ネット集患方法のひとつであるSEO対策は、医療業界でも重要なものとなりました。数年前までは、ホームページがあるだけで、ある程度の習慣ができていたかもしれません。
しかし、昨今はSEO対策をしている医院・クリニックが増加し、ホームページがあるだけでは集患が難しくなっているのが現状です。この記事をご覧の方の中にも、ホームページを作ったのに患者が集まらないとお困りの方がいらっしゃるのではないでしょうか？
今回は、医療業界におけるSEO対策について、初心者の方にもわかりやすく解説します。SEO対策が何かわからない方から、実際に対策をしようと考えている方まで参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
なぜ医療業界でSEO対策が重要なのか？
医療業界は地域との繋がりが強い医院・クリニックが多く、ネット集患にあまり力を入れていないケースも少なくありません。
しかし、これからの時代はSEO対策をはじめとしたネット集患が非常に大切になります。また、ネットでの情報発信をしているかどうかで、患者のリピート率も変わってくるでしょう。
以下の項目では、医療業界でもSEO対策が重要なのはなぜか、そして対策によってどのようなメリットがあるかを解説します。
新規患者から信頼されやすくなる
ネットでの情報発信を行っていると、新規患者は病院や医師について深く知ることができ、信頼しやすくなります。
患者にとって、初めて行く病院は不安なことばかりです。「病院はきれいだろうか」「先生や受付の人は怖くないだろうか」「ちゃんと診察してくれるだろうか」など、いろいろな不安を抱きながら病院を比較するでしょう。そのような場合、医院・クリニックが発信している情報は、信頼できるかを判断する重要な情報になります。正しい情報をわかりやすく発信している医院・クリニックは、信頼感が高くなるでしょう。また上位表示されていれば、認知度や信用度が高い証明にもなり、患者も安心して受診できます。このように、これから受診しようか迷っている新規患者の信頼を得やすくなるのは、SEO対策の強みです。
ネット集患が行いやすくなる
SEO対策をして医院のWebサイトが上位表示されるようになると、多くの人に自院を知ってもらうことができ、ネット集患が行いやすくなります。
昨今はネットで病院を比較している方も多くいるため、上位3位以内に入れれば、かなりの集患効果を発揮する可能性も高いでしょう。ネット習慣がスムーズに行えれば、新聞や雑誌などに広告を出さずに済み、経費削減にも繋がります。ネット集患は、やり方次第では低予算でたくさんの人を集患できるので、集患の費用対効果アップも期待できるでしょう。
広い地域をターゲットに集患できる
「腹痛 原因」のように、日本全国の人が検索するキーワードで上位表示が取れれば、広い地域の人をターゲットに集患ができるようになります。また、SEO対策によって認知度が高まれば、少し離れた地域に住む方も来院するようになるかもしれません。このように、広い地域の人に対して集患を行えるのも、SEO対策を行う大きなメリットです。
最近は、心理カウンセリングや服薬指導などのオンライン診療を実施している医院・クリニックも増えてきています。SEO対策で全国の人にアプローチしつつ、遠くの人でも診療できるオンライン診療を取り入れれば、さらに多くの人を集患できるようになるでしょう。
医療系コンテンツを上位表示させるために必要なこと
ブログ記事のように情報発信を通してSEO対策をすることを「コンテンツSEO」といいます。本記事でも、コンテンツSEOをテーマに解説していきますが、医療系のコンテンツを発信する場合、通常のコンテンツSEOよりも気を付けることが多くあります。
以下では、医療系コンテンツを上位表示させるために必要なことや注意すべき点について解説します。
YMYLとは？
YMYLとは「Your Money Your Life」の頭文字をとったもので、検索ユーザーの生活や経済、健康などに大きな影響を与える内容を指す言葉です。YMYLについて、Google検索品質評価ガイドラインには以下のような記載があります。
2.3 Your Money or Your Life (YMYL) Topics YMYL topics can directly and significantly impact people’s health, financial stability or safety, or the welfare or well-being （YMYLトピックは、人々の健康、経済安定性または安全、福祉、福祉に直接的かつ重大な影響を与える可能性がある） YMYL のトピックは、人々の健康、経済的安定や安全、福祉や福利に直接的かつ重大な影響を与える可能性があります。
引用元：Google「General Guidelines」
上記のように、見た人の生活や人生に重大な影響を及ぼす可能性がある内容を、YMYLと呼びます。具体的には、公共サービスやニュース、金融関係、福祉関係、医療関係、人種関連などの情報がYMYLに該当します。医療分野の情報は、閲覧した人の健康に大きく影響するため、YMYLと定義されるものです。病気についてや、病院・クリニックの診察情報、薬の選び方などは、生命に関わる重要な情報のため、ページの内容を厳しく審査されます。
E-A-Tとは？
E-A-Tとは「Expertise」「Authoritativeness」「Trustworthiness」の頭文字をとった言葉で、専門性・権威性・信頼性というGoogleのWebサイト審査基準を指します。すべてのWebサイト審査においてE-A-Tが用いられますが、YMYLの内容を含むWebサイトにおいては、特にE-A-Tが重視されます。YMYLの情報に関しては、誰が執筆したのかが非常に重要だからです。
執筆した人は専門的な知識のある人なのか、学歴や実績はどうか、信頼できる人かが明確だと、高く評価されやすいといえるでしょう。逆に、医療分野の情報を取り扱っているにも関わらず、専門性や権威性、信頼性が不明確な場合は、評価が低くなります。
YMYLの内容を扱ううえでは、E-A-Tが重要
ここまで解説してきたとおり、医療分野のようなYMYLの内容を扱う場合には、E-A-Tが非常に重要です。サイトで医療情報をたくさん発信したり（専門性）、医師が記事を執筆・監修したり（権威性）、論文や政府発表の情報を引用したりして（信頼性）、E-A-Tを満たしているとGoogleに判断してもらえるようにしなくてはなりません。E-A-Tについて知ると「医療分野のWebサイトは、検索上位を獲得するのが非常に大変なのではないか」と感じるかもしれません。
しかし、医院やクリニックの場合は医師本人が記事に携われるため、むしろ非常にメリットが大きいでしょう。一般的に、医療分野のWebサイトを作る場合は「権威性」の部分がネックになりますが、医院やクリニックであれば権威性を示すのが容易だからです。医療業界の関係者だからできる優位性を活かしたSEO対策をしていきましょう。
医療系コンテンツ制作の進め方
Webサイトの方向性を定める
まずは、どのような方向性でWebサイトを作るかを決めましょう。
昨今は医療業界のWebサイトが増えているため、さまざまな診療科の内容を手広くやっても専門性が低く、評価されない可能性があります。そのため、特定の分野に特化したり、ターゲットを絞り込んだWebサイトにしたりすることが求められるのです。また、分野だけでなく、どのような層に向けて情報を発信するかも重要です。こどもでもわかりやすいサイトにするのか、社会人向けの専門性の高い内容にするかによって、コンテンツの文面は大きく変わるでしょう。「何を・誰に向けて・どのように発信するか」を明確にしておくと、コンテンツを迷いなく制作できます。
サジェスト検索を活用して、30記事分の対策キーワードを出す
Webサイトの方向性が定まったら、最初に投稿する30記事分の対策キーワードを決めましょう。
ネットメディアの場合は「最低100記事投稿が必要」とされていますが、最初から100記事分のテーマを出すのは大変なので、ひとまず30記事程度で問題ありません。対策キーワードを決める際には、Googleのサジェストワードを調べるツールを活用します。サジェストとは、検索エンジンが提案する検索ワード候補のことです。例えば、Google検索で「腰痛」と入力すると「腰痛 原因」「腰痛 病院」「腰痛 椅子」などが候補として提案されます。このようなキーワードがサジェストで、多くのユーザーが検索しているキーワードです。サジェストを知ったうえでキーワード出しをすると、ニーズがある内容の記事を作成するのに役立ちます。最初は「腰痛 原因 女性」など、3単語からなるキーワードを選ぶとよいでしょう。
対策キーワードごとに競合調査をする
対策キーワードが決まったら、そのキーワードで実際に検索をして、上位記事を見てみましょう。
調査するのは上位5〜10記事程度で構いません。上位記事を見ながら、記事のボリューム（文字数）や構成、文章の書き方などを細かく見てみてください。また、上位記事の類似点も見つけられると、自分がコンテンツを制作するときに役立つでしょう。上位表示されている記事は、ユーザーのニーズを満たしている内容で、Googleからも信用されるような内容である可能性が高いと言えます。そのため「どういった点がよくて、ニーズを満たせているのか」「Googleの審査基準と照らし合わせて、信用されている要因は何か」といった観点で上位記事を見てみると、たくさんのポイントを学び取れるでしょう。
構成案を考える
対策キーワードが決まったら、記事の作成に入ります。
記事作成をする際には、まず見出しを考えましょう。構成案やアウトラインなどと呼ばれるもので、構成案がよくできていれば、記事自体もよいものになる可能性が高いとされています。実際、知りたいことがスムーズにわかって、かつ深い内容まで順序立てて説明できている記事は、ユーザーニーズを満たしやすく、Googleからも信用を得やすいと考えられます。
構成案を考える際には、上位記事の構成を参考にするのがおすすめです。特に医学系の方は、論文のような形式で構成案を作る方もいらっしゃるかもしれませんが、よい論文とよいネットコンテンツは構成の時点で違いがあります。そのため、自分の感覚だけを頼りに構成を考えるのではなく、優秀な記事を参考にして考えるようにしてください。
医療系コンテンツを上位表示させるためのポイント
医療系コンテンツを制作・発信しても、必ず集患効果が実感できるわけではありません。分野によっては競合が多すぎたり、有名な競合が複数あったりして、上位表示を獲得しにくいケースも考えられるでしょう。
しかし、上位表示のポイントを知っていれば、効果的に検索順位を向上させられます。
ここからは、SEO対策のポイントを解説しますので、これからコンテンツSEOを行う方や効果が出ずに困っている方は参考にしてください。
サイト運営者やコンテンツ制作者の情報を明記する
医療系のコンテンツは、信頼性や権威性が明確でないと上位表示させられません。そのため、ページにサイト運営者やコンテンツ制作者の情報を明記して、Googleから信頼されやすいページ作りをしましょう。具体的には、サイトに医院名を記載する、コンテンツの最初と最後に医師の名前や画像を入れるなどです。
このように「どのような医院が運営するページか」「誰が作ったコンテンツか」が明確になっていると、Googleに信頼されやすくなり上位表示も獲得しやすくなります。また、閲覧するユーザーにとっても安心感があるでしょう。医院・クリニックの強みである「専門性」「権威性」を活かせるように意識してみてください。
Webサイトの方向性をブレさせない
SEO対策には時間がかかるため、数か月にわたって上位表示が獲得できず、目に見えた成果が出ないケースも多くあります。
しかし、成果が出ないからといって専門外の分野に手を出したり、過激な内容のコンテンツを制作したりすると、専門性や信頼性の評価が下がりかねないので止めましょう。もちろん、見てくれているユーザーのニーズに合わせたコンテンツ制作をするのは大切ですが、一度決めた方向性を短期間でどんどん変えてしまうと、どの分野の専門性も高くない、内容の薄いコンテンツやWebサイトができあがってしまいます。
前述したとおり、医療業界では専門性が非常に大切なので「この分野に関しては、このサイトの情報が一番充実している」と言われるようなWebサイトを目指しましょう。
PV数を確認し、人気記事について分析する
コンテンツを20〜30記事ほど制作したら、PV数のチェックも定期的に行いましょう。
3〜6か月ほど経つと、記事によっては検索上位に入る記事が出てきて、PV数が上がる可能性があります。もしPV数が上がっている記事があったら「どんなキーワードで上位を獲得できているのか」を確認してください。上位表示されている記事について、上位表示されるキーワードがわかったら、関連する記事を数記事作成するのもおすすめです。例えば「ホワイトニング 何日」で上位表示が取れているなら、ホワイトニングに関する記事を3〜5記事程度作成してみるとよいでしょう。
どのようなニーズがあるかを把握し、そのニーズに応えるコンテンツ制作をすると、上位表示を取れる可能性が高まります。
サイト内の回遊を促す
Google検索から自院のWebサイトに訪れたユーザーに対して、ほかの記事も見てもらえるような施策を打ちましょう。具体的には、ページの上部・下部に関連記事のURLを配置したり、メニューバーを作ったりするような施策が考えられます。ユーザーがWebサイトに長く留まるほどGoogleからの評価も上がるため、サイト内回遊の施策は必須です。
また、サイト内の複数のページを見てもらうと、ユーザーがWebサイトを覚えてくれる可能性が高まり、再訪問してくれる確率も上がります。「歯の調子が悪いな、あのサイトに何か書いてあったかな？」「矯正についてあのサイトがわかりやすかったな、もう一回見てみよう」といったように、Webサイトを頼りにしてくれる人も増えるでしょう。
こうした長期滞在や再訪問は上位表示に繋がるので、ぜひ対策してください。
競合調査を徹底的に行う
コンテンツ制作をするうえでは、競合調査が欠かせません。上位表示されている記事は、Googleから高く評価され、ユーザーのニーズにしっかり応えられているものがほとんどです。優秀な上位記事をたくさん見ておくことで、どのようなコンテンツを制作すればよいかイメージが湧き、コンテンツが作りやすくなるでしょう。
競合調査をする場合には、内容はもちろん、文章の書き方やボリューム（文字数）、見出しなどもチェックしてみてください。特にどのような順番で見出しが並べられているかを知ると、ユーザーが最後までスムーズに読める記事がどんなものかわかります。また、タイトルの付け方なども参考にできるでしょう。
さまざまなWebサイトのよいところを吸収して、よりよいコンテンツ制作に活かしてください。
自院でのコンテンツ制作が難しい場合は
コンテンツ制作の流れを解説しましたが、医院スタッフのみで制作するのは大変と感じた方も多いのではないでしょうか。実際、専門知識はあったとしても、執筆スキルやコンテンツ運営のノウハウは持ち合わせていないケースが大半なので、自力でたくさんのコンテンツを制作するのには時間的・労力的にかなり厳しいものがあります。
もし、医院スタッフのみでコンテンツを制作するのが難しいと感じたら、SEO対策代行業者に対策を依頼するのがおすすめです。SEO対策代行業者は、Web集客・集患やコンテンツ運営に関する知識が豊富で、希望に合わせてSEO対策を行ってくれます。
以下では、SEO対策代行業者について詳しく解説します。
SEO対策代行業者を利用するメリット
SEO対策代行業者を利用するメリットは、効果的にSEO対策を進められて、効果も実感しやすいことです。SEO対策では、ノウハウがどのくらいあるかが大きな差となります。代行業者はSEO対策に関するノウハウがあるため、短期間で費用対効果を高めて対策を行ってくれるでしょう。
また、ネット集患強化による業務量の増加を防げるのもメリットのひとつです。ネット集患のような新しい取り組みをスタートする場合、スタッフによっては強いストレスを感じる可能性があります。業務量が増えるのは多くのスタッフにとって望ましくないでしょう。代行業者を利用することで業務量増加を防ぐことは、職場環境を健全に保つのに効果があるのです。
SEO対策代行業者を利用するデメリット
SEO対策代行業者を利用するデメリットは、費用がかかることです。SEO対策は、無料ツールを使えばほとんど費用をかけずに対策できます。
しかし、SEO対策代行業者を利用すれば、月数万円はかかってしまいます。集患にあまり予算を割けない場合には、厳しいでしょう。また、費用をかけても必ず効果が実感できるわけではありません。対策キーワードや、地域の競合の数などによって、対策の効果や期間は大きく異なります。場合によっては、1年対策をしてもあまり効果が出ないかもしれません。費用が無駄になってしまう可能性もゼロではない点は、代行業者を利用する際には把握しておきましょう。
医療業界に精通したSEO対策代行業者へ依頼しよう
自院でコンテンツ制作が難しい場合は、医療業界に精通したSEO対策代行業者を利用しましょう。代行業者ごとに得意分野は分かれており、飲食店のSEOをたくさん行ってきた会社もあれば、小売店のSEO対策に特化している会社もあります。医療業界のSEOは、前述のとおり、注意すべき点が複数あるため、医療業界に強い代行業者を利用する必要があるのです。
SEO対策代行業者が医療業界に精通しているかは、実績のページを見るとわかります。多くの代行業者は過去の実績を公開しており、これまでどのような企業・医院のSEO対策を代行したかがわかるようになっています。実績ページで医療系の企業・医院と複数契約している記載があれば、利用を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
医院・クリニックにおいても、ネット集患が必須な時代になっています。効果的な集患を行ううえでは、SEO対策が欠かせません。医療業界の場合は、情報の内容が人々の生命に関わるため、Googleからページの信用性や権威性を厳しく審査されます。そのため、医院・クリニックがSEO対策を行う場合は、誰が運営しているサイトなのか、誰が制作したコンテンツなのかを明記するようにしましょう。
自力でSEO対策を行う場合は、競合の調査をしっかりと行うとともに、権威性や信頼性に関する情報を明記することが大切です。また、代行会社にSEO対策を依頼する場合は、予算感や行って欲しい業務内容を明確にしておくとよいでしょう。医院の状況に合わせて、できる範囲でSEO対策を始めてみてください。