【歯科医院経営者必見!】効果的な集患・増患の方法を詳しく解説!

カルテに書き込む医者

近年はクリニックを開業しただけでは、患者さまは来院しなくなりました。インターネット・スマートフォンユーザーが増え、ホームページ・SNS・口コミなどで情報収集してクリニックを選ぶユーザーが増えたことが背景にあるでしょう。そのため、集患・増患を効率的に行うには、オンライン・オフライン両方の施策が必要です。

今回は、歯科医院が集患・増患対策を行うべき理由や、オンライン・オフラインでの集患・増患方法、集患・増患のために重要なことを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

集患・増患とは?

パソコンの前で男女が話している

集患とは、新規の患者さまを集めることです。飲食店などにおける集客が、クリニックにおける集患になります。

増患は、患者さまを増やすことです。新規の患者さまを集める意味でも使用されますが、主にリピートしてくれる患者さまを増やす意味で使用されます。

歯科医院が集患・増患対策を行うべき理由

医者がタブレットで患者に説明をしている

歯科医院が集患・増患を行うべき理由は、競合他社が多く、ネット集客による差別化が重要な時代になってきたためです。現在、歯科医院はコンビニよりも多く存在しています。

特に首都圏では、同一商圏内に複数の歯科医院がある地域も多い状況です。積極的に集患・増患をしないと、患者さまが増えにくいでしょう。

また、Googleマップやホームページなどを活用したネット集患に力を入れている歯科医院も増えています。Googleマップで「地名 + 歯科医院」と検索して上位に表示される歯科医院は、情報が充実していて口コミも豊富に集まっているのではないでしょうか。

昨今は、ネットで歯科医院を比較する患者さまも増えています。競合の多さ、ネット集患の重要性の高まりなど、集患・増患は必須になっているのです。

集患・増患に効果的な方法

グラフが表示されたタブレットに書き込んでいる

集患・増患に効果的な方法を、オンライン・オフラインに分けて解説します。オンライン・オフラインの両面からアプローチすることで、幅広い年齢層の患者さまを集患・増患できるでしょう。

オンラインでの集患・増患方法

オンラインの効果的な集患・増患方法は、以下の8つです。

  • ホームページ制作
  • SEO対策
  • MEO対策
  • SNS運用
  • LINE公式アカウントの導入
  • オンライン予約システムの導入
  • Web広告の運用
  • ポータルサイトへの掲載

それぞれ詳しく解説します。

ホームページ制作

歯科医院のことを詳しく知ってもらうには、ホームページの制作が効果的です。以下で解説する必須要素をホームページに掲載することで、集患・増患に大きな効果があります。

  • 電話番号・住所・アクセス方法

新規の患者さまがスムーズに歯科医院を利用できるよう、電話番号・住所を必ず掲載しましょう。地図を用いてアクセス方法を詳しく説明すると、より患者さまに親切といえます。

  • 診察時間・休診日

診察時間・休診日も必須の項目です。土日や祝日、夜間も診察を行っている場合は、目立つように記載しましょう。土日や祝日などの診察はニーズが多く、集患・増患効果が高まります。

  • 診察科目・診察内容

何のクリニックなのか掲載していないと、患者さまが混乱します。診察科目・診療内容は、具体的にわかりやすく掲載しましょう。

  • 問い合わせフォーム

仕事の都合で歯科医院の診察時間内に電話をかけられない患者さまや、電話が混みあって繋がらなかった患者さまのために、問い合わせフォームを設置してください。設置するだけでなく、迅速な返信を心がけましょう。

  • 医師プロフィール・歯科医院の方針

初めてクリニックを利用する患者さまは「怖い医師だったらどうしよう」「受付の態度が悪かったらどうしよう」など、さまざまな不安を抱えています。患者さまの不安を取り除くには、医師のプロフィールや歯科医院の運営方針を掲載することが効果的です。

患者さまを安心させられるような内容を掲載しましょう。

  • 院内の写真・動画

院内の写真を見てクリニックを選ぶ方も多いでしょう。そのため、外観だけでなく、受付・待合室・医療設備など、院内の写真を掲載すると効果的です。

動画を活用すれば写真よりも多くの情報を伝えられるので、ぜひチャレンジしましょう。流し撮りしただけの動画では魅力を伝えることはできないので、伝えたい部分を適切な長さに編集することが大切です。

今はスマートフォンと無料のソフトだけで十分なクオリティの動画を制作できます。最初は無理に高い機材を揃える必要はまったくありません。

まずはお金をかけずに制作し、より高いクオリティを求めたくなったときに、一眼レフ・三脚・ジンバルなどの機材を検討しましょう。

SEO対策

SEO対策とは、検索エンジン最適化のことです。サイトが検索結果の上位に表示されるよう、さまざまな施策を行うことを指します。

SEO対策を行うメリットは、以下のとおりです。

  • 無料で始められる
  • 費用対効果が高い
  • 広告費がかからない
  • 長中期的にアクセスが見込める
  • 患者さまから信用を得られる
  • ブランディング効果がある

需要のあるキーワードで上位表示に成功すると、多くの患者さまの目に触れます。集患・増患に大きな効果が期待できるでしょう。

SEO対策はすぐには効果が出ないものの、知識・施策の積み重ねで着実に成果を伸ばせます。地道に取り組みましょう。

MEO対策

MEO対策とは、Map Engine Optimizationの略で、ローカルSEOともよばれています。具体的には、Googleビジネスプロフィールに登録した自社の店舗情報やビジネス情報を、Googleマップの検索結果で上位に表示させる施策のことをいいます。

MEO対策を行うメリットは、以下のとおりです。

  • 無料で始められる
  • ライバルは近隣の同業他社のみなので、上位表示の確率が高い
  • クリニックを探す際は「地域名+診察科目」で検索されることが多い
  • 自然検索結果よりも上部に表示されるため、患者さまの目に留まりやすい
  • 口コミ対策を徹底することで、患者さまからの信頼を得られる

MEO対策はSEO対策よりも効果が出るのが早く、ローコストで行えます。必ず取り入れたい対策の一つです。

SNS運用

SNSを情報収集のツールとして活用している患者さまも多いです。SNS運用を積極的に行うことは、集客・増患の効果が高いといえます。

SNS運用を行うメリットは、以下のとおりです。

  • 無料で始められる
  • 費用対効果が高い
  • 患者さまとのコミュニケーションツールとなる
  • ブランディング効果がある
  • 病院のイメージを伝えられる

SNS運用もSEO対策と同様、効果が出るまで時間のかかる集患・増患方法ではありますが、患者さまに有益な情報を発信し続けることでフォロワー(ファン)は着実に増えます。フォロワーが増えることで、より多くの患者さまに知ってもらえる機会が増えるでしょう。

目先の結果にとらわれず、コツコツと有益な投稿を続けてください。

LINE公式アカウントの導入

LINEはソーシャルメディアNo.1ユーザーを誇るアプリです。集患・増患のためのツールとして、LINE公式アカウントを活用するクリニックも増え続けています。

LINE公式アカウントを活用するメリットは、以下のとおりです。

  • 24時間予約の受付ができる
  • 診察待ちの患者さまを呼び出せる
  • お知らせなどを一斉送信できる
  • ステップ配信で来院を促進できる

初期費用や月額使用料が無料で使えるベーシックプランも用意されているので、まずは無料で始めるとよいでしょう。

オンライン予約システムの導入

待ち時間の長いクリニックは、集患・増患が見込めないどころか患者さまが離れていくおそれがあります。オンライン予約システムを導入するとよいでしょう。

オンライン予約システムを導入することで、予約なしの患者さまの診察時間を確保しながら、余裕のある診察が可能になります。例えば、混みあう時間の予約は30分につき1人に限定するなど、時間予約の上限を設定することも可能です。

患者さまにストレスなく診察を受けてもらうためにも、オンライン予約システムを導入しましょう。オンライン予約システムの導入は、ホームページやLINE公式アカウントなどで可能です。

Web広告の運用

Web広告の運用は、GoogleやYahoo!などの検索結果上に表示させるリスティング広告、SNSのタイムライン上などに表示させるSNS広告、YouTubeに表示させる動画広告などが挙げられます。

SEO対策やSNS運用は効果が出るまでに時間がかかりますが、Web広告は短期間で効果を得やすい集患・増患方法です。効果的な広告運用にはWebマーケティング全般の知識が求められますが、広告の効果は絶大です。知識やスキルを身に付けて取り組みましょう。

ポータルサイトへの掲載

ポータルサイトとは、何らかの情報をまとめたサイトで、各情報の入り口になるサイトを意味します。歯科医院の集患におけるポータルサイトはいわゆる「専門型ポータルサイト」で、EPARK歯科や歯科タウンなどが挙げられるでしょう。

主な歯科医院のポータルサイトは、以下のとおりです。

  • EPARK歯科
  • 歯科タウン
  • 矯正歯科ネット
  • 歯医者さんネット
  • 医科歯科.com
  • 審美歯科ネット
  • インプラントネット
  • デンタル・コンシェルジュ
  • 小児・子供矯正歯科パーフェクトNAVI
  • インプラント治療なび

ポータルサイトに掲載すると、歯科医院を比較・検討したいと考えている人に、効果的に訴求できます。掲載料はかかりますが、地域やサイトによっては非常に効率よく集患・増患できるでしょう。

オフラインでの集患・増患方法

オフラインの効果的な集患・増患方法は、以下の3つです。

  • 看板広告の設置
  • 地域誌やチラシでの宣伝
  • イベントや講演の開催

それぞれ詳しく解説します。

看板広告の設置

看板広告は長期間にわたって掲載することが多く、何度も見てもらえます。アピール力が高く、知名度を上げられるでしょう。また、上述したオンラインの集患・増患方法に比べ、特別な技術が不要で取り組みやすいといえます。

特に地方都市では、看板設置のコストが低いので費用対効果が高いです。信号待ちをする機会がある大きな交差点や、人通りの多い道路の脇などに設置すると効果的でしょう。

地域誌やチラシでの宣伝

今はオンラインの情報が重視される傾向にありますが、地域誌やチラシをこまめにチェックしている方も多いです。若い世代では少ないですが、主婦層やシニア世代への集患・増患に効果が期待できるでしょう。

イベントや講演の開催

院内で健康に関する講演会やイベントを開催すると、地域の方と直接コミュニケーションを取れます。信頼を獲得する絶好の機会となるでしょう。

患者さまがクリニックを選ぶ際に最も大切な要素は、信頼といっても過言ではありません。地味な活動に思えるかもしれませんが、定期的にイベントや講演を行うことで着実に信頼を積み上げることができます。

集患・増患施策を決める際のポイント

電球マークとPOINT

集患・増患を行う際は、ターゲット設定や費用対効果などのポイントを意識する必要があります。ポイントを押さえていないと、効率が悪く、費用だけがかかる可能性もあるので注意しましょう。

集患・増患施策を決める際のポイントは、以下のとおりです。

ターゲットを決める

まずは、ターゲットを決めましょう。どの地域の、どのような悩みをもっている人にアプローチしたいかを考えると、どのように対策すればよいかが明確になります。特に、患者さまが抱える悩みについて深く考えることは、対策の方向性を定めるために重要なポイントです。

例えば、歯の黄ばみに悩んでいる人にアプローチするのであれば、ホワイトニング関連の情報を豊富に発信する、Googleマップにおいてホワイトニングを対策キーワードに盛り込むなどの施策が考えられます。ペルソナ(具体的な患者像)を考えると、ターゲットを明確に決められるでしょう。

費用対効果を考慮する

すべての対策が、かけた費用以上の売上をもたらすわけではありません。効果のある施策であっても、かけたコストを回収できなければ意味がないのです。

特に、ポータルサイトへの掲載やMEO対策、外部制作会社に動画制作を依頼する場合などは、費用対効果を考慮して進める必要があります。もちろん、専門の業者に依頼したほうが効率よく集患・増患できる可能性は高いといえます。

ただし、依頼する会社によって効果や料金が異なるので注意が必要です。費用対効果を考慮して、無理なく依頼できる施策を選びましょう。

院内の取り組みにも注力する

宣伝だけでなく、来院した患者さまに対する取り組みも強化しましょう。さまざまな治療を提案すると、患者さまは自分のことを細かく見てくれていると感じて信頼度が高まります。丁寧にカウンセリングを行って、必要と思われる治療を積極的に提案してください。

ただし、毎回のようにさまざまな治療を提案すると「売上のことばかり考えている」「たくさん治療を提案してきて、断るのに苦労する」と不満を抱かれることもあるでしょう。患者さまに必要と感じる治療のみを提案してください。

リコール(リピート)率を意識する

新規の患者さまだけでなく、既存の患者さまにしっかりとリコールしてもらうことも大切です。リコールしてもらえなければ、どれだけ集患しても患者さまの全体数は増えません。患者さまと信頼関係を築いて、リコール率をアップしましょう。

リコール率をアップさせるには、治療の提案や、後述する満足度向上のための施策などが有効です。一人ひとりに丁寧な対応を心がけ、安心して来院してもらえるような歯科医院を目指しましょう。

集患・増患のために重要なこと

車いすを押す男性と受付の女性

集患・増患のために最も重要なことは、患者さまの満足度を上げることです。オンラインやオフラインでの集患・増患の施策を行って一時的に患者さまが増えても、満足度の低い歯科医院ではすぐに患者さまは離れてリピートされることはありません。

患者さまの満足度をあげる方法として、以下の4つが挙げられます。

  • アンケートの実施
  • プライバシーへの配慮
  • 職員の教育

それぞれ詳しく解説します。

 アンケートの実施

歯科医院に対して不安や不満を抱いても、直接伝える方はほとんどいません。そのため、問題が可視化されず、いつまで経っても患者さまの満足度が低い場合があります。

患者さまの不安や不満、歯科医院の問題を可視化できるのが、アンケートです。匿名で記入してもらえば正直な意見を記入できるため、患者さまの不安・不満を可視化し、改善に繋げられます。 

プライバシーへの配慮 

患者さまは、ほかの患者さまに自身のことを知られたくありません。そのため、受付・待合室・診察室での会話が、ほかの患者さまに聞こえないように配慮することが大切です。 

  • 受付や待合室で事前に症状を確認する際は、口頭ではなく問診表を用いる
  • 診察室での会話は極力小さな声で行う(もしくは診察室の防音対策を行う)
  • 名前ではなく受付番号による呼び出しを行う 

上記の配慮を行うことで、患者さまが安心して歯科医院を利用できるでしょう。

職員の教育

日々の業務に追われ、職員の教育が行き届いていない歯科医院も多いです。コンプライアンスを遵守することは必須のため、必ず定期的に職員を教育する場を設けましょう。

歯科医院の職員に教育すべき項目は、以下のとおりです。

  • コンプライアンス教育
  • 就業規則や理念の共有
  • 業務内容の確認と統一
  • ビジネスマナー教育

教育環境が整っていないと、職員が不祥事を起こすリスクが上がります。一度悪評が広がると、歯科医院の経営に大きな影響が出るでしょう。

不祥事を起こすことがないように、定期的に職員の教育を行いましょう。 

医療広告ガイドライン違反に注意しよう!

カルテにから患者の情報が飛び出すイメージ

自院についての広告を出稿する際は、医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。医療広告ガイドラインに違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるうえ、事例を公表されるリスクもあるので注意が必要です。

医療広告ガイドラインで禁止されている事項は、以下のとおりです。

  • 虚偽・誇大・比較優良広告
  • 公序良俗に反する内容
  • 患者の体験談
  • 誤認を与える危険があるビフォーアフター写真

参照元:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針

上記以外にもさまざまな内容が禁止、もしくは注意対象となっています。これから医療広告を掲載しようと考えている場合は、必ず医療広告ガイドラインを確認しましょう。不安があれば、医療広告に関する専門家に相談してください。

まとめ

白衣を着た4人の医者

今回は、歯科医院の集患・増患方法や、集患・増患のために重要なことを解説しました。近年は多くの歯科医院がオンライン・オフラインの集患・増患対策を行っているため、ただ運営しているだけではほかの歯科医院に患者さまが流れます。

今回解説した対策を一つひとつ実践することで、集患・増患に確実に繋がるでしょう。また、集患・増患に成功しても、患者さまの満足度の低い運営をしていては、すぐに患者さまが離れます。満足度を上げる努力を行うことも決して忘れないでください。

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