【事例付き】歯科医院のYouTubeチャンネル運用!メリットや運用ポイントもわかりやすく解説!

再生マークが付いた画面を持っている人

昨今、YouTubeを活用して集患している歯科医院が増えていることをご存じでしょうか?情報発信や視聴者からの質問回答などで人気を獲得し、知名度を高めている歯科医院もあり、今後さらにこうした取り組みは増えていくでしょう。

本記事では、歯科医院のYouTubeチャンネル運用方法について詳しく解説します。集患に困っている歯科医院の方やYouTubeを活用していきたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

YouYubeとは?

スマートフォンで動画を撮影する女性

YouTubeは、世界的な動画投稿サイトです。25 億人以上が月に1回以上はYouTubeにアクセスするほどの大人気の動画サイトで、毎分500時間もの動画コンテンツが投稿されているという統計もあります。日本国内においては、月間利用者数が7,000万人を超えており、この数字は主要SNSにおいてトップクラスとえるでしょう。

近年は、生配信やショート動画、有料コミュニティなどの機能も搭載され、動画投稿プラットフォームとしてさらに充実したサイトになりました。昨今は、歯科医院だけでなく、整体や内科、整形外科などさまざまな病院・クリニックが集患に活用しています。

YouTubeのユーザー層

YouTubeのユーザー層は、年齢・性別ともに幅広いといわれています。総務省 情報通信政策研究所が行った調査によると、年代ごとの利用率は以下のようになっていることが分かりました。

年齢 利用率
13〜19歳 93.5%
20〜29歳 94.0%
30〜39歳 87.4%
40〜49歳 80.4%
50〜59歳 64.0%
60〜69歳 32.2%

参照元:総務省情報通信政策研究所「平成 29 年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」】

上記のように、10〜40代までは8割以上の人がYouTubeを利用しており、50代でも6割以上の人が利用しています。また、世界全体の利用者における男女比は11:9で、男性が若干多いものの、男女ともに多くの人が利用していることがわかるでしょう。

Instagram、Twitterとの違い

YouTubeと同様に若年層の利用者が多いSNSとして、InstagramやTwitterを思い浮かべる方も多くいるでしょう。

InstagramはYouTubeのように動画や写真をメインコンテンツとしたSNSですが、Instagramは画像や短尺動画が中心であるのに対して、YouTubeは中〜長尺の動画が中心です。また、Instagramは若年層ユーザーが多いという違いがあります。Twitterは文章コンテンツが中心のため、YouTubeとは投稿されているコンテンツの内容が大きく異なります。Twitterでファンと密にコミュニケーションを取りながら、YouTubeで動画コンテンツを発信するといったスタイルの方も少なくありません。

このように、各YouTubeはほかSNSに比べて動画コンテンツに強く、ユーザー数の多さや幅広さでも強みがあるSNSです。

歯科医院がYouTubeチャンネルを活用するメリット

動画編集中のパソコン

歯科医院でYouTubeを活用しているケースは少しずつ増えていますが、まだ多くありません。歯科医院によっては、動画を撮影・編集する労力を考えると、活用するメリットは少ないのではと考える方もいるでしょう。

しかし、集患においてYouTubeを活用することは、歯科医院にとってさまざまなメリットがあります。特に、患者さまに伝えたいことやもっと知って欲しいと感じることがたくさんある方であれば、メリットは非常に多いといえるでしょう。以下で、歯科医院がYouTubeを活用するメリットを解説しますので、参考にしてください。

動画コンテンツを通して、より分かりやすい情報発信ができる

動画コンテンツは、写真や文章よりも詳細で分かりやすく情報を伝えられます。YouTubeで動画コンテンツを投稿するのは、より歯科医療に関する情報を広めたいと感じる方には大きなメリットになるでしょう。

歯を磨く方法や矯正器具の取り扱い方法、ホワイトニングのやり方など、動画であればより具体的かつリアルに情報を発信できます。文章が苦手な方でも患者様に話すように喋ればよいので、より情報発信がしやすいと感じる方も多いでしょう。

競合が少なく、効率よく宣伝できる

2022年11月現在、YouTubeを活用している歯科医院・クリニックはそこまで多くありません。美容医療などに比べれば競合が少ないため、成果が出しやすく、効率よく宣伝・集患できるのもYouTubeを活用するメリットでしょう。

ネット集客は、いかに競合が少ないタイミングから取り組むかが重要です。競合が多くなってしまうと、もともとの認知度に左右される部分が増えてしまい、新しい歯科医院や認知の高くないクリニックは不利になってしまいます。競合が少ない現時点でYouTubeを始めるのは、まだ認知されていない歯科医院には大きなメリットがあるのです。

幅広い層にアプローチできる

前述のとおり、YouTubeは若年層から中高年層まで幅広い層が利用しています。年齢層に関わらず、さまざまな人にアプローチできるのも、YouTubeを活用するメリットのひとつです。歯科医療は、年齢に関わらず多くの人が興味を持っているため、うまく活用すれば多くのファンを獲得できるでしょう。

また、歯科医院ごとにターゲットとする層は異なりますが、YouTubeは利用者の年齢・性別の偏りが少ないため、どんな歯科医院でも活用しやすいともいえます。どんな歯科医院・クリニックであっても、自分が届けたい層に情報を届けやすいというのがYouTubeを活用するメリットです。

低予算で集患できる

動画コンテンツはお金がかかると思われがちですが、昨今はスマートフォンのカメラ性能が向上したため、カメラを買わずともスマホがあれば撮影可能です。また、スマホの動画編集アプリにも高機能なものが増えたため、スマホ一台で動画撮影・編集・アップロードすべてを行うことができます。

もちろん、より高いクオリティの動画を作ろうとすればお金がかかりますが、自院スタッフでスマホのみを使って行えば、非常に低予算で取り組めるでしょう。このように、低コスト・低予算で集患できるのも、YouTubeを活用するメリットです。

歯科医院がYouTubeチャンネルを活用するデメリット

若い女性がカメラの前で配信している

YouTubeは、動画で分かりやすく多くの人に情報を発信できる素晴らしいプラットフォームですが、活用に際してはデメリットや注意点もあります。特に、昨今はコンプライアンスが厳しくなっているため、発信内容や方法を間違えれば既存患者を失うリスクもあるでしょう。

しかし、どのようなデメリットや注意点があるかを理解していれば、より上手かつ安全にYouTubeを活用できます。以下で、歯科医院がYouTubeを活用するデメリットを3つご紹介しますので、これからYouTubeを活用したいと考えている方は参考にしてください。

動画コンテンツを作成する手間がかかる

YouTubeを活用する最も大きなデメリットは、動画コンテンツを作成する手間がかかるということです。動画コンテンツは、撮影前にどのような動画を作るか考え、撮影をして、さらに編集まで行ってようやく人々に発信できるようになります。文章や写真に比べると非常に手間がかかるため、YouTubeをやっている暇がないと感じる方も多いでしょう。

また、動画撮影をスタートした当初は、言い間違いによって撮り直し回数も多くなりがちで、10分の動画を作るのに1時間前後の撮影時間を要する場合も少なくありません。編集初心者であれば、10分の動画を編集するのに3〜5時間程度かかることも多くあります。こうしたコンテンツ作成の手間は、YouTubeチャンネルを運用するうえでのデメリットのひとつです。

炎上リスクがある

炎上リスクと常に隣り合わせであるという点も、YouTubeを活用するうえでのデメリットです。昨今、社会的にコンプライアンス意識が高まっているだけでなく、発言の切り取りなどによって思わぬ解釈をされてしまう場合もあり、まったく意図しないかたちで動画が炎上してしまうケースも少なくありません。

医療分野においては、ほんの少しの誤情報が大炎上を引き起こしてしまうケースもあります。一度炎上してしまうと、何年にわたって動画が拡散されてしまう場合もあるため、こうした炎上リスクは非常に大きなデメリットです。

コンテンツ管理やコメント管理の負担が増える

YouTubeチャンネルを運用する場合、毎日コンテンツやコメントの管理をしなくてはなりません。ファンの獲得はもちろん、炎上リスクの回避などにおいて重要な管理業務ですが、こうした業務が大きな負担になることもあります。

特に、投稿本数が50本を超えて1日に何十件もコメントが投稿されるようになると、管理が困難になってしまう可能性もあるでしょう。撮影や編集の手間も含めると、非常に大きな負担が発生するのもYouTubeチャンネルを運用するデメリットです。

YouTubeチャンネルの開設方法

動画を再生している人

それでは、YouTubeのチャンネル運用をするにあたって、最初に行うべき「チャンネル開設の方法」について解説します。

なお、チャンネル解説にはGmailアカウントが必要です。すでにGmailアカウントを取得している場合でも、現在使っている業務用のGmailアカウントをそのまま使用するか、新たにYouTube用のアカウントを取得するかは事前に考えておくと良いでしょう。

Gmailアカウントを作成する

Gメールアカウント作成画面

まずは、Gmailアカウントを作成します。前述のとおり、業務用のGmailアカウントがある場合でも、YouTube用に新しくアカウントを作成する場合は「Google アカウントの作成」から作成しましょう。

YouTubeトップページから、チャンネルを開設する

YouTubeのチャンネル開設画面

アカウントが作成できたら、YouTubeトップページに移動して『チャンネルを作成』を選択します。表示するチャンネル名と固有のハンドル名を指定すれば、チャンネル作成完了です。

チャンネル概要欄を編集する

YouTubeチャンネル概要欄編集画面

チャンネルが作成できたら、概要欄やアカウント画像などを編集します。『チャンネルをカスタマイズ』のボタンから、YouTubeスタジオのチャンネル編集画面に移動しますので、そこから編集しましょう。

なお、概要欄やアカウント名などは『基本情報』のタブから編集可能です。

歯科医院がYouTubeチャンネルを運用するうえでのポイント

動画を再生している人

歯科医院がYouTubeチャンネルを運用する場合、効率よくチャンネル登録者数を伸ばすためのポイントがあります。効果的な集患ポイントを知っておくと他院と差をつけられますので、ぜひ参考にしてください。

編集に慣れていない場合は外注も検討する

もし、動画編集に慣れているスタッフがいない場合は、外注も検討しましょう。予算はかかってしまいますが、編集を勉強してからと考えていると、いつまでもチャンネル運用がスタートできない原因になります。最初の一歩を良いかたちで踏み出すためには、こうした外注もおすすめです。

ただし、外注する場合はあまり低予算で委託しないように注意しましょう。相場を大きく下回る価格(1本1,000円など)で依頼をかけると、かなり低クオリティなものが納品されてしまい、手直しもできずお蔵入りになる可能性があります。そのため、最初は費用がかかっても適正な価格で依頼するようにしましょう。

サムネイルにこだわる

動画は、サムネイルによってどのくらい見られるかが大きく異なります。サムネイルを見た件数と試聴回数が剥離するほど、YouTubeがおすすめしてくれなくなるといわれているため、より多くの人に見てもらえるようなサムネイル作りをすることが重要です。

より良いサムネイルを作成するためには、他院のサムネイルを参考にするだけでなく、他業種・他業界のものも幅広く研究しましょう。特に、整体や美容外科などはYouTubeを積極的に活用しているケースが多いため、参考になります。サムネイルを作成する際は「Canva」をはじめとした人気アプリを使用するのがおすすめです。Canvaはテンプレートが豊富にあるため、初心者の方でもおしゃれなサムネイルを作成しやすいでしょう。

ほかの歯科医院を参考に市場調査をする

「初めてで、どのような動画を作成すれば良いか分からない」という方は、ほかの歯科医院を参考にして市場調査をしましょう。どのような動画が多く見られているかを知れば、ユーザーが何を求めているかが見えてきます。

チャンネルごとの人気動画を知りたい場合は、各チャンネルのトップページから「動画」を選択し、ページにある「人気の動画」ボタンをクリックしてください。再生数が多い順に動画が並べ替えられるので、人気動画を確認できます。

動画撮影前に、話し方を研究する

歯科医院がYouTubeを活用する場合、基本的には「しゃべり中心」の動画になるでしょう。そのため、どのような話し方をするかで、視聴者の反応が大きくことなります。

今まであまり自分の話し方について考えたことがないという方は、本格的な撮影をする前に一度カメラの前で話してみることをおすすめします。自分の話している姿を撮影して見返してみると、かなりイメージとかけ離れた話し方をしていると感じる方も多くいます。「えー」「〜で」「あの」など口癖が目立ったり、とても暗い印象になっているケースも少なくありません。撮影前に一度自分の話し方を研究して、より良い印象を持ってもらえる話し方を心がけるのも、YouTubeチャンネルの運用を成功させるためには重要です。

歯科医院がYouTubeチャンネルを活用するうえでの注意点

YouTubeの動画を再生しようとしている

デメリットの項目でも解説したとおり、歯科医院がYouTubeチャンネルを運用していくうえでは、さまざまな点に注意する必要があります。特に、歯科医院のチャンネルは医療分野という特殊事情もあるため、通常よりもさらに高い意識が必要です。

以下で、YouTubeチャンネルを運用するうえでの注意点を解説しますので、参考にしてください。

過激なコンテンツを発信しすぎない

最初に心がけておきたいのは、過激なコンテンツを発信しすぎないということです。「〇〇をするような歯科医院はダメ!」「最悪な患者〇選」など、ほかの歯科医院や患者を貶すようなコンテンツは、あまり投稿しないほうが良いでしょう。

また「大事なご報告」「大変なトラブルが発生しました」などの釣りタイトル・サムネイルの多様も注意が必要です。こうした手法は再生数が稼ぎやすいですが、着実に認知度や人気を高めていくためには逆効果になってしまいます。安易に再生数を稼ごうとせず、気持ちよく視聴できるコンテンツを作成するよう心がけてください。

正確な情報発信を心がける

歯科医院は基本的に医療関連の情報を発信していくことになるので、正確な情報を発信できるように心がけましょう。

昨今は情報の移り変わりが早いため、以前は正しいとされていた情報が間違いになっていることもあります。また、うろ覚えのまま情報発信をしてしまって、視聴者に指摘されてしまう可能性もあるでしょう。基礎的なことであれば問題ありませんが、最新の医療情報や、かなり専門性の高い情報を発信する場合には、出典などを記載することをおすすめします。

コメントの対応方針を決めておく

コメント対応は、チャンネルによって方法が大きく異なります。「このコメントには返信しているのに、このコメントは無視する」といった対応の差があると視聴者が不快に感じることもあるため、必ず対応方針を決めておきましょう。

例えば「ハートを付けるだけ」や「必ず返信する」のように、対応方法を具体化しておくことが大切です。返信内容に関しても「何行くらい書くか」「テンプレートにするか」「アンチコメントにはどのように対応するか」など、細かく決めておくことをおすすめします。

歯科医院のYouTubチャンネル活用事例

若い女性がカメラの前で配信している

YouTubeチャンネルの運用方法がある程度分かっても、まだイメージがつかないという方もいるでしょう。

そんな方に向けて、実際にYouTubeチャンネルを運用・活用している事例を3つご紹介します。どのチャンネルもそれぞれ違った工夫が施されており、大変参考になるものばかりです。ぜひ、自身のYouTubeチャンネル運用にご活用ください。

口元美容 かおり先生

『口元美容 かおり先生』は、2022年11月現在で9万人を超える登録者数を誇る大人気の歯科医院チャンネルです。実際の症例をサムネイルに使用した動画が人気で、300万回以上再生されている動画もあります。

「かおり先生」として登場する南郷谷香利さんの親しみやすい人柄や、普段は見ることのできない治療現場のシーン、そして丁寧な編集が人気となっている要因のひとつと考えられます。歯科治療だけでなく、食品に関するコンテンツや生活の中で気になる内容のコンテンツを多数投稿しているのも、人気チャンネルになっている理由のひとつでしょう。

デンタルタイムズ

『デンタルタイムズ』は、主に歯科医療関連の情報を発信しているYouTubeチャンネルです。特定の歯科医院ではなく、さまざまな歯科医院の情報を発信している総合チャンネルといえます。

トーク音声はないですが、字幕編集が丁寧で、チャプターも細かく設定されていて、一般の方から専門家まで見やすい動画を投稿しているのが特徴です。また、英語タイトルも設定しており、国内外問わず多くの人に見てもらえるような工夫をしているのも、このチャンネルの特徴でしょう。

Dr.勝 YouTubeチャンネル【歯医者】

『Dr.勝 YouTubeチャンネル』は、浅賀歯科医院の院長である浅賀 勝寛さんが運営されているチャンネルです。2022年11月現在で投稿本数は100本前後ですが、登録者数が1万人超え、60万再生を記録する動画もあるなど、人気が高まっているチャンネルであることが分かります。

特徴は、文字ベースで見やすいサムネイルと、トーク中心で分かりやすい動画内容です。また、浅賀さんが画面右側にくるように撮影することで、編集がしやすいように工夫しているのもポイントでしょう。オープニング・エンディング映像なども含めて、より多くの人に見てもらえるための工夫がしっかりとされています。

まとめ

再生マークが付いた画面を持っている人

YouTubeは国内外問わず多くの人が利用している、大人気の動画投稿サイトです。YouTubeは若年層だけでなく40〜50代の利用者も多いため、中高年層が多い地域の歯科医院でも効果的に活用しやすいといえます。こうした点から、歯科医院が集患にYouTubeを活用するケースは今後さらに増えていくといえるでしょう。撮影方法や編集、サムネイルなどを工夫することで、YouTubeチャンネルを効果的に運用することは可能です。

しかし、炎上リスクや業務負担の増大といったデメリットもあるため、導入に際しては事前準備や運用に関するスタッフとの意思疎通が重要となります。本記事の内容を参考に、ぜひYouTubeチャンネル運用をスタートしてみてください。

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