【事例付き】BtoB企業でもSNSマーケティングをすべき理由!SNSを活用する際のポイントもご紹介!

ビジネスマンとグラフ

SNSマーケティングは一般消費者に対して有効なもので、BtoC企業に適していると思われがちです。

しかし、BtoB企業でもSNSマーケティングを効果的に活用し、売上を伸ばしている企業があります。

本記事では、BtoB企業におけるSNSマーケティングについて、目的やメリット、具体的な方法を徹底解説します。実際にSNSマーケティングを行っている企業の事例もご紹介しますので、認知度や売上に悩んでいる広報・営業担当の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

BtoB企業におけるSNSマーケティングとは?

スマートフォンを使用している女性

そもそもSNSマーケティングとは、SNSを用いて市場調査や認知度の向上や売上の改善などを図るマーケティング手法のひとつです。SNSの特性上、一般消費者や若年層にしか効果がないと考えてしまいますが、今や年齢・性別・役職などに関わらず多くの人が何らかのSNSを利用しているため、BtoB企業であってもSNSマーケティングを活用できます。

具体的な事例としては、まずYouTubeに製品やサービスの紹介動画の投稿が挙げられます。文字と画像ベースのカタログ・HPよりも情報量を増やしやすいので、より効果的に売上を伸ばせるでしょう。また、Instagram・Twitter・Facebookなどを利用した情報発信もあります。SNSは顧客と密にコミュニケーションを取れるので、ファン獲得にも効果的です。

BtoB企業がマーケティングを行う際の注意点は、担当者と意思決定者が異なる点と、それによって意思決定までに時間がかかる点です。SNSを用いることで、長期にわたってサービス情報を発信し、深く自社について理解してもらうことができれば、顧客とより深い関係を構築しやすくなるでしょう。

BtoB企業のSNSマーケティングの目的とは?

話し合っているビジネスマン

BtoB企業がSNSマーケティングをするうえでは、さまざまな目的が考えられます。SNSマーケティングは「リーチできる層が広い」「文章だけでなく、動画や写真も使える」「双方向コミュニケーションが取りやすい」など強みが多くあるため、使い方次第で企業の課題にあった活用ができるでしょう。

以下ではBtoB企業がSNSマーケティングを行う目的を4つご紹介しますので、企業の広報・営業担当者の方はぜひ参考にしてください。

認知度の向上と顕在顧客の獲得

SNSマーケティングで特に効果的なのが、認知度の向上と顕在顧客の獲得です。SNSは年齢や職種問わずさまざまな層にリーチできるため、どんな業種の企業であっても、広く自社サービスを宣伝できます。

自社サービスをスタートしたばかりのタイミングや、今までターゲットにしていなかった層へアプローチしたい時・既存顧客が減少し新規顧客を獲得したい場合などは、SNSマーケティングによる認知度の向上と顕在顧客の獲得がおすすめです。

ブランディングや競合他社との差別化

SNSマーケティングの強みは、動画・画像・文章など、さまざまなメディアを用いてマーケティング活動を行える点です。自社の強みや方向性を伝えやすく、ブランディングや競合他社との差別化を有利に進められます。

また、SNSはうまく運用すればホームページよりも閲覧数を稼ぎやすく、一般消費者を巻き込んで大きな影響力をもたせることもできます。このように、より多くの人々に見てもらいやすいのも、ブランディングや競合他社との差別化を効果的に行える要因です。

見込み顧客の獲得と、売上の向上

「業界内での認知度は低くないにも関わらず、売上が伸びない」という場合にもSNSマーケティングは有効です。SNS運用による継続的な情報発信は、顕在顧客をじっくりと育てる事ができ、見込み顧客の獲得に繋がるでしょう。

BtoB企業は、取り扱いサービスや製品の単価が高く、さらに決裁権や決定権が上層部にある場合が多いため、顕在顧客が見込み顧客になりにくい特徴があります。そこでSNSマーケティングを用いることで、自社の認知度やブランディングを強化し、顕在顧客が見込み顧客にできる可能性が高まります。

潜在顧客・顕在顧客・見込み顧客の違い

「潜在顧客」「顕在顧客」「見込み顧客」は混同しやすい用語ですが、明確に違いがあります。

まず、潜在顧客とは自社ビジネスを知らず、自分自身のニーズにも気付いていない状態の顧客です。対して、顕在顧客はニーズを自覚しているものの、自社のビジネスを知らない状態の顧客を指します。そして、見込み顧客はニーズを自覚し、自社ビジネスも認識している顧客のことです。

この3段階はマーケティング戦略を考えるうえでも非常に重要ですので、ぜひ覚えておいてください。

アンケート機能やコメント機能で、市場調査ができる

BtoB企業であっても、取引先がBtoC企業ならば、取引先の奥にいる消費者のニーズを知っておく必要があります。SNSでは利用者と密にコミュニケーションを取れるので、市場調査に活用でき、取引先が本当に必要とすることは何かを先回りして考えられるでしょう。

また、Twitter・LINE公式アカウント・Instagramなどにはアンケート機能があります。こうしたSNSの機能を活用することでも消費者のニーズを捉えることができ、取引先に対してより多くの価値を提供できる可能性が高まるでしょう。

BtoB企業がSNSマーケティングをすべき理由

タブレットに書き込んでいるビジネスマン

BtoB企業がSNSマーケティングをする目的はさまざまですが「どの目的もほかの手段で代用でき、SNSマーケティングを取り入れる必要がないのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、SNSマーケティングにはSNSを使うからこそのメリットが数多くあります。以下でBtoB企業がSNSマーケティングをすべき理由を3つご紹介しますので、SNS運用をスタートすべきか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

低コストで運用できる

SNSマーケティングの魅力は、運用コストの低さです。SEOマーケティング(ホームページ運用)のように専門業者を入れずとも運用しやすく、利用自体にもコストがかからないので、非常に低コストで長期にわたって運用できます。

ただし、SNSマーケティングの戦略会議や投稿内容の作成に多くの時間を割くと、かなりの人件費がかかることになります。SNS運用自体にはコストがかかりませんが、人件費をしっかりと考えたうえで費用対効果の高い運用が行えるようにしましょう。

情報を瞬時に発信できる

新製品や新しいサービスなどを瞬時に発信できるのも、SNSマーケティングの強みです。また、発信した内容に対するリアクションもリアルタイムで見られるので、顧客の反応を見ながら今後のSNS運用やサービス展開を考えやすいのも魅力でしょう。

さらに、YouTube・Twitter・Instagramなどでは画像や動画を用いて宣伝できるので、より情報量の多いコンテンツを提供できます。視覚メディアを用いると一目で情報を伝えやすく、時間のないビジネスマンにも印象に残りやすい情報発信ができるでしょう。

顧客と双方向のコミュニケーションが可能

顧客と双方向のコミュニケーションが取れるのはSNSマーケティングならではの強みです。SNSで質問回答やトラブル対応などができる点は、特にBtoB事業とBtoC事業の双方を行っている企業にとって大きなメリットになります。

また、顧客ニーズを知るためにも、こうしたSNS上のコミュニケーションは有効です。チャットやコメント機能だけでなく、アンケート機能やハッシュタグなども有効活用しながら顧客ニーズを把握し、今後のビジネスに役立てることもできるでしょう。

BtoB企業におすすめのSNSと特徴

ホワイトボードの前で話しているビジネスマン

SNSにはさまざまなものがあり、それぞれ特徴も異なるため、業種やターゲットによって種類を使い分ける必要があります。BtoB企業におすすめのSNSを5種類ご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Facebook

Facebook

Facebookは、ほかのSNSと比べ中高年層の利用者が多く、ビジネスで利用しやすいSNSです。ブログ形式のため、Twitterに比べるとコミュニケーション目的での利用がしにくい印象がありますが、企業プロフィール(HP・電話番号・メールアドレス・概要など)を記載するスペースもあり、機能豊富なのが魅力となっています。

原則として実名利用である点や、企業アカウントの場合はフォローボタンがトップ画面に表示されず、フォロワーを伸ばしにくくなる可能性があるものの、問い合わせボタンや質問ボタンが設置できるのはFacebookならではの大きな強みでしょう。

Twitter

Twitter

Twitterは、若年層から中高年層まで幅広い人々が利用しているSNSです。顧客とのコミュニケーションが取りやすく、BtoB事業とBtoC事業のどちらも行っている企業には特におすすめできます。

ただし、利用者が多い分、ほかのアカウントに埋もれやすく、フォロワーが伸びないケースもあります。昨今はTwitterでの広告運用も注目を集めており、現在はBtoC企業の事例が多いですが、今後Twitter広告を活用したSNSマーケティングを行うBtoB企業が出てくるかもしれません。

YouTube

YouTube

YouTubeは、動画投稿専門のSNSです。YouTubeを用いたSNSマーケティングには主に2種類あり、ひとつは「インフルエンサー系や業界情報発信の動画を投稿する方法」、もうひとつは「製品・サービス情報の動画や採用動画を投稿し、ホームページやほかのSNSとリンクさせる方法」です。

業種によってはまだ競合がいないこともあり、ニッチなニーズをうまく捉えられれば、効率よくSNSマーケティングを進められるでしょう。一方、動画制作は文章や画像よりも準備に時間がかかるため、費用対効果が低くなるケースも少なくありません。

LINE公式アカウント(旧:LINE@)

LINE

LINE公式アカウントは、マーケティング・広告代理店・人材派遣などのBtoBtoC企業に適したSNSです。友だちや家族との会話で用いられるLINEを使って、情報発信・クーポンの配布・予約などができます。

ただし、ビジネスではLINEよりメールを用いる企業が多いため、純粋なBtoB企業にはあまり向かないケースも多いです。メールマガジンのように対企業宛で情報発信がしにくく、クーポンや抽選機能も企業に対してだとうまく活用するのが難しいでしょう。

Instagram

Instagram

Instagramは、画像と動画投稿に特化したSNSです。特に画像に特化したSNSで、若年層を中心に中高年層も多く利用されているSNSのため、情報発信やキャンペーンの告知などに用いている企業が多くあります。

漫画や画像で商品紹介をしたり、利用事例を紹介したりといった使い方をすれば、より顧客が自社製品・サービスを利用した将来がイメージしやすくなり、売上にもつながりやすくなるでしょう。一方、あまりビジネス色を強く出し過ぎると利用者層のニーズとズレる可能性があるため、一般消費者にも有益な情報をうまく絡めるのがおすすめです。

BtoB企業がSNSマーケティングを活用する際のポイント!

パソコンとSNSの再生マーク

BtoB企業がSNSマーケティングを効率よく進めるためには、いくつかのポイントがあります。準備段階で行っていただきたいポイントから、実施後に行うべきポイントまで幅広くご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ターゲットや投稿内容の方向性を明確にする

BtoB企業がSNSマーケティングをする際には、まずターゲットをどこに定めるかが非常に重要です。

BtoB企業は扱っている製品やサービスが企業向けのため、一般のSNS利用者には響かないことも多く、会社としてのターゲットをそのままSNSマーケティングに当てはめても、うまくコンバージョンしないケースが多くあります。そのため「一般消費者も巻き込んでいくのか」「専門的な知識を発信し続け、あくまで業界の認知度を高めるのか」など、どのような層をターゲットにしていくかを明確にしましょう。ターゲットが定まれば、投稿内容の方向性も定まるはずです。

定期的に効果測定を行う

SNSマーケティングを行ったら、必ず定期的に効果測定を行ってください。

投稿のプレビュー数(閲覧数)はもちろん、フォロワーの増加率やコメントの数なども重要です。こうした数値を定期的に調べておけば、どのような施策に効果があるのかが明確になり、今後のSNS運用に役立ちます。

SNS運用は、無料でできる分、費用対効果が見えにくくなりがちです。「運用のためにどの程度の時間と労力を割き、その結果どの程度の効果があったか」について数値化しておくことは、惰性で費用対効果の低い施策を続けてしまうのを防ぐことにも繋がります。

長期的な視点を持ち、焦らず運用する

SNSマーケティングを行う際に重要な「フォロワー」ですが、業種によっては三桁のフォロワーを獲得するのに1〜3か月かかるケースもあります。SNSを「ビジネスパートナーを探そう」といった目的で利用している人は少ないため、BtoB企業の多くはフォロワー獲得に苦戦することも少なくないでしょう。

しかし、ターゲットを柔軟に設定しながら根気強くSNS運用を続ければ、大きな影響力をもったアカウントに育てることもできます。1〜2か月で効果が出ないからと諦めず、長期的な視点をもって運用するよう心がけてください。

BtoB企業がSNSマーケティングを活用する際の注意点

ノートパソコンを操作している人

BtoB企業がSNSマーケティングを行うメリットはさまざまですが、実際にSNS運用を行ううえで注意すべき点もあります。注意点を知らずに運用していると、費用対効果の低い状態が続いたり、会社のブランドに傷を付けてしまったりすることもありますので、ぜひ以下でご紹介する3つの注意点を参考にしてください。

炎上リスクへの対策を徹底する

SNSは多くの人に投稿を見てもらえるのが魅力ですが、その分、炎上リスクも非常に高いです。特に、ジェンダーや環境問題など盛んに議論されている話題においては、一瞬にして炎上してしまうケースも少なくありません。

炎上リスクに関しては、担当者全員もしくは社員全員がネットリテラシー講座を受けるなど、徹底した対策が必要です。やりすぎと感じる方もいますが、一度炎上すればその記録はずっとネット上に残り続け、今後の取引に影響することもあります。やりすぎだと感じるくらいに徹底して対策をしたほうが良いでしょう。

担当者の負担を考慮しながら、複数人で運営する

SNS運用を一人の担当者に任せっきりになると、その社員ばかりに負荷がかかってしまい、健全なSNSマーケティングが難しくなってしまいます。また、属人性が高まると、担当者の性格や思想によっては炎上リスクにも繋がり、会社にとってもデメリットが大きくなるでしょう。

SNSマーケティングを行う際は、複数人のグループで進めていくのがおすすめです。担当者が複数人いれば負担を分散できるほか、投稿内容のダブルチェック・トリプルチェックもしやすくなり、投稿ミスや炎上リスクを抑えられるでしょう。

長期間効果が見られなかった場合は、専門家へ意見を求める

長期間SNSマーケティングを行っても効果がなかった場合は、専門家へ意見を求めるのも視野に入れましょう。

SNSをはじめとしたネットマーケティングは非常に奥が深く、新しい要素や機能も次々と登場している分野なので、その道に精通したプロに聞いたほうが効率よく成果を上げられます。コストはかかってしまいますが、長期に渡って売上に繋がらない活動をしている場合、既に赤字が発生しています。今後も赤字を出し続けるよりは、専門家に相談をして早期にマーケティング手法を見直し、できる限り早く売上を出せるほうが良いでしょう。

BtoB企業における、SNSマーケティングの事例5選

デスクの上で資料を広げ話し合っているビジネスマン

最後に、BtoB企業におけるSNSマーケティングの事例を5つご紹介します。それぞれ業種や投稿内容はもちろん、使用しているSNSも異なります。これからSNSマーケティングを行おうと考えている方は、ぜひご覧ください。

アスクル(Twitter)

アスクルのTwitter

アスクルは、オフィス用品を専門に扱う通信販売の会社です。

BtoB事業を主力としている同社は、Twitterを用いてオフィス用品の紹介や日々の出来事を発信しています。これはBtoC事業も行っている同社ならではで、一般消費者も巻き込みながらSNSを盛り上げ、より多くの人に自社の取り扱い製品を知ってもらう目的があると考えられるでしょう。

三菱電機株式会社 換気扇・ロスナイ公式アカウント(Instagram)

三菱電機株式会社のInstagram

三菱電機株式会社は、BtoB事業が売上の半数以上を占める企業です。

今回ご紹介するのは同社の換気扇・ロスナイ関連アカウントで、Instagramを用いて換気のノウハウや換気扇などの紹介をしています。注目したいのは2022年7〜8月に行われた『換気扇の使用年数知ってる?キャンペーン』で、同アカウントとしては異例の2,000件を超えるコメントが寄せられました。この事例から、市場調査にもSNSマーケティングは有効であると言えます。

ヒューマンステージ株式会社(LINE公式アカウント)

ヒューマンステージ株式会のLINE公式アカウント

ヒューマンステージ株式会社は、人材派遣や人材紹介事業を行っているBtoBtoC企業です。

同社ではLINE公式アカウントを求人募集に活用し、今では求職者8,800人以上に登録されるアカウントとなっています。また、LINE広告も併用することで認知度向上を効率的に進めているのもポイントです。このように、BtoBtoC系の企業にはLINE公式アカウントの活用もおすすめできるでしょう。

村田製作所(FacebookTwitterYouTubeLinked in

村田製作所のFacebook

村田製作所は、世界トップクラスの電子部品メーカーです。

村田製作所は4つのSNSを非常に効果的に使い分けている好事例で、企業向けプレスリリース記事や企業イベント情報をTwitterとFacebookに、商品やサービス紹介動画をYouTubeに、海外向け情報をLinked inに投稿しています。

また、FacebookとTwitterは一見同じ内容の投稿をしているように見えますが、Facebookでは文末にハッシュタグを挿入しているのに対して、Twitterは文字数制限に配慮して本文中にハッシュタグを入れています。同じ内容でもより効果的に拡散されるよう、SNSごとに投稿内容を最適化しているのも参考になるポイントでしょう。

まとめ

タブレットに書き込んでいるビジネスマン

BtoB企業がSNSマーケティングを活用すれば、認知度向上や売上の改善に繋がるだけでなく、市場調査や他社と差別化をすることも可能です。

ただし、SNSマーケティングは効果が出るまでに時間がかかることも多く、炎上リスクもあるため、しっかりとした準備を行ったうえで始めるのが良いでしょう。本記事を参考にしながら、自社ビジネスをより発展させていくための手段として、SNSマーケティングを有効活用してください。

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