「被リンク」という言葉をご存じでしょうか?被リンクはSEO対策において長年重視されてきたもので、良い被リンクを多く獲得できると検索順位の向上が期待できます。
ただし、被リンクには「良い被リンク」と「悪い被リンク」があり、この意味や対策を知っていないとご自身のサイトが検索結果から消されてしまう可能性もあるため、注意しなくてはなりません。
本記事では「被リンク」をテーマに、SEO対策における重要性や被リンクの獲得方法などを徹底解説します。良い被リンクと悪い被リンクの見分け方や調べ方も解説しますので、現在サイト運営をしている方やSEO対策に興味がある方はぜひご覧ください。
被リンクとは?

被リンクとは、自分のサイトURLを外部サイトに貼ってもらうことです。
被リンクをたくさんされると「さまざまな人から信頼されているサイトだ」と検索エンジンが評価するため、上位表示されやすくなります。そのため、いかに被リンクを獲得できるかはSEO対策において非常に重要なのです。
なぜ被リンクが検索結果・SEOに影響するのか
GoogleやYahoo!の検索エンジンは、各サイトの内容だけでサイトの信憑性を判断できません。各サイトがどの程度認知されていて、どの程度信用できるのかは、さまざまな要素をもとに判断する必要があります。
判断材料のひとつとして用いられるのが「被リンク」です。被リンクが多いサイトは、多くの人々に認識・信頼されているサイトであると考えられます。また、嘘の情報がなく内容が充実していて、ユーザーにとって有益なサイトであるとも判断しやすいため、評価が高くなり検索結果でも上位表示されやすくなるのです。
Googleが被リンクについてどのように考えているか
Googleの『Googleが掲げる10の真実』では、被リンクについて以下のような記述があります。
ウェブ上の民主主義は機能する。 Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。(以下略)
上記の内容を要約すると「被リンクが多いサイトほど、重要なコンテンツと判断しやすい」といった意味合いと解釈できます。このことからも、SEO対策において被リンクを多く獲得するのがいかに重要かが分かるでしょう。
SEOにおける被リンクの重要性

前述のとおり、SEO対策において被リンクはとても重要なものです。検索エンジンから信頼されるためには、他サイトからの被リンクが必要不可欠と言えます。被リンクを多く獲得すると具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説しましょう。
被リンクを獲得するメリットは、以下の3つです。
- 検索上位が獲得しやすくなり、PV(ページビュー)数の増加が期待できる
- ドメインパワーが上がることで、上位表示されやすくなる
- クローラーの巡回が来やすくなる
それぞれ詳しく解説していきます。
検索上位が獲得しやすくなり、PV(ページビュー)数の増加が期待できる
被リンクの多いサイトは検索エンジンからの評価が高くなり、結果として検索上位に表示される可能性が高まります。検索上位がとれれば、PV数の増加やコンバージョン率の向上も期待できるでしょう。
さらに、サイトへの訪問者が増加すれば上位表示されたページ以外のページもPV数が増加しやすくなります。このように、サイト全体としての好循環を生み出すためにも、被リンクは欠かせません。
ドメインパワーが上がることで、上位表示されやすくなる
ドメインパワーとは、そのドメイン自体への信用度のことです。ドメインは「〇〇〇.com」や「〇〇〇.jp」のようなもので、このドメイン自体の信用度が高まると、そのサイトにある全ページの表示順位が向上しやすくなります。被リンクを多く獲得できると、サイト自体への評価も高まるため、ドメインパワーが上がりやすいのです。
ページごとに上位表示されるのも重要ですが、ドメインパワーが強ければ各ページを個別に育てずともスピーディーに上位表示させやすくなります。また、ドメインパワーが弱いと大企業のページに勝てず、いくら対策してもトップ3に入れないケースが少なくありません。そのため、ドメインパワーを向上させるのはSEO対策においてとても大切なのです。
クローラーの巡回が来やすくなる
クローラーとは、ネット上にあるさまざまなコンテンツを調査して検索結果に反映するもので、クローラーが巡回してきていないページは、そもそも検索結果に表示されません。また、長期間クローラーが巡回していないページは評価が低いままで、どれだけ対策しても効果が見られないことがあります。
被リンクを増やすと、他サイト経由での巡回が増え、そのページの評価も向上しやすくなります。新着記事の評価もされやすくなり、さらにページごとの情報や評価も修正されやすくなるため、よりSEO対策をスムーズに進められるのです。
被リンクの種類

被リンクは、ただ外部サイトにリンクを貼ってもらえば良いわけではありません。被リンクには「良い被リンク」と「悪い被リンク」があり、これらを把握していないと、ペナルティによってサイトの信用度を下げてしまう可能性もあります。
「良い被リンク」と「悪い被リンク」の特徴や具体的な例について解説しますので、現在SEO対策を行っているサイト運営者の方はぜひ参考にしてください。
良い被リンク
まずご紹介するのが「良い被リンク」です。具体的には被リンクの使い方や内容が自然なリンクを指し、こうしたリンクを「ナチュラルリンク」と呼ぶこともあります。
良い被リンクの具体例や、ナチュラルリンクと判断されるための方法などをご紹介します。
信用度の高いサイトからの被リンク
既に検索エンジンの評価が高いサイトからの被リンクは、良いリンクとして判断されやすいものです。信用度の高いサイトは「ドメインパワーの高いサイト」で、こうしたサイトから被リンクを受ければ、自分のサイトの評価も高くなりやすいでしょう。
また、信用度の高いサイトは既に多くのユーザーから見られている可能性が高いです。そのため、そのサイトから自分のサイトへ複数のユーザーが流れることでPV数が増加し、SEO上も有利に働くケースが多くあります。
自然な文脈で使用される被リンク
サイトの信用性に関わらず、適切なかたちで使われている被リンクは、SEO対策において良い影響が出やすいとされています。特に、被リンクをしたサイト側のジャンルやコンテンツ内容が有益なものであれば、良い被リンクと判断されやすいでしょう。
また、内容が自分のサイトと関連性が高いと、良い被リンクであると判断される傾向があります。
IPアドレスやドメインが分散されている複数の被リンク
IPアドレスやドメインが分散していると、リンク先サイトとは関係のないサイトからの被リンクと考えやすいため、良い被リンクと判断されやすくなります。
逆に、同一のIPアドレスやドメインから複数の被リンクを獲得した場合、リンク先サイトと関係があると判断されやすく、利害関係があると判断されるケースもあるため、注意しましょう。
悪い被リンク
悪い被リンクは、場合によってはペナルティの対象となり、SEO対策において不利になる可能性もある危険なものです。意図せずして悪い被リンクをもらってしまう可能性も十分にありえます。
ペナルティ回避のためにも、以下の解説を読み、ご自身のサイト運営にお役立てください。
まったく関係のないサイトからの被リンク
まったく関係のないサイトやコンテンツからの不自然な被リンクは、SEO対策で良い影響が出にくいとされています。
サイトジャンルが関係なくても、コンテンツの内容と関連があれば良い被リンクと判断できますが、コンテンツ内容もまったく関係がないと、何のための被リンクなのかが不透明になるためです。できる限り関連性のあるサイトやコンテンツからの被リンクを獲得できるようにしましょう。
ワードサラダからの被リンク
ワードサラダからの被リンクは、ペナルティの対象となる確率が非常に高いので注意しましょう。
ワードサラダとは、文法は問題がないのに文章が支離滅裂なことを指し、SEO対策のために自動生成されたコンテンツを指す場合が多いといえます。例えば「私は身長が高いので、コーヒーを買いに行きます」のような文章です。
ワードサラダは、当初は検索エンジンの特性を逆手にとった手法として注目されましたが、現在は検索エンジン側がしっかりと対策を行っています。ワードサラダから被リンクを受けると「悪質サイトと関係がある」と判断され、ペナルティを受けるのです。
購入した被リンクや隠しリンク
リンク販売業者から被リンクを購入するのは、ペナルティを受ける可能性が高い被リンク方法です。
以前はリンクを大量購入して被リンク数を増やし、ドメインパワーを高める手法がありましたが、現在ではこうした不自然な被リンクは検索エンジン側で対策されています。被リンクを購入しているのがバレると、最悪の場合は検索結果から消されてしまいますので、絶対に利用しないでください。
また、ユーザーが見えないように配置する「隠しリンク」も同様です。ユーザーにバレないようにリンクを張って被リンクを稼ぐ手法も現在は対策されていますので、ペナルティを受ける可能性があります。
被リンクの獲得方法

被リンクについての仕組みや概要が理解できたら、さっそく獲得に向けて取り組んでいきましょう。被リンクを獲得するための効果的な方法を3つご紹介しますので、ぜひご自身のサイト運営に役立ててください。
良質なコンテンツを提供し続ける
一番重要なのは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し続けることです。
急がずに良いコンテンツを提供し続ければ、サイトのファンが増え、被リンク数も増加していきます。逆に、過度に被リンクしてもらうように働きかけても、サイトそのものの内容が伴っていなければ「サイト滞在時間」や「再訪問回数」が上がらず「直帰率」や「離脱率」が高まるばかりで、サイトの信用度は高まりません。
良質なコンテンツが豊富にあるサイトを作成すれば、ファン層が厚くなり、長期的に安定してPVを稼げるサイトに育っていくはずです。無理に被リンクを増やそうと焦らず、まずは良質なコンテンツ作成に努めましょう。
SNSで宣伝する
SNSでサイトについて発信するのは、サイトの認知度を高めるために必要不可欠です。
Twitter・Instagram・TikTok・YouTubeなど、各SNSごとに発信方法を工夫しながら、有効活用してサイトの認知度を高めていきましょう。もし、SNS経由での流入が増加すれば、被リンクの有無に関わらずサイト信用度が高まるため、取り組んで損はありません。
また、SNSで自分のサイト名を取り上げてもらうと「サイテーション」というかたちでSEO対策においてプラスの効果があります。これはリンクを貼ってもらわなくても効果があるので、サイテーション獲得のためにもSNS運用はおすすめです。
専門性を強化し、引用したくなるような内容を記載する
被リンクを得やすい内容として「引用」があります。
「引用:厚生労働省〇〇」や「引用:バイク専門サイト〇〇」のように、引用する場合にはリンクを貼るのがルールとなっているため、被リンクを獲得しやすくなるのです。つまり、専門性が高く、ほかにない情報を扱えば引用される確率が高まり、結果として被リンクも得やすくなるといえます。
例えば、自分自身で足を運んで調べた情報やさまざまな情報をもとに、自分なりの考察や新たな課題点を書いたページ・商品の比較レビュー・独自に行った実験の結果などは、引用元として取り上げてもらいやすくなります。コンテンツ作成に時間がかかりますが、このような専門性の高い良質なコンテンツを作成すると、被リンクが獲得しやすくなるでしょう。
獲得した被リンクの確認方法

被リンクを獲得しても、メール等で通知が来るわけではありません。自分自身でリンクを確認するためのツールを使って、どのサイトのどのページにリンクが貼られたのかを調べる必要があります。
被リンクを調べないと、悪質なサイト(ワードサラダやリンクばかりのサイトなど)から被リンクを受けてしまい、ペナルティを受ける可能性があるため、必ず定期的に調査を行ってください。
Googleサーチコンソールを使用する
Googleサーチコンソールは、Googleが無償提供しているツールで、検索エンジンにおける評価(サイトパフォーマンス)を調査できるものです。ログイン後に「メニュー」にある「リンク」をクリックすると、自分のサイトをリンクしているサイトが分かります。
なお、Googleサーチコンソールを利用する際にはDNS設定が必要です。WordPressに『All in One SEO』を導入している場合は、以下のように設定しましょう。
- プラグイン設定から、SEO設定を選択する
- Webmaster Toolsから Google Search Consoleを選択する
- TXTレコードをコピー&ペーストする
簡単に設定できますので、ぜひお試しください。
リンクチェックツールを使用する
リンクチェックのためのツールは、無償のものが数多く提供されています。無償で利用できるリンクチェックツールは、以下のとおりです。
上記のツールは事前設定なく利用でき、操作も簡単に行えます。ひとまず自分のサイト状況を知りたい方にはぴったりといえるでしょう。SEO対策ツールでは、リンクだけでなく、コンテンツの充実度や競合分析などを細かく行えるため、SEO対策を本格的に行いたい方はぜひ導入を検討してください。
被リンクの注意点

サイトの評価向上に必要な被リンクですが、獲得する際にはいくつかの注意点があります。注意点を知らなかったばかりに、サイトの評価を落としてしまうケースもありますので、ぜひ以下で解説する内容を念頭において、サイト運営を行ってください。
被リンクの数だけを追い求めない
被リンクの数ばかりを追い求めると、低品質な悪い被リンクが増えてしまったり、焦りから被リンクを購入したりしやすくなります。重要なのは、良い被リンク(ナチュラルリンク)を増やし、より多くの方に見てもらうことです。決して検索順位の向上だけが目的にならないよう注意しましょう。
相互リンクの相談には慎重に対応する
お互いにリンクを張り合って被リンク数を増やす「相互リンク」ですが、もしお互いのサイトに関連性がない場合は、良い被リンクと判断されない確率が高いでしょう。そのため、無理のある相互リンクの相談には応じないほうが無難です。
しかし、相互リンクを断ることで悪い評判を立てられる可能性もあります。相手に対して最大限丁寧に対応し、お互いにとって不利益にならないような交渉を心がけましょう。
悪質な被リンクがないか、定期的に確認する
悪質な被リンクが増えると、自分のサイト評価が不当に落とされてしまう原因となります。定期的にリンクチェックツールでリンクの質を調査し、悪質な被リンクをされていないか確認する習慣をつけましょう。
質の低い被リンクがあった場合はサイト運営者へ連絡して対応しなくてはなりませんが、連絡が取れないケースも少なくありません。その場合は、 Googleサーチコンソールからリンクを否認できます。もし既に悪質な被リンクがある場合は、Search Consoleヘルプを参考に対処しましょう。
まとめ

サイトのSEO対策において重要な「被リンク」は、より多くの人にコンテンツを楽しんでもらうための手段として非常に効果があります。
しかし、重要なのは被リンクを増やすことではなく、良いコンテンツを継続して提供することです。良いと思ってもらった人から被リンクをもらうことで、検索エンジンの評価にも繋がることでしょう。被リンクを獲得するのが目標になると、悪質な被リンク業者に引っかかってしまうなど、トラブルの原因にもなりかねません。まず第一に魅力的なサイト作りをして、多くの人に見てもらうための手段のひとつとして被リンクを活用してみてください。