチ」「個人情報」「不実表示」などがあります。ほかにもさまざまなものがあるので、投稿機能を利用する際は投稿に関するコンテンツポリシーを確認しておきましょう。
まとめ
ローカルSEOで上位表示されると、通常の検索結果よりも目立つ位置にあなたの店舗や医院情報が表示され、集客効果は抜群といえます。そのため、ライバル店舗やがローカルSEOの重要性に気付く前に、いち早くローカルSEO対策に取り組むことをおすすめします。
ローカルSEO対策は、まず「Googleビジネスプロフィール」への登録が第一歩となるため、本記事で解説したことを参考に、正しい情報を登録することから始めてみましょう。