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【集患に効果的】歯科医院におけるWebマーケティングの重要性と対策!
2023年05月14日更新日:2024年04月19日
歯科医院も一つのビジネスである以上、集患を意識した広報戦略が必要です。インターネットで情報収集を行うユーザーが増えているため、Webマーケティングの重要性が増しています。
しかし、Webの知識がない、診療や医院の経営が忙しく広報まで時間が割けないなどの理由で、Webマーケティングに踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
今回は、歯科医院におけるWebマーケティングの重要性と対策について解説します。「患者数を増やしたいけど、どうすればよいかわからない」「Webマーケティングって難しそう」などのお悩みがある方は、ぜひ最後までご覧ください。
競争が激化?歯科業界の現状
現在、歯科医院は戦国時代といっても過言ではないほど、競争が激化しています。その理由の一つに、歯科医院の多さがあります。
厚生労働省の調査によると、歯科医院の数は2022年で約67,899施設にも上ります(2021年10月1日時点)。全国のコンビニエンスストアの数が55,950店舗(2021年12月末時点:日本フランチャイズチェーン協会調べ)なので、歯科医院が非常に多いことがわかるでしょう。
特に都心部には歯科医院が集中しており、過剰供給の状態にあります。供給過多の中で注目を集めるためには、競合他社と異なるサービスやキャンペーンを提供する、価格を下げるなどのマーケティング戦略が必要になります。
しかし、歯科医院は医療施設であるため、提供するサービスで差別化をしたり、治療費を下げたりすることが困難です。歯科業界は、競合が非常に多く、競合との差別化が難しいという特徴があるため、業界内の競争が非常に厳しい状態といえます。
歯科医院におけるWebマーケティングの重要性
先述したとおり、歯科医院は供給過多であるうえに、サービスの差別化は困難なため、患者さまは歯科医院を選び放題の状態です。数ある歯科医院の中で頭一つ抜きん出るためには、広報に力を入れなければなりません。
Webを使った広報には、以下のメリットがあります。
広告費用が安価である
Webを使った広報は、オフライン広報(チラシや新聞広告などWeb以外の広報)よりも安く取り組めます。例えば、Googleマップに紐付けして自院の情報を表示できる「Googleビジネスプロフィール」や、多くのSNSは無料で利用できるのです。
また、Google広告やYahoo!広告は、表示やクリックなど何らかの成果が出た場合にのみ費用が発生するため、余分な広告費がかかりません。広報に費用をかけることが難しい場合でも、Webであれば無理なく運用できるでしょう。
画像や動画を掲載できる
画像や動画の掲載がしやすいという点も、Web広告のメリットです。院内を360度見渡せるパノラマ写真や、院内の雰囲気をわかりやすく伝えられるCM動画などを掲載すれば、ユーザーに強く印象を与えることができるでしょう。
効果測定ができる
GoogleビジネスプロフィールやGoogle広告、Yahoo!広告などのWeb広告は、広告の成果をさまざまな観点から確認することができます。広告をクリックしたユーザーのエリアや年齢、クリックしたあとの行動、どのようなキーワードで検索したかなどの情報を分析できるため、効果測定や課題の洗い出しに役立ちます。
自院のWebサイトにきてもらう・知ってもらうための対策
自院のWebサイトは、インターネット上での看板ともいえるでしょう。Webサイトの露出度を高くして、より多くのユーザーを誘致するための対策は、大きく分けて以下の2つがあります。
- SEO対策に力を入れる
- 自院のWebサイトへの流入経路を増やす
それぞれの対策について解説します。
SEO対策に力を入れる
Webマーケティングを行うのであれば、自院のWebサイト作成は必須です。自院のサイトが上位に表示されるよう、SEO対策にも力を入れなくてはなりません。
主なSEO対策は、以下の3つが挙げられます。
- タイトルタグや構成を適切に設定する
- 対策キーワードをタイトルや文中に多く盛り込む
- ユーザーのニーズに応えられるコンテンツを盛り込む
SEO対策には手間がかかるうえ、専門的な知識が必要な要素も多くあります。SEO対策に力を入れたい場合は、外注するのも一つの手段です。
自院のWebサイトへの流入経路を増やす
SEOは日本全国(場合によっては世界中)が対象のため、なかなか効果が出ない場合もあります。SEO対策を行うと同時に、自院のWebサイトへの流入経路を増やすことも考えなくてはなりません。Webサイトへの被リンクの数はSEOの評価指標でもあるため、積極的に行いましょう。
以下、特に有効な手段をご紹介します。
MEO対策
MEO対策はローカル検索を行った際、Googleマップの上位に表示されることを目指す施策です。Googleビジネスプロフィールを作成すると、Googleマップとリンクしてビジネス情報が表示されます。
ユーザーは家から近い歯科医院を選ぶことが多いです。Googleマップで上位に表示されることで、来院動機の高いユーザーに効率よく情報を配信できます。無料で始められる点も大きなメリットでしょう。
Web広告
Webマーケティングにある程度費用をかけられるのであれば「Google広告」や「Yahoo!広告」などのWeb広告配信サービスを利用してもよいでしょう。
Web広告には、検索結果に連動してページ上部に配信されるリスティング広告や広告枠に表示されるディスプレイ広告など、さまざまな種類があります。費用は、表示されたとき、クリックされたとき、アクションに至ったときなど、何らかの成果が表れた際に課金される方式が多いです。
また、Google広告で2021年から実装された「P-MAXキャンペーン」では、予算や目標に応じてリスティング広告やディスプレイ広告を含めたすべての広告枠に広告が自動配信されるため、手間をかけずにWeb広告を運用できます。
ポータルサイト
全国の歯科医院情報が掲載されているポータルサイトへの掲載も、認知度向上のためによいでしょう。
ポータルサイトで複数の歯科医院の所在地や治療内容、開院時間を調べて、その中で最もよいと思われる歯科医院を選ぶユーザーも少なくありません。ポータルサイトに自院の情報を掲載することで、ユーザーの目に触れる機会を増やすことができます。ポータルサイトによっては、口コミを書き込めたり、予約や問い合わせができるフォームが設置されていたりと、集患に役立つ機能を利用することができます。
掲載料金は無料〜数万円までさまざまです。それぞれPV数や利用できる機能が異なりますので、予算や目的に合ったものを選びましょう。
アクションを起こしてもらうための対策
たとえ認知度を上げたとしても、実際に利用してもらえなくては意味がありません。ユーザーからのアクション、すなわち予約や来院を促すためには、Web対策を行う必要があります。
有効な対策は、以下のとおりです。
- アクションへの導線を作る
- 自院のアピールポイントをわかりやすく伝える
それぞれ詳しく解説します。
アクションへの導線を作る
スマートフォンユーザーが増えた現在、検索から実際のアクションまですべてをスマートフォンで完結できる導線を作ることは非常に重要です。
例えば、以下の2つのケースにおいて、スマートフォンから予約をするとします。
A.自院HPに電話番号が掲載されている
B.自院HPに自院に発信できるボタンが設置されている
Aの場合、スマートフォンから電話をかけるためには、電話番号をメモに書き写す必要があります。手間がかかるうえ、外出先などで手元にメモや筆記用具がない場合は非常に不便です。
Bの場合は、ワンクリックで直接歯科医院に電話ができるため、問い合わせや予約がスムーズです。
ユーザーをアクションに導くために設置するボタンを「アクションボタン」といいます。アクションボタンはHPのほか、GoogleビジネスプロフィールやWeb広告、InstagramやFacebookなどのSNSにも設置可能です。
特に、飲食店や病院のように、今すぐ利用したいという場面が多い業種においては、アクションボタンを設置してアクションまでの導線をスムーズにすることが非常に重要です。
自院のアピールポイントをわかりやすく伝える
SEOやWeb広告の利用によって自院の情報の露出を増やすことはできますが、アクションにつながるとは限りません。
「利用したいと思ってもらえるポイント」をユーザーに伝える必要があります。競合が多く、提供できるサービスが限られている歯科医院にとっては、自院の強みを積極的にアピールすることが非常に重要です。
特に重要な施策をご紹介します。
写真や動画を掲載する
写真や動画は、テキストよりも宣伝効果が高いです。
例えば、自院のアピールポイントを「当院では小さなお子様をお連れの方のためのキッズスペースをご用意しています。ボールプールはお子様に大人気です。赤ちゃんが休めるベビーベッドも設置しています。」とテキストで書くより、ボールプールで遊ぶこどもやベビーベッドで眠る赤ちゃんが写っているキッズスペースの写真1枚のほうが、はるかに多くの情報量と強いインパクトをユーザーに与えます。
アクションへの決定打にもなりうる重要な要素のため、可能であればプロに撮影や編集を依頼して、質のよい画像や動画を準備しましょう。
こまめに更新や投稿をする
Webサイトなどを一度作りこんだからと放置していると、ユーザーは「この情報はずいぶん古いけど信頼してよいのだろうか」と不信に思います。こまめに投稿や更新を行い、最新情報を伝えるとともに、自院の魅力をアピールし続けましょう。
頻繁な投稿と相性がよいのはSNSです。毎月の休院日や院内の様子などの基本的な情報はもちろん、マウスピースをつけているときの歯のケアなど、歯科医院ならではの豆知識を伝えることもできます。あまり多いと好ましくありませんが、歯科治療にまったく関係のないスタッフの趣味や料理などの写真を掲載するのも、閲覧数の増加やイメージアップにつながるでしょう。
また、Googleビジネスプロフィールでも「投稿機能」を利用するとSNSのようにリアルタイムでの投稿が可能です。投稿を重ねてGoogleビジネスプロフィールを充実させることで、上位表示されやすくなるというメリットも期待できます。
口コミを集める
ユーザーは、口コミやレビューを参考に歯科医院を決めることが多いです。そのため、よい口コミは強力なアピールポイントになります。
口コミはGoogleビジネスプロフィールやポータルサイトなどで集めることができます。来院した患者さまにレビューの投稿を呼びかけて、口コミを集めましょう。院内に投稿先の2次元コードを置く、ハガキやメルマガを送って口コミを依頼するなどの工夫で、口コミを数多く集めることができるでしょう。
しかし「☆5をつけてくれたら歯ブラシをプレゼント」など、対価を提供して口コミを集めるのは絶対にやめてください。不誠実な行為として患者さまから不信感をもたれるだけでなく、運営元から違反行為と見なされ、アカウント削除などのペナルティを受ける恐れがあります。
【目的別】行うべき対策とは
歯科医院にとって、Webマーケティングの主な目的は「認知度の向上」と「集患」の2つです。
しかし、開院前なのか開院後なのか、どのような患者さまを増やしたいのかによって、対策は大きく変わります。
具体的な目的は、以下の3つでしょう。
- 開院したことを伝えたい
- 新規患者を増やしたい
- 自費患者を増やしたい
それぞれどのような対策をすればよいのか解説します。
開院したことを伝えたい
歯科医院の競争が激化している中、新しく開院した歯科医院が既存医院に追いつくためには、早い段階でのWebマーケティングが非常に重要です。新しい歯科医院である、つまり施設や設備が最新であるという「プレミアム」があるうちに認知度を向上させ、来院を促す必要があるためです。
特に、自院Webサイトは開院3か月〜半年前までには作成しましょう。HPを公開してから検索結果に表示されるようになるまでに、ある程度の時間が必要なためです。公開後もページや画像、動画などを増やして更新を続けるよいでしょう。
また、Googleビジネスプロフィールは開業90日前から登録が可能です。早めに登録し、こまめに更新を行うことで、検索上位に表示されやすくなります。
新規患者を増やしたい
治療内容に関わらず、とにかく新規患者を増やしたいという場合は、Googleマップでの上位表示を増やすための対策(MEO対策)を中心とした施策が有効です。新しく歯科医院を探すときには「地名 歯科医院名」で検索することが多いため、MEOに力を入れることで新規患者になってくれる可能性のあるユーザーに、効率よく自院の情報を伝えることができます。
Googleビジネスプロフィールに正確かつ最新の情報をこまめに投稿し、口コミ管理をしっかり行うだけでも、有効なMEO対策になりえます。SEO対策やポータルサイトへの掲載もあわせて行うと、アクションへの流入経路を増やすことができるでしょう。
また、せっかく新規患者が問い合わせや予約をしようとしても、電話が混みあっている、診療時間外で歯科医院と連絡が取れないなどがあると、他院に流れてしまう恐れがあります。アクションボタンやGoogleビジネスプロフィールのメッセージ機能、InstagramのDMなどを活用し、混雑時や診療時間外でもコンタクトが取れる環境を整えることで、新規患者の取りこぼしを防げます。
自費患者を増やしたい
利益率の高い自費患者を重点的に増やしたい場合は、また違った施策が必要です。新規患者獲得のように手広く情報を発信するのではなく、ターゲットを狭め、そのターゲットに深く刺さる情報発信をしなければなりません。
重要なのは、ターゲットに特化した広告作りです。医院の特徴や診療内容を広く伝えるのではなく、インプラントであればインプラント、歯科矯正であれば歯科矯正に絞った広告を作成します。
ターゲットにあわせて、ページのデザインやレイアウトを変更するとさらに効果的です。例えば、こども向けの歯科矯正であれば明るい色彩のポップなデザイン、シニア向けの義歯やインプラントであれば文字を大きくし、専門用語をなるべく使わずわかりやすい内容にすると、ターゲットに刺さるページに仕上がります。
広告を発信する媒体としてはWeb広告が一般的ですが、費用をかけられない場合はSNSを利用してもよいでしょう。SNSを利用する場合も、若年層向けの情報はInstagram、シニア層向けの情報はFacebookで発信するなど、ターゲットに応じて媒体を考えることが重要です。
まとめ
今やコンビニエンスストアより数が増え、競争が激化している歯科業界において、他院と差をつけるためには広報に力を入れることが重要です。インターネットで歯科医院を探す人が増えたため、Webマーケティングはもはや必須といえるでしょう。
重要なのは、目標を明確に設定することです。認知度を上げたいのか、とにかく多くの患者さまに来てもらいたいのか、自費患者を呼び込みたいのか、目標によって利用する広告媒体やマーケティング手法が変わります。
Webマーケティングにはさまざまな種類がありますが、あれもこれもと手を出すのではなく、目的や予算に応じて利用する媒体を絞り込み、効果的な広告を配信することが大切です。