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SNSを活用した営業戦略!上手な運用方法をご紹介
2021年09月07日更新日:2024年04月19日
SNSによる情報発信や収集が増加しつつある現在、営業戦略におけるSNS活用の重要性も一層高まりを見せています。SNSによるマーケティングに取り組む際には、それぞれのツールの特徴を知り、それに応じた情報発信を行っていくことが重要です。
今回の記事では、SNSを活用した営業戦略について、ツールの使い分け方や注意点についてご紹介します。記事の最後にはSNSマーケティング戦略の活用事例も掲載していますので、ぜひ最後までお読みになって参考にしてください。
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングとは、FacebookやTwitterなどのSNSを活用したマーケティング手法のことです。
具体的には、認知度拡大やファン獲得、ブランディングといった目的のもと、SNSにて商品やサービスなどの情報発信を行ったり、企業の雰囲気を伝える画像や動画を投稿したりすることを指します。
SNSを活用した営業戦略はなぜ重要視されるのか
現在、規模の大小や業種を問わず、SNSマーケティングを営業戦略に組み込む企業が増えています。その理由としては、ユーザーの検索行動の変化やSNSの持つ機能がビジネスに役立つことなどが挙げられます。
以下に詳しく解説します。
SNSを利用した検索行動の増加
総務省が発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、国内で主に利用されているSNS(Facebook・Twitter・Instagram・LINE)の利用率は以下のように推移しています。
- 総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より作成
- Instagramは2014年に国内サービス開始
いずれのSNSも2012年から2020年までに利用率が約2~4倍増加しており、急速にSNSが普及している様子が伺えます。それに伴い、ユーザーの検索行動にも変化が見られるようになりました。従来利用していたGoogleやYahoo! JAPANのような検索エンジンの代わりに、SNSで情報を収集するユーザーが増えているのです。
SNSを利用するメリットは、ハッシュタグを活用して簡単に検索でき、他ユーザーの撮影した画像・動画・客観的なレビューや口コミにダイレクトにアクセスできる点であると考えられます。
こうしたSNSによる検索行動の増加に伴い、SNSマーケティングは営業戦略において重要視されるものとなっています。
費用対効果が高い
紙媒体の広告発信は、費用がかかるうえに広告効果が分かりづらいというデメリットがあります。
また、一般的なWeb対策として知られるSEO対策やリスティング広告も、長期的に見れば費用がかさみ予算を圧迫してしまいます。飲食店や美容関連のプラットフォームも同様で、効率的に情報発信ができる反面、運営側に利用料を払わなくてはなりません。
SNSの多くはアカウント開設が無料、自社で運用をするのであれば運用費もかかりません。広告費に予算を割けない企業でも取り組むことができ、大きな成果を上げることができます。
情報拡散力が高い
紙媒体やWebサイトを利用した情報発信は、決まったユーザーにしか届かず新たな顧客を開拓するのが難しい場合があります。
それに対し、SNSはTwitterのリツイートやInstagramのシェアのように、情報を共有・拡散する機能を備えているものがあり、魅力的な投稿を行えばユーザーが拡散をしてくれます。
そのため、今まで情報を発信できていなかった新しいユーザーへのアプローチがしやすくなります。
ユーザーとコミュニケーションが取れる
SNSは、メッセージやコメント機能を活用することでユーザーとコミュニケーションを取ることが可能です。丁寧に返信をすることでユーザーから愛着や信用を得ることができ、イメージアップやブランディングにつながります。
また、Facebook・Twitter・ Instagram は「いいね」機能を利用してワンクリックで手軽にコミュニケーションすることも可能で、プレゼント・クイズ・アンケートなどに役立てることができます。
SNSマーケティングのおすすめツール!
SNSには数多くの種類がありますが、特に日本において利用率の高い5つのツールとその特徴をご紹介します。
ターゲティングや運用目的など、営業戦略に応じて適したツールを選ぶようにしましょう。
Facebookは、世界でもっともユーザー数の多いSNSです。実名登録制であることが大きな特徴で、学歴や会社名を登録し、ビジネス活動やリアルの友人・知人とのやり取りに利用されるケースが多く見られます。利用者の年代は30~50代と比較的高めです。
このような特徴からSNSとしてはやや堅苦しい印象がありますが、その分、高い信頼性が求められるクリニック・学習塾・弁護士・税理士といった士業と相性のよいツールです。
Twitterは、一度に投稿できるテキストが140文字・画像は4枚以下とコンパクトで「いつでも、どこでも」投稿できる気軽さが魅力です。
ユーザーの年齢層は幅広く、リアルタイム性と拡散力の高さから、一つの投稿が一気に話題になることも多いです。他のSNSと比較するとカジュアルな印象が強いことから、いわゆる「ネタ投稿」が多いのも特徴です。
ビジネスツールとしては、セールや臨時休業などのリアルタイムの情報を伝えたり、何気ないつぶやきでユーザーに親しみを持ってもらったりするといった活用法があります。
Instagramは、20~40代の比較的若い世代の女性を中心に人気が高いSNSです。画像や映像が投稿のメインとなり、ビジネスとしては製品やサービスの魅力を視覚的に訴えるビジュアルマーケティングツールとして活用されています。
プロモーションビデオやコマーシャルのような動画を簡単に投稿できるリール投稿やIGTVに加えショッピング機能なども導入され、今後ますます便利なビジネスツールに進化していくことが期待されます。
LINE
LINEは、友人や家族間でのコミュニケーションツールとして老若男女問わず幅広いユーザーに利用されています。一対一のコミュニケーションとなるため拡散力は低いですが、その分確実に情報を届けられる点が大きなメリットです。
「LINE公式アカウント」というサービスを利用すれば、アンケート機能やクーポン配布などの販促ツールとしても活用することができます。
YouTube
YouTubeは、 日本でもっともユーザーの多い動画系SNSでデジタルマーケティングツールとしても優秀です。YouTubeチャンネル運用はもちろんのこと、YouTube広告の投稿・インフルエンサーマーケティングなどYouTubeを利用したマーケティングは多種多様で、予算や運用目的に合った戦略を組み立てることが可能です。
テキストや画像と比較して圧倒的に情報量が多い動画コンテンツが中心となるため、認知度の向上やブランディングに大いに役立ちます。
SNSマーケティングを行うときの注意点
SNSマーケティングと一口にいっても、SNSの選び方やマーケティングの方法は多種多様です。その中から自社に合ったマーケティング手法を営業戦略に組み込み成果を上げていくためには、SNSマーケティングの特徴やリスクを知り、それに沿って運用計画を立てる必要があります。
SNSマーケティングを行う際に気をつけるべき点について解説します。
ツールに合った情報発信を行う
SNSマーケティングを利用している企業に散見されるのが、InstagramにもFacebookにも同じ情報を掲載しているという点です。
先ほどご紹介した通り、SNSはそれぞれ特徴やユーザー層に違いがあるため「どのSNSを使い、どのように情報を発信するのか」を明確にしておかなければ、本当に伝えたいユーザーに効率よく情報を届けることはできません。
例えば歯科医院であれば、Facebookでは比較的高い年齢層にアプローチするために真面目な医学ネタ・インプラント・ブリッジなどの情報を、Instagramでは若い年齢層に向けて歯科矯正やホワイトニングについての情報を発信するなど、SNSごとに発信する情報・テキスト・写真などを変えて、そのSNSの強みを最大限に発揮できる運用を行うことが重要です。
ルール設定を行う
SNSマーケティングを長期的に続けていくと、運用目的や投稿内容にブレが生じ一貫性のない内容になってしまうことがあります。
SNSマーケティングにおいて重要なのは、一貫性のある情報を定期的に発信することです。それによってユーザーは「このアカウントをこの日に見れば自分の欲しい情報が受け取れる」と考えることから、閲覧数やフォロワー数の増加につながります。
運用を始める前に、投稿頻度・日時・投稿する内容の傾向などの運用ルールをしっかり決めておきましょう。ルールを明確にすることで、運用担当者が複数いる場合や代行会社に投稿代行を依頼する場合でも、ブレのない運用が可能となります。
炎上リスクに注意
SNSのメリットとしてユーザー自身が情報を拡散してくれるという点がありますが、それゆえにネガティブな広まり方をしてしまう(炎上する)場合もあります。
一度企業に悪いイメージがつくと払拭は難しく、営業戦略を根本から揺るがす原因にもなりかねません。炎上の原因としては、運用担当者の誤操作・不適切な内容の発信・コメントへの返信などが挙げられます。
上記でご紹介したように運用ルールを明確にすることに加え、投稿前に複数人でチェックをする・ネットリテラシーの研修を行うといった対策を行うことで炎上リスクを軽減できます。
また、運用中のSNSアカウントはこまめにチェックして、炎上の原因となる投稿やコメントがないかを確認することも重要です。
SNSマーケティング戦略の成功事例5選
最後にSNSマーケティングの成功事例をご紹介します。
いずれもSNSの特徴を活かした戦略的でユニークなものばかりです。SNSマーケティング戦略を考える際の参考にしてください。
ソフトバンク
2013年、ソフトバンクはFacebookで「ケータイ代一生分無料キャンペーン」を実施し大きな話題を呼びました。
これはFacebookで「いいね!」をした人から抽選で1名に一生分(正しくは64年間分)の携帯電話の利用料に値する商品券(518万8,000円分)をプレゼントするというものです。最終的には15万もの「いいね!」を集め、話題作りや認知度向上に大きな成果をもたらしました。
ソフトバンクの「一生分プレゼント」は現在でも行われており、LINEで簡単なアンケートに答えるだけで「エアコン一生分」(2020年6月)や「ミネラルウォーター 一生分」(2020年4月)、「からあげ一生分」(2020年6月)など、さまざまなプレゼントキャンペーンに応募することが可能となっています。
プレゼントが高額であることはもちろん、「一生分」というインパクトのある表現や応募方法の簡単さが大きな魅力で、友達登録数の増加やファン獲得に効果的な手法であるといえます。
江崎グリコ株式会社「ポッキー」
ロングセラーとなったお菓子「ポッキー」で知られるPocky Japanでは、2012年11月11日にTwitter上で「TRY WORLD RECORD on Twitter」というキャンペーンを開催しました。
これは「ポッキー」を含んだツイート数でギネスを目指すというもので、同日だけで183万を超えるツイートを記録し、実際にギネス登録されるに至りました。
2013年同日にも同じキャンペーンを開催し、去年の倍となる370万を超えるツイートを達成しています。さまざまなニュースメディアに取り上げられたほか検索数も上昇するなど、ファン獲得やイメージアップに大いに貢献しました。
日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」
日本コカ・コーラでは、Twitterを中心にInstagramやLINEなどのさまざまなツールを活用して商品ごとのアカウントを設けており、 2021年9月現在の公式アカウント数はなんと38個にも及びます。
2015年の「い・ろ・は・す もも」発売前には、当時開発途中だったTwitterの投票機能を活用し「新しいい・ろ・は・すの味を予想する」というキャンペーンを行いました。投票数は1万票、正解発表後のツイートは13万6000回ツイートされるなど大きな話題となりました。それに加え、試飲キャンペーンにはユニークな桃型のパッケージを起用し、受け取った多くのユーザーが写真をSNSにアップしました。
こうしたSNSキャンペーンが功を奏し「い・ろ・は・す もも」の初動売り上げは、ほかのフレーバーの倍近くと幸先のよいスタートを切ることができました。
株式会社クラシコム「北欧、暮らしの道具店」
株式会社クラシコムが運営している北欧雑貨ECショップ「北欧、暮らしの道具店」では、YouTubeチャンネルを活用した情報発信を行っています。
その内容は実際にショップで取り扱っているグッズではなく、北欧雑貨のある暮らし・北欧でのライフスタイルの紹介・レシピ動画・ドラマの発信などです。
同チャンネルの登録者数は2021年9月現在で45.1万人にも及び、特に人気の短編ドラマでは再生数が100万回を超えるなど、多くのユーザーに親しまれ、ブランディングやイメージアップに大きく貢献しているものと考えられます。
お好み焼き店 「ぼてぢゅう」
国内外合わせて100店舗以上を展開しているお好み焼き店「ぼてぢゅう」では、2017年10月にLINE公式アカウントを開設しました。月2回お得なキャンペーンやデザート情報などを提供するほか、各種割引クーポンを配信して来店促進を目指しました。
その結果、各店舗のLINE公式アカウントの友達合計数が49万人を突破しました(2021年3月現在)。新規顧客開拓やリピーターの確保といった大きな成果につながっているようです。
まとめ
SNSの利用率が爆発的に増加している現在、営業戦略においてSNSマーケティング導入の重要性は非常に高いものとなっています。
SNSにはそれぞれ特徴・強み・ユーザー層の違いがあり、それによって戦略も大きく異なります。漫然と取り組むのではなく、まずは運用ポリシーを明確にし、それに合ったSNSを選んで一貫した運用を行っていくことが重要です。