2008年ごろから日本の人口が徐々に減り始め、今後もそれがさらに加速することが予測されるため、現在、歯科医院経営では生産性を最重要指標として運営すべき時代に変わりつつあります。
開業している医院数の減少は1医院あたりの患者数の増加につながるため売上の向上になる可能性がありますが、近年の保険点数の減少傾向、労務費の増加傾向をみると、利益は減少することが予測され、医院経営は全体でみると決して容易ではないと予測できます。
またコロナウイルスの影響により、一時的に人材は採用しやすくなっていますが人口減少の傾向は変わらないため、資格職である歯科衛生士の採用においては20軒に1軒しか新卒の衛生士を採用できないという現状となっています。このような背景から歯科医院の採用水準は上がり続け、首都圏の歯科衛生士の新卒初任給は一般的な大卒の初任給より5万円ほど高い25~26万円が水準となっています。
今後も患者数は減少する可能性があり、人件費は増加、利益が減少することが予測されます。最近では売上をアップしても経費がそれ以上にかかってしまうため、売上アップ、患者数アップ、医院規模の拡大をしても利益が上がらなくなるケースを頻繁に目にするようになりました。
今後、材料代や人件費などさまざまなコストが上昇するため、利益が残っていなければ必要な投資ができなくなり、十分な治療ができなくなる可能性があるため、これからは営業利益とチェア1台あたりの売上を向上させる必要があります。
医院の売上を伸ばす手法は色々とありますが、どのような方法を用いるにしろ、医院の穴(院長主体の医院経営)から発生する課題(キャンセル、治療中断、採用コスト高、離職)を減少させない限り、安定した医院経営を手に入れることはできません。
ホームページをリニューアルしたり、SEO対策、MEO対策、SNS対策を行い頑張って集患したところで、院長主体で患者が定着しない組織体制の医院にどれだけ患者が来院してもその場しのぎの施策となるため、医院の経営が安定することはありません。
最初に患者数を増やすのではなく、まずはスタッフを定着させ、患者さんと一番接点があるスタッフの能力を引き出す仕組みを導入し、そして患者さんがリコールする仕組みを構築して院内の診療単価を上げる、そこから来院患者数を増やす施策をとるべきです。そうしなければ医院経営は今後衰退の一路をたどるでしょう。
歯科医院で働くスタッフは女性の割合が高いため、結婚や出産・育児により離職となるケースも必然的に多く、競合となる求人数が多いなどの理由によりそもそも定着が困難となっています。さらに採用媒体や人材紹介費用の高騰により採用にかかるランニングコストと教育にかける時間は、歯科医院経営において重要なポイントになっています。
Indeed | |
グッピー | 15万円 |
クオキャリア | 55万円 |
DHスタイル | 5万円×12 |
就活フェアー | 30万円〜40万円 |
求人用ホームページ | 50万円 |
合計 | 210〜220万円 |
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患者接遇マナー研修 | 10万円〜20万円 |
モチベーションアップ研修 | 10万円〜80万円 |
コミュニケーション研修 | 10万円〜40万円 |
リーダーシップ研修 | 10万円〜30万円 |
カウンセリング導入研修 | 10万円〜80万円 |
合計 | 50〜250万円 |
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例えば歯科衛生士の場合、平均1年で担当患者を持つようになると言われており、ユニット1台あたりで月間20万点を超えるには平均して3年、30万点を達成するには5年かかります。そのため予防型歯科の仕組を導入してもスタッフが定着する仕組みがなければ、そもそもそのレベルに達することはありません。
歯科医師や歯科衛生士はもちろんのこと、歯科助手や受付が定着しない場合、ユニットの稼働を調整しなければならない機会は増え、本来ならばユニットを稼働させて売上を上げたいにも関わらず、診療を制限せざるを得ない状況におちいります。スタッフが定着しない医院では、採用コストに加えて売上も減少していくため、二重に医院経営を圧迫していきます。
例えばどんなに新規患者を集め売上が上がっても、保険診療主体の医院経営では利益が残らず、スタッフは疲弊し離脱、そして採用の繰り返しとなるため、院内の雰囲気は最悪となり患者様がその医院にメンテナンスに通うことはありません。これからは患者とのつながりが深く、院長先生、スタッフが柔軟に変化できる歯科医院だけが成長できる時代に突入します。
そのため今回のオンラインセミナーでは、「⼈」を気にするあまり、スタッフに嫌な思いにさせないようにということに注⼒しすぎた結果、医院全体が⼈の感情に左右されてしまい、機嫌の悪い⼈がいると周囲の空気が悪くなるため、スタッフの機嫌を取らなければ不平・不満が出てしまうなど、スタッフが常に不公平感を感じ離職を繰り返す状況から、スタッフの能力を引き出し、院長が指示を出すだけであとはスタッフが自主的に行動する仕組みを構築し、その結果、メンテナンス患者数を3582人まで伸ばし、リコール率88%、月の自費売上998万円を達成した、医療法人燦燦なんごうや歯科医院の南郷谷香利院長をお招きし、全ての仕事をスタッフに任せても医院が安定、成長していく、院長が動かなくてもスタッフが売り上げを上げてくれる医院を構築した事例を公開します。
iWAMトレーナーとして仕事のモチベーションと行動特性に関わるコンサルを行う
現在は心理学、言語学、行動心理学を活用した「カウンセリングセミナー・コーチングセミナー」を開催したり歯科院長や起業家向けに経営コンサルティングを行っている
院長 | 南郷谷 香利 | KAORI NANGOUYA |
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(医)燦燦なんごうや歯科医院理事長
(株)ベターフィールド代表
iWAMトレーナーとして仕事のモチベーションと行動特性に関わるコンサルを行う
現在は心理学、言語学、行動心理学を活用した「カウンセリングセミナー・コーチングセミナー」を開催したり歯科院長や起業家向けに経営コンサルティングを行っている
マウスピース矯正や審美など院長先生が導入したい施策ならばなんでもいいのですが、例えばリピート率の高い予防型歯科医院を構築するためには、メンテナンス以外にスタッフを巻き込む医院体制を構築することが大事な側面となってきます。
そのため今回ご登壇頂く南郷谷先生は、指示をするだけで後はスタッフが自主的に動き南郷谷先生の理想とするリコール率の高い予防型歯科医院を構築するためにiWAMを導入し医院改革を行いました。
iWAM(アイワム)とはInventry(特製記録) for Work(仕事),Attitude(姿勢)And Motivation(動機付け)の略で、社員のモチベーションを維持し、人材を活かせる企業をサポートするために認知科学を応用し開発された革新的なプログラムです。
このように仕事におけるものの見方や考え方(思考スタイル)をiWAMによって数値で可視化することにより、それぞれの行動特性をフルに活かし、才能を伸ばすマネジメント法が具体的に手に入ります。どのような環境がもっとも業務効率が上がるのか、どんなタイプの上司の元で育成すると成長が速いのか、問題が想定される場面、サポートが必要な領域は何か?どのような課題を与えると才能が伸びるのか?など、個人個人に特化した「教育法」が明快になることで、適材を逸材へと育てることが可能となります。
南郷谷先生はこのiWAMのデータを活用することで、スタッフ一人一人の「仕事への取り組み方や考え方」をより深く理解し、逸材に育て、逸材が辞めない予防型歯科医院を構築するために必要な医院風土を作ることに成功しました。
衛生士
歯科助手
受付
2017年には全体型の数値が上がっています。物事の全体像を見て優先順位をつける、全体像が見えるようにコーチングを始めた影響が出ています。業務も増えてきたため、受付を辞めさせ、完全に裏方の事務へと変更していただきました。
2021年、いままではプロセス型の数値だけ高く、一つの仕事しかできなかったのが、並行して複数の仕事を出来るようになりました。(オプション型が上がった。)スタッフ間の多様性もこれまで以上に受け入れられるようになりました。2017年に-46だった寛容が、147まであがり、その逆の遵守型の数値も下がりました。2017年に低かった未来・過去重視が高くて現在11→過去30、未来53、現在87。その反面、外的基準が下がり(-5)、フィードバック・アドバイスなどを聞かないようになりました。
衛生士
衛生士のSさんは、特に医院に大きな変化をもたらしてくれました。はじめは親和重視型・自己責任型の数値が低い方でした。言い換えれば、有効的なグループに所属することを重視せず、個人で責任を持つことでモチベーションが上がらないといった特徴があります。
そんな彼女に、2012年にMFTのセミナーに行かせました。翌年2013年にはSさんを講師としてMFTセミナーも開始しました。『患者さんにMFTをやろう』と期限付きで目標を与えたのも大きかったかと思います。また、上司のM’さんが辞めたことによる、リーダーとしての自覚も出てきました。
2014年になると、自分が医院のリーダーになったことから、親和・自己責任・人間重視が高くなっています。医院全体で働きやすい環境を作るように成長していきました。
2017年にはオプションが50上がっています。複数の仕事をさばくことに意識が向いていなかった人が、色んな仕事を託したことにより、成長しました。2015〜2017年にかけては相違重視型がマイナスからV字回復し、仕事に大きな変化を求めるようになりました。
歯科医師
2020年入社歯科医師のYさんはいままではオプション型が低く、一度に多くのことを考えきれませんでした。2021年には一度に並行して物事に取り組めるようになり、プロセスも高いままです。
知識重視も上がりました。これまで勉強はしてきたものの、重要視をしていなかったので、数字は-26を指していました。現在は、「もっと知りたい、もっと学びたい」と、勉強への意欲が湧いているようで、71までこの数値が上がっています。Yさんには勉強会やセミナーなど、普段から学びの機会を提供しています。
チーム型が39と低かったので、スタッフを巻き込んで仕事をするようにコーチングもしました。スタッフを巻き込む、スタッフに共有するということを意識させることで、75までチーム型の意識が高まりました。また、新しい仕事を与えたときに、考えに考えてから動き、計画を建てる人でしたが、今はとりあえずやってみてから考えるようになりました。(即行動58→76)同一性重視は、同じことを安定的に行っていく数値ですが、98から38に下がるなど、変化に対する受容性が高くなりました。逆に持続的に進化や進展を求め、改善点を意識する進展重視は、-19から50と上がっています。
前はシステム重視型の数字が高く、口癖は「やったこと無い仕事はできません」でした。数値は82→-10に下がり、臨機応変に動くようになりました。「とりあえずやってみよう」と背中を押すように心がけました。自己責任も上がってきており、仕事を任せる機会も増えたことに起因していると考えられます。今後の課題としては結果にコミットするということを意識させ、達成重視型の数値を上げていくことを本人と話しています。
多くの院長先生が、全ての仕事をスタッフに任せても医院が安定、成長していく医院を構築したいと思っていますが、どこから改革していいのかわからなかったり、スタッフのことはスタッフに任せるという院長先生が多いため、実際にスタッフが自立し、院長がいなくてもメンテナンス患者数を増やし、自費売上を伸ばし、院長に頼らない理想とする医院経営を手に入れた先生がどういうことをやっているのか、このセミナーでお伝えしていきたいと思います。
生産性を高め患者から支持される歯科医院を目指す多くの医院経営者様に参加して頂きたいのですが、セミナーに参加できるクリニックは30医院様までとさせていただいております。
先生は今までに沢山の人が集まるセミナーや勉強会、会社説明会などに参加されてきたと思います。そういった大勢の人がいる場で、自分の本音や意見を発表できたでしょうか。このセミナーには同じような悩みを持たれた院長先生が集まります。コミュニケーションが取りやすい環境を整え、悩みや不安を講師と参加者で共有し、楽しく学びを深めることで、問題を解決に導きます。
この無料オンラインセミナーを受講して頂いた院長先生には必ず結果を出して頂きたい為、ご理解頂けますと幸いでございます。