MEO対策は店舗・施設運営で欠かせないものとなっています。海外ではローカルSEOとも呼ばれ、店舗集客の手段として主流となっています。
ただし、MEO対策はいわゆるSEO対策とは勝手が違うため、ノウハウを持っている人が周囲にいないことも多いです。
そこで本記事では、MEO対策におけるキーワード選定の基準や具体的なMEO対策の仕組みなどを解説していきます。記事を読むだけでMEO対策の基本知識が学べるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
MEO対策のキーワードとは?

MEO対策として想定されるキーワードは、基本的に「地域名+ジャンル名(サービス名)」の複合キーワードを設定します。その理由は、ターゲットユーザーと検索ワードがある程度絞られているからです。
たとえば、吉祥寺にあるカフェがMEO対策を行う場合、キーワードは「吉祥寺+カフェ」と設定します。なぜなら、ターゲットにしている見込み顧客は「吉祥寺でカフェを探している人」だからです。吉祥寺でカフェを探すなら、多くの人は「吉祥寺+カフェ」と検索するはずです。
ターゲットユーザーが最も検索するであろうキーワードを設定することで、必然的に集客へとつながります。MEO対策は難しい専門用語が並びますが、基本的な理屈は簡単なものといえます。
MEO対策のキーワードを選ぶ基準

では、MEO対策においてキーワードを選ぶ基準はどのようなものなのでしょうか。MEO対策では、主に次の基準を用いてキーワードを選定します。
- 商圏となる地域名
- 業態との関連性
- 検索ニーズ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商圏となる地域名
MEO対策で設定するキーワードには必ず地域名を選ぶことになります。その場合、自店舗の商圏となる地域名・関連公共機関を選ぶことが重要です。初心者でよくあるのは、東京都内だから「東京」といったワードを選んでしまうことです。商圏としては間違っていないですが、範囲が広すぎて大きな効果が期待できません。
基本的にMEO対策は自店舗から物理的な距離が近いユーザーへ向けて行うものです。そのため、商圏とする範囲は最大でも最寄り駅あるいは市区町村に留めましょう。店舗が新宿にあるなら、対策するキーワードは新宿の各駅名を候補とするといった具合です。より広範囲に集客したいからと、都道府県名などの大きな単位を使わないようにしてください。
業態との関連性
次に重要なのは、キーワードと自店舗の業態と関連があるかどうかです。業態とは「飲食店」「居酒屋」といった大枠のジャンルを指します。自店舗の業態と関連があるキーワードであれば、すべて対策候補になるので、一概に自店の業態名を決めつけない工夫が必要です。
たとえば、MEO対策をする店舗がいわゆるBARだったとしましょう。BARであれば、業態をそのまま「BAR」とすることはもちろんですが、「飲食店」「居酒屋」も関連性が強い業態名といえます。ダーツBARなど、特別な業態を取っているなら「遊技場」といったキーワードも含まれることでしょう。
まずは店舗の業態に関連すると思われるキーワードを何個もピックアップしてみることが肝心です。
検索ニーズ
MEO対策では商圏となる地域名と業態に関連するキーワードを選ぶことを説明しました。
しかし、選んだキーワードの検索数が少ないと、大きな効果は期待できません。そのため、検索数の多いキーワードを優先的にピックアップする必要があります。
キーワードごとの検索数は、Googleが無料で提供している『キーワードプランナー』で簡単に調べることができます。なるべく検索数の多いキーワードを選び、少ないキーワードは対策候補から除外する作業を行いましょう。
ただし、あまりに検索数の多いキーワードは競合店も多く、労力に対する効果が低くなることがあります。また、地方と都市部では似たようなキーワードでも検索数が格段に違うことに注意しましょう。少なく見える検索数でも、その地域では多い部類ということもあります。自店舗の立地条件や競合の数などをふまえて、勝負できるキーワードをしっかり考えることが重要です。
ビッグキーワード・スモールキーワード
検索数の多さを指す「ビッグキーワード」「スモールキーワード」もキーワード選定において意識しておきたいものの1つです。「ビッグキーワード」は月間検索数が多いキーワードを指し、「スモールキーワード」は月間検索数が少ないキーワードを指します。
ビッグキーワードにおいて検索上位をとれれば、より多くの人に見てもらえる確率が高まります。一方で検索数の多いキーワードは人気で競合も多いため、上位表示させる難易度は非常に高いです。スモールキーワードで上位表示させてもビッグキーワードほどのPV数は期待できませんが、その分競合は少なく上位表示させやすいのはメリットです。
それぞれ正反対のメリット・デメリットがあるため、企業規模やMEOにおける現在の対策状況などを鑑みながら、まず検索上位をとりやすいスモールキーワードを選択するのか、さらなる顧客獲得を目指してビッグキーワードを狙うのかを判断すると良いでしょう。
MEO対策に適さないキーワード

工夫次第で多くの顧客を獲得できるMEO対策ですが、対策する際に設定するキーワードには適しているものとそうでないものがあります。MEO対策に適さないキーワードを設定してしまうと、時間やコストが無駄になることもあるので注意しましょう。
以下でMEOに適さないキーワードについて解説しますので、今設定しているキーワードやこれから設定しようとしているキーワードが該当しないかチェックしてみてください。
単体キーワード
MEO対策で設定するキーワードは「業種+地域名」が基本です。
地域名を入れず業種のみの「単体キーワード」で設定してしまうと、商圏が絞れずキーワードが大きすぎてしまうために上位表示させるのが困難になってしまいます。MEO対策で設定するキーワードは複数の単語を用いたものにしましょう。複数の単語を合わせたキーワードを「ロングテールキーワード」と呼び、より効果的にターゲットへ訴求できるようになります。
商圏から外れたキーワード
店舗ビジネスをしていると、周辺の広い地域に対して集客をかけたいと考えるでしょう。
しかし、それが行き過ぎて商圏から大きく外れたキーワードまで入れてしまうと、Googleから認識されにくく、認識されたとしても自店のターゲットとは異なるユーザーにサービスを訴求することになりかねません。また、あまりにも商圏から外れてしまうとユーザーにとって不要な情報と見なされてしまい、Googleからの信用を落とす可能性もあります。
MEO対策のキーワードはある程度絞ったうえで、自店の商圏に近いものを選定したほうが店舗・ユーザーどちらにとってもメリットが大きいでしょう。
HPに記載のないキーワード
HPに一切記載がないキーワードもGoogleから認識されないケースが多いです。たとえば、実施していないにも関わらず「テイクアウト」というキーワードを入れても、Googleからは認識されにくく、認識されても顧客に誤解を与えるだけになるでしょう。
MEO対策で設定するキーワードはHPに記載のあるキーワードを使用し、その中でも特にアピールしたいキーワードを設定するようにしてください。
歯科医院おすすめキーワード例

歯科医院は数が非常に多いため「地域名 歯科」のようなシンプルなキーワードだけでは検索上位に上がるのが困難な場合もあります。自院の強みをアピールできるようなキーワードを決め、競合相手に差をつけることが重要です。
まずは競合相手と比較しながら、自院の強みをもう一度見直してみましょう。例えば、ほかの医院より開業日や診療時間が多いなど、当然と思っていたことが意外と大きなアピールポイントになる場合もあります。
歯科医院でのおすすめキーワードをいくつかご紹介しますので、参考にしてください。
- インプラント
- 矯正歯科
- ホワイトニング
- ブリッジ
- フッ素塗布
- 歯ぎしり
- 痛くない
- 抜かない
- 深夜
- 土日
- 子供
先ほどご紹介した業態との関連性や検索ニーズを踏まえて、適切なキーワードを選ぶようにしましょう。
MEO対策ポイントその1|仕組みと評価基準

MEO対策におけるキーワード選定の基準を説明しました。
しかし、それだけでは対策は不十分です。MEO対策で明確な効果を得るためには、次の2つの要素が必要不可欠です。
- ローカル検索での評価基準
- NAPの表記統一
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ローカル検索での評価基準
MEO対策では、キーワード選定とあわせて基本的なローカル検索での評価基準を満たす必要があります。その評価基準とは、Googleが公式発表している次の3つの要素です。
- 関連性
- 距離
- 知名度
上記がローカル検索での評価基準です。
まず、関連性とは検索キーワードが想定している店舗であるかどうかです。単純にいえば「カフェ」というキーワードには、業態がカフェである店舗が優先的に表示される仕組みとなっています。そのため、対策キーワードを増やすために他業種のキーワードを盛り込んでも意味がありません。業態がカフェならば、カフェに関するキーワードを対策するのが正攻法ということです。
次に重要なのは距離です。これは検索ユーザーの現在地情報にどれだけが近いかという要素です。仮にユーザーが新宿にいるのであれば、新宿近辺の情報が優先的に表示されます。つまり、渋谷の店舗が新宿のユーザーを集客しようと思っても、ハードルが高くなる仕組みです。
最後に重要なのは知名度です。知名度とは、現実での知名度にあわせて、GoogleMapでの口コミ・評価も加味されたものです。Googleは高品質な情報をユーザーに提供するために、知名度のある店舗を優先的に表示しています。
上記をまとめると、MEO対策をするには、実際に関連のある対策キーワードを選び、近隣のユーザーを意識し、レビュー数が増える高いサービスを提供することが大事といえます。
NAPの表記統一
次に重要なのは、NAPの表記統一です。NAPとは『Name・Address・Phone』それぞれの頭文字を取ったもので、店舗・施設名や住所・電話番号の表記を統一させるということです。表記を統一させないと、Googleのアルゴリズムや検索ユーザーが同一店舗の情報と認識できず、誤解を招く可能性が高まります。
例えば、店舗・施設名が『アップル』だったとしましょう。その際、表記を『アップル』だけではなく『Apple』も記載してしまうと混乱が生じます。必ずどちらかに統一しましょう。ほかにも、住所・電話番号に用いられる記号などは統一して記載しましょう。
オンライン上に掲載する店舗情報の編集を複数人で行うときは、事前に表記の仕方を決めて統一できるようにしてください。
MEO対策ポイントその2|Googleビジネスプロフィールの登録と情報の最適化

MEO対策では「Googleビジネスプロフィール」 の利用が必須です。登録する方法は簡単で、Googleビジネスプロフィールにアクセスして「管理を開始」ボタンを押すだけです。その後、店舗の詳細情報を入力すれば完了となります。
ただし、店舗運営を始めて時間が経過している場合は、店舗情報がGoogle側で勝手に生成されていることもあります。その場合は「このビジネスのオーナーですか?」というリンクが表示されるため、そこからオーナーとして認証を受ければ情報を編集することができます。Googleビジネスプロフィールに登録すれば、Google Mapに表示される店舗情報を充実させることができるため、必ず登録しておきましょう。
MEO対策ポイントその3|MEOで上位表示させる具体的な施策について

ここからは、さらに具体的な施策を解説していきます。MEO対策によって大きな効果を得るには、主に次の4つの要素が重要です。
- 口コミ・レビューを集める
- 投稿内容を充実させる
- 多言語に対応する
- 公式サイトのSEO対策を万全にする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
口コミ・レビューを集める
まずは店舗に対する口コミ・レビューを集めることが重要です。おそらく、この記事を読まれているみなさんも、近くの店舗を検索したときに口コミ欄を見ている人がいるのではないでしょうか。Googleでは店舗情報にユーザーが口コミを投稿できる機能があり、その数が多いほど知名度が高いと判断されています。
また、個人サイトで紹介される、まとめサイトでレビューを投稿されるなど、第三者から話題となっていると判断されれば、優先的に表示される可能性が高まります。先にも少し触れましたが、Googleの評価基準として知名度や人気は避けられない指標なのです。実際に口コミを集めるには、ユーザーの満足度を向上させるのが主な手段です。写真映えするようなイベントなどを計画すれば、さらに口コミを投稿してもらえる可能性が高まることでしょう。
MEO対策を意識するというより、実際のサービス品質を向上させることを目指すことが肝心といえます。
投稿内容を充実させる
日常的に行えるMEO対策としては、Googleビジネスプロフィールの投稿機能を活用する方法があります。投稿機能では、写真やテキストをオーナーが自由に投稿できます。
ユーザーにリアルタイムで情報を発信できるため、キャンペーンなどの告知に使われることが多いです。投稿が増えれば、Googleからの評価も高くなります。同時に、店内の雰囲気やサービスの具体的な内容を伝えることができれば、ユーザーからの興味を集めることが可能です。特に変化のない写真でも最新のものを投稿することで、ユーザーは情報の鮮度に安心します。
公式サイトのSEO対策を万全にする
MEO対策には、公式サイトのSEO対策にも大きな影響を及ぼします。公式サイトが通常検索でも上位に表示されるようになれば、相互作用としてMEOでの評価も高まります。そのため、公式サイトのSEO対策は万全なものにしておくことが重要です。
特に、公式サイトの掲載コンテンツは検索結果の一部に表示される可能性もあるため、ユーザーにとってわかりやすい内容を心がけましょう。高品質なサイト運営でアクセス数が集まれば、実店舗への来客数も自然と向上していくはずです。
MEO対策は独立した集客方法ではなく、SEO対策と併用して行うものと考えてください。
多言語に対応する
昨今では海外からの顧客も増えてきているため、店舗情報を多言語に対応させることも重要です。
Googleでは各ユーザーの使用言語に合わせて自動で翻訳する機能がついていますが、精度が高いとはいえません。海外の顧客にも正しい情報が伝わるように工夫することが必要です。
ただし、Googleビジネスプロフィールでは多言語対応できるほど充分な機能が備わっていません。効率的に多言語対応するには、公式サイトを英語や中国語対応にすると良いでしょう。同時に、海外ユーザーがどのような単語で検索するか、外国語のキーワードも分析する必要があります。
多言語対応は手間と労力がかかりますが、昨今のインバウンド需要を積極的に取り込むことができる有力な手段となります。
MEO対策の効果をGoolgeビジネスプロフィールの「インサイト」から確認しよう

MEO対策の効果を詳しく分析するためには、ユーザーがどういったキーワードで流入したのか判別する必要があります。そこで使われるのが、Googleビジネスプロフィールの機能である「インサイト」です。インサイトを使えば、ユーザーがどのように自店の情報にアクセスしたかがわかります。
具体的な使い方は次のとおりです。
- Googleビジネスプロフィールにログインする
- ホーム画面の項目にあるインサイトをクリック(タップ)
特に難しい操作は必要ありません。インサイト画面を開くと、自店の情報を見たユーザーがどういったキーワードで検索したか、一覧となって表示されます。各キーワードの傾向などを分析し、新たに対策するキーワードなどを選定していきます。MEO対策で目に見える効果を得るには、継続的な分析と実践が必要というわけです。
まとめ

MEO対策におけるキーワード選定と集客のポイントを解説しました。MEO対策は、誤ったキーワードを選ぶと何の効果も得られません。
しかし、正しいキーワード選定と対策を行えば、驚くほどの集客効果を得ることができます。実店舗への集客を考えている人は、ぜひ本記事を参考にMEO対策に取り組んでみてください。時間の経過と共に、目に見えてお客様の数が増えていくことでしょう。