【2023年版】企業のSNS活用法と成功事例をわかりやすく解説!

SNSと書かれたブロックが光りまわりにネットワークのイラストがある

自社でSNSマーケティングを強化し、幅広い顧客にアプローチしたいとお考えの企業担当者は多いです。

しかし、SNSマーケティングとはそもそも何か、活用するメリット・デメリットを理解していない方や、具体的なSNS活用の成功事例を知ってから自社のマーケティングに活かしたい方もいるでしょう。

この記事では、企業におけるSNSマーケティングの概要や活用法、SNSマーケティングの成功事例をご紹介します。

そもそもSNSマーケティングとは?

デスクの上に資料を置き話し合っているビジネスマン

SNSマーケティングとは、その名のとおり、SNSを使ったマーケティング手法のことです。さまざまなSNSに企業アカウントを作って運用したり、インフルエンサーに協力を依頼したりして、ブランディングや顧客のファン化、商品購入などにつなげます。

SNSにはシェア機能があるため、情報拡散力が強いです。商品・サービスに関するUGCを拡散できるのが特徴といえます。

常に変化を続けるオウンドメディア

6人がスマホを持ち円になりスマホ画面からハートやいいねの吹き出しが出ている

オウンドメディア(owned media)とは、企業が所有・運営・管理するメディアのことを指し、Webサイトやブログなどのコンテンツ・メールマガジンなどが該当します。

企業が費用を出して情報発信する、広告などを始めとしたペイドメディア(paid media)、ターゲット顧客の共感や信頼を得るために活用するSNSや口コミなどのアーンドメディア(earned media)と並べて、トリプルメディアと称されることが多いでしょう。

オウンドメディアは、ブランディング・採用・商品やサービスの認知拡大など、さまざまな目的で作られますが、その時の経営課題に合わせてコンテンツを変化させていく姿勢が大切だといえます。

SNS(ソーシャルメディア)×オウンドメディアの時代

2人の女性がお互いスマホを持って操作している

次に、マーケティング戦略としてSNSとオウンドメディアを両方活用していく企業が増えている背景について、ご紹介します。

ターゲット顧客の購買行動の変化

ターゲット顧客が商品やサービスを認知し、購買に至るまでのプロセスを説明するモデルとして、今まではAIDMA(アイドマ)モデルやAISAS(アイサス)モデルが多く用いられてきました。

AIDMAモデル

注目(Attention)→興味(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→行動(Action)

AISASモデル

注意(Attention)→ 関心(Interest)→ 検索(Search)→行動(Action)→意見共有(Share)

SIPSモデル

共感(Sympathize)→確認(Identify)→参加(Participate)→共有・拡散(Share&Spread)

近年ではSNSの登場により、情報共有・拡散という概念が強く意識されるようになったため、近年はSIPS(シップス)モデルがよく用いられるようになりました。

SIPSモデルにおいては、今までになかった「共感」という概念が情報の入り口となっていること、拡散によりまた新たな共感を生み出すことでプロセスが循環し新たな購買行動につながっていくことが特徴的だと言えるでしょう。

このようなターゲット顧客の購買行動の変化により、企業はオウンドメディアだけではなく、SNSマーケティングにも力を注ぐようになっていったのです。

検索行動の変化

2021年1月にThink株式会社が10代~50代の750名を対象に行った、SNS使用状況についてのアンケート調査によると、普段の調べ物をする際にSNSを活用する人が50.4%と約半数いることがわかりました。

調べ物をする際に、検索エンジンにキーワードを入力して行うのが当たり前ではなくなり、ユーザーは欲しい情報をInstagram・Facebook・TwitterなどのSNSを使い分けて探すようになったのです。

今まで企業は、オウンドメディアのコンテンツでSEO対策を行いターゲット顧客の検索流入をLPに誘導すればコンバージョンに繋がったのですが、現在においては、SNSからの検索流入もコンバージョンにつながるよう工夫をしなければならなくなったということです。

SNSマーケティングのメリット・デメリット

SNSマーケティングにはメリット・デメリットがあります。両方を理解したうえでSNSマーケティングを行いましょう。

以下より、SNSマーケティングのメリット・デメリットについて解説します。

メリット

SNSマーケティングのメリットは、以下の4つです。

  • 費用をかけずに拡散を期待できる
  • 顧客との関係を築きやすい
  • ターゲット層以外の顧客にリーチできる
  • タイムリーな情報発信ができる

それぞれ詳しく解説します。

費用をかけずに拡散を期待できる

ほとんどのSNSは、無料で利用することが可能です。

シェア機能が豊富で拡散力が高いため、広告を使わずとも認知度アップを期待できます。バズれば一気に認知度が高まったり商品・サービスの購入につながりやすくなったりするため、費用対効果が高いのが特徴です。

顧客との関係を築きやすい

SNSマーケティングは、顧客との関係を築きやすい点もメリットの一つです。

「いいね!」をしたりコメントをしたりして、誰とでもコミュニケーションをとれます。コミュニケーションを図ることで、ユーザーは企業に親しみや信頼を感じやすくなるでしょう。顧客とのよい関係を築ければ、商品・サービスを購入したり、企画に参加してくれたりする可能性が高まります。

ターゲット層以外の顧客にリーチできる

広告媒体を利用する場合、基本的にターゲット以外にはリーチしません。

SNSは幅広いユーザーにリーチするため、ターゲット層以外にも投稿を見てもらえます。予想していなかったターゲット層から高い反応を得られたり、購入につながったりする可能性もあるでしょう。

タイムリーな情報発信ができる

SNSマーケティングは、タイムリーな情報発信が可能です。ユーザーの反応に素早く対応したり、急いで発信したい情報をすぐ投稿できたりします。

情報スピードが早い現代では、リアルタイムに投稿できるSNSの利用が必須といえるでしょう。

デメリット

つづいて、SNSマーケティングのデメリットについて解説します。SNSマーケティングのデメリットは、以下の2つです。

  • 炎上するリスクがある
  • こまめにSNSをチェックする必要がある

それぞれ詳しく解説します。

炎上するリスクがある

SNSマーケティングのデメリットは、炎上するリスクがあることです。

SNSは拡散力が高いため、ネガティブな内容も拡散されてしまう恐れがあります。一気に広がり大炎上すると、対処に追われることになるでしょう。誤解を招く投稿でないか、十分に注意する必要があります。

こまめにSNSをチェックする必要がある

SNS運用では、ユーザーからの反応に対して素早い対処が求められます。そのため、頻繁にSNSをチェックしなければなりません。

そのほかの業務もある中でSNSチェックをするのは負担が大きいでしょう。

SNS媒体ごとの特徴と歯科医院での活用例

円になってパソコンやタブレットを使用している人の上にネットワーク環境が映し出されている

SNSにはそれぞれの媒体における特徴があり、企業がSNSマーケティングを成功させるためにはそれぞれの特徴を押さえた展開が必要とされます。

それぞれの媒体のSNSマーケティングにおける特徴を表にまとめました。

SNS媒体 特徴
Instagram ・画像や動画コンテンツをメインとする ・フォロワーにのみ情報伝達が可能 ・ハッシュタグで情報収集ができる ・女性ユーザーが多い ・プロフィール画面にURLを表示して外部のLPに誘導できる ・ブランディングしやすい
Facebook ・実名制のSNS ・実名制なので口コミへの信頼度が高い ・40~50代のユーザーが多い
Twitter ・ユーザーの年齢層が幅広い ・リツイート機能があるので拡散しやすい ・投稿数が多いとターゲット顧客の目に留まりやすい ・キャンペーンを展開しやすい
TikTok ・ショートムービーの投稿がメイン ・フィルターやエフェクトを使用して撮影できる ・簡単な動画編集も行える ・フォロワー数がゼロでもバズりやすい
YouTube ・性別や年代問わず利用されている ・中身がしっかりした動画コンテンツの投稿に適している ・ライブ配信ができる ・ほかのSNSからの誘導にも向いている
LINE公式アカウント ・クーポン券が配信できる ・友だち登録でメッセージが一斉配信できる ・ショップカードを発行して、ポイントを付与したり特典を設定できる ・画像やURLを設定してメッセージ配信ができる

自社のターゲット顧客の属性や、どのようなマーケティング戦略を考えているのかによって、使用するSNS媒体を選択することが重要です。

ここからは、歯科医院におけるSNSの活用例を媒体ごとにご紹介します。

Instagram

治療室の清潔さや設備の充実度、キッズルームなどの施設など、パッと目を引く写真で自院の強みを訴求するという使い方が有効です。また、院長やスタッフの写真を掲載することで、親しみをもってもらうこともできます。

Facebook

40~50代のユーザーが多いことを踏まえて、インプラントやブリッジなどの治療法や、おすすめの歯ブラシや磨き方の紹介を分かりやすく説明する内容が良いでしょう。ホームページとの連携を行っておくと、来院への同線をスムーズにつなぐことも可能です。

Twitter

拡散力が高いため、診療時間の変更や臨時休診などの周知に向いています。また、Facebookと比較するとカジュアルな印象がありフォロワーとのコミュニケーションもしやすいため、独自のキャラクター設定をおこない、個性のあるつぶやきをすることで注目を集めるという使い方も多く見られます。

TikTok

「歯医者あるある」や虫歯の治療前後の変化など、視聴者が歯医者に興味をもちそうな動画を投稿するとよいでしょう。歯医者が嫌い・苦手な人が「歯医者は怖くないかも」と思える内容にすると、集患効果が期待できます。また、院内で働く様子やスタッフ同士の仲のよさなどをアピールし、採用活動に利用するのも一つの手です。

YouTube

歯の健康や病気、知識などのお役立ちコンテンツを動画にまとめて投稿するのがおすすめです。例えば、インプラントやホワイトニングについての情報をまとめたり、虫歯に関する知識を動画にしたりします。歯の健康や治療などに興味がある方にリーチできるでしょう。

LINE

登録したユーザーの元にメッセージを送るため、到達率、開封率が非常に高いというメリットを生かし、Twitterと同じくすぐに周知したい情報の発信に向いています。また、ユーザー個人にあててメッセージを送れることから、公式アカウント内で相談ができる窓口を設けたり、来院後にフォローアップメッセージを送ったりするなど、患者さんとの密なコミュニケーションに活用できます。到達率が高い、コミュニケーション力が高いというメリットがある反面、頻繁に発信をするとわずらわしく思われ、ブロックされる恐れもありますので、発信頻度や時間帯には気をつけましょう。

SNSを活用した企業アカウントの成功事例10選

Using laptop for social media. Laptop and many application icons.

次に、企業がInstagram・Facebook・Twitter・TikTok・YouTube・LINE公式アカウントをそれぞれ活用して成功した事例10選をご紹介します。

【Instagram】サンリオピューロランド

サンリオピューロランドのinstagramアカウント画像

サンリオは本社でもInstagramを活用し、キャラクターのアカウントを含めると40以上のアカウントを各媒体で運用するなど、SNS戦略に力を注いでいます。

本社アカウントは商品やサービスのイメージを伝える内容が多いのですが、ピューロランドのアカウントではキャラクターそれぞれの個性や表情を際立たせた内容が多いのが特徴的と言えるでしょう。

また、ピューロランドという施設をアピールするためのアカウントでありながら、宣伝色を極力見せない工夫もされています。「SNSはファンとキャラクターの絆を強くするためのツール」という考え方に基づき、ピューロランドでしか見ることのできないキャラクターの一面をしっかりとアピールできている好事例です。

【Instagram】無印良品

無印良品のINSTAGRAM画像

無印良品のInstagramアカウントは、無印良品のブランドイメージを大切にした個性的な投稿で注目を集めています。

「I am MUJI」というライフスタイルを紹介するプロジェクト、「What Is MUJI?」という商品の由来や使い方を紹介するプロジェクトなどがありますが、そのどれもが無印良品の持つ世界観をわかりやすくターゲット顧客に伝えるよう配慮しているのがわかります。強いて販売促進色があるとすれば動画ですが、短時間とすることによってターゲット顧客の離脱を防ぐよう工夫が施されているのです。

無印良品のブランドイメージを最大限にアピールしながら、ターゲット顧客のライフスタイルに寄り添う、バランス感が絶妙な素晴らしいSNS戦略だといえるでしょう。

【Facebook】ニトリ

ニトリのFacebook 画像

コロナ禍においても増収増益宣言をしたことで注目を集めたニトリですが、SNSでも個性的な戦略で集客に努めています。

ニトリのFacebookアカウントでは、商品やサービスの紹介はもちろん行っているのですが、インテリアのトータルコーディネートを提案しているのが特徴的と言えるでしょう。このことにより、ターゲット顧客は「ニトリの家具や雑貨を買えば、私でもおしゃれなお部屋が作れる」と具体的にイメージすることができるので、SIPSモデルにおける「共感」が起きやすいのです。

さらにニトリでは、実店舗でも家具を使うシーンをイメージしやすいよう、コーディネートされた部屋のように商品を展示しています。Webと店舗で一貫した方針を取ることで、ターゲット顧客の購買活動を促進しているのです。

【Facebook】NEC

NECのFacebook画像

NECのFacebookアカウントは、Webセミナー・座談会・パネルディスカッションといったBtoBを意識した発信が多いのが特徴的です。

40~50代の利用者が多いFacebookの特徴を良く捉えた発信だと言えるでしょう。社会貢献活動やSDGsへの取り組みなどの記載もあり、企業イメージを高めるアカウントとなっています。

【Twitter】Calbee公式

Calbee公式のTwitter画像

Calbee公式アカウントは商品情報やキャンペーンなどを中心に発信していますが、Twitterらしいつぶやきも時々織り交ぜられるため、ターゲット顧客が親しみを感じられるアカウントとなっています。また、Calbee製品の美味しい食べ方から、非公式キャラの黒エビくんのぼやきまで、バラエティに富んだ内容となっているのも特徴的だと言えるでしょう。

ファンサイトは独自に運営されているためSNSはその宣伝役の位置づけですが、微笑ましい雰囲気がターゲット顧客とのエンゲージメントを高めています。

【Twitter】ハーゲンダッツ

ハーゲンダッツのTwitter画像

ハーゲンダッツの公式アカウントでは商品情報やキャンペーン情報などが中心に発信されていますが、クイズなどもよく出題され、ターゲット顧客と企業間でほのぼのとした交流が行われています。

また、ホテルビュッフェでハーゲンダッツアイスクリームが提供されるといった情報や、飲食店でハーゲンダッツアイスクリームを使用した新メニューが提供開始されるといった情報も提供されるので、フォローしていればプロの手でさらにハーゲンダッツアイスクリームを美味しくアレンジして食べられる機会を逃しません。

ファンが知りたいけれどなかなか手に入れられない情報を提供しているという意味で、痒い所に手が届くSNS活用事例だと言えるでしょう。

【LINE公式アカウント】ドミノ・ピザ

ドミノピザのLINE公式アカウント画像

ドミノ・ピザでは、2015年9月にLINE公式アカウントを開設したのと同時に、LINEからピザを注文できるサービスを開始したことで話題になりました。

LINE公式アカウントでは、割引クーポンの配信やショップカードを発行してポイント付与といった戦略を行う企業が多い中、注文・購入というコンバージョンにダイレクトにつながるツールとしてSNSを活用したのが参考になる事例だと言えるでしょう。

【LINE公式アカウント】吉野家

吉野家のLINE公式アカウント画像

吉野家ではFacebookやTwitterなどSNSマーケティングを積極的に行っていますが、LINE公式アカウントを友だち登録すると、すぐに「新規LINE友だち限定50円割引クーポン」がもらえます。

Facebookを商品紹介、Twitterを商品紹介とキャンペーン紹介、LINE公式アカウントをクーポン配布に特化させ、各媒体の強みや持ち味を最大限に活かした運用を行っているのが特徴的だといえるでしょう。クーポンの画像や文言についても、商品を真上から撮影した画像に「テイクアウト可能」「有効期限」「割引金額」など必要最低限のテキストのみとしたシンプルな構成なので、ターゲット顧客の興味や関心を惹きながらもわかりやすいよう工夫が施されています。

企業におけるSNSマーケティングにおいて媒体をどのように使い分けるかやクーポン配布の手法について参考にしたい事例といえるでしょう。

【TikTok】医療法人歯科ハミール

医療法人歯科ハミール

医療法人歯科ハミールは、歯科医院で日々起こる「あるある」を中心に投稿しています。

歯医者の怖い・痛い・つまらない印象を払拭するようなコミカルな投稿が注目を集め、一気に30万フォロワーに到達しました。現在は「こどもが歯医者を怖がらなくなった」「ここの歯医者ならぜひ行きたい」との声も多く集まっており、歯医者のイメージの一新やファン化につながっています。

ほかの企業との差別化を図りたい場合やファン化を狙いたい場合に参考にしたい事例です。

【YouTube】ヤマハ株式会社

ヤマハ株式会社

ヤマハ株式会社では「ぷりんと楽譜チャンネル」を運営しています。楽器を演奏する動画を投稿し、そこから楽譜の販売ページへ誘導しています。

動画コンテンツで購買意欲を刺激し、楽譜のオンライン販売の自動化に成功している事例です。動画内で実演して販売ページへ誘導できるものは楽譜以外にも多数あるので、商品販売を促したい企業は参考するとよいでしょう。

まとめ

FACEBOOKやTwitterやINSTAGRAMなど6つのSNSのアイコン

SNSマーケティングとは、SNSを使ったマーケティング手法のことです。SNSを活用してブランディングや顧客のファン化、販売促進を行います。SNSマーケティングは費用をかけずに認知度を広めたり、顧客との関係を築きやすかったりと大きいメリットがある反面、炎上のリスクもあります。メリット・デメリットの両方を理解したうえでSNSマーケティングを行うことが大切です。

自社でSNSマーケティングを行う際は、この記事でご紹介した、さまざまなSNSを活用した企業の成功事例をぜひ参考にしてみてください。

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