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2023年05月03日更新日:2024年04月19日

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令和3年通信利用動向調査の結果」によると、スマートフォンの世帯保有割合が88.6%に拡大し、SNSの個人利用割合が78.7%に達したことで、消費者は気軽に商品やサービスの口コミをSNS上に投稿するようになりました。

新商品開発やサービスの改善を考える際に「誰にどんな切り口で新商品を開発すればヒットするのか」「既存の商品やサービスは、どう改善すれば満足度が上がるのだろう」などの悩みを抱えている企業様も多いのではないでしょうか。SNSの口コミを分析することで、消費者のリアルな声がわかり、企業はマーケティングに役立てることができます。

今回は、SNSの口コミ分析について解説します。この記事を最後までご覧いただくことで、SNS上で口コミ分析をするメリットと、顧客のリアルな声を活用する方法がわかるのです。

SNS上の口コミの重要性

笑顔でスマホを見る女性

ネット上に情報が溢れるようになり、誰でも簡単に欲しい情報にアクセスできるようになりました。消費者は、今までのように企業が一方的に発信する広告や情報だけで商品を購入することは少なくなっています。

商品を購入する際に重要視する情報は、Amazonレビューや価格.com、食べログ、@COSME(アットコスメ)などの口コミサイトで実際に購入した方の使用感や口コミです。口コミサイトは、企業が「この商品はいいですよ」というよりも信用されるといえるでしょう。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関するアンケート結果|2018年9月」によると「今までに利用したことがない商品やサービスを購入するときに、インターネット上の口コミやレビューを確認していますか」というアンケート調査を行なっています。アンケート調査の結果では「確認する」と答えた人は34.4%、「確認することの方が多い」と答えた人は50.0%と、84.4%の方が何らかの口コミやレビューを参考にしていることがわかるでしょう。

また「あなたが購入しようとしていた商品やサービスの口コミやレビューがよくなかった場合には、その商品やサービスの購入を取りやめますか」の問いに対しては、68.3%の方が「購入を取りやめることの方が多い」と回答しています。口コミの評価が、購入を左右するといえるでしょう。

さらに「購入しようとする商品やサービスについて、どのような口コミやレビューで確認していますか」の問いに対しての回答は「価格.COM、食べログ、@COSME(アットコスメ)等の口コミサイト」と答えた人が73.8%、「オンラインショップ等のサイトの口コミレビュー」と答えた人は69.7%、「商品やサービスを利用した個人のブログ、SNS等の投稿」と答えた人は48.8%となっています。

購入を左右されるほど口コミが参考にされている昨今、SNS上の口コミの重要性がわかるでしょう。

口コミ分析とは?

右上を見て悩む女性

口コミ分析は「ソーシャルリスニング」ともいわれ、TwitterやInstagram、Facebookに投稿された消費者のリアルな声や口コミサイト・ブログなどのソーシャルメディア上に投稿された口コミを収集し、分析することで、マーケティング施策に活用する方法です。

昨今、個人が気軽に商品やサービスの評価をSNSに投稿できるため、SNS上には消費者のリアルな声がたくさんあり、拡散性があるSNSから大きなトレンドがうまれることも珍しくありません。SNS上の口コミにはビジネスを成功に導くためのヒントがあり、多くの企業でSNS口コミ分析が行われているといえるでしょう

口コミ分析のメリット・デメリット

文房具にメリットとデメリットが書かれている

口コミ分析のメリット・デメリットについて解説します。

口コミ分析のメリット

口コミ分析のメリットは、以下の3つです。

  • 消費者の正直なニーズをリアルタイムで把握できる
  • 新商品開発のヒントが見つかる
  • 迅速なサービス改善につながる

それぞれ詳しく解説していきます。

消費者の正直なニーズをリアルタイムで把握できる

SNSなどのソーシャルメディア上には、日々リアルタイムで消費者の正直な口コミが投稿されています。地域や属性が限定されることがないため、ニーズをすぐに把握できるといえるでしょう。

今までは、アンケートやインタビューを行って消費者のニーズを把握していました。これらの手法では企業が準備した項目に沿って答える形式が多く、ニーズの把握に偏りがでてしまうデメリットがあります。

口コミ分析を行うことで、消費者の正直なニーズをリアルタイムで把握できます。ポジティブな口コミは、よい点を訴求した広告戦力などに活用することができるでしょう。

新商品開発のヒントが見つかる

「こんな機能の商品があったら買いたい」「この部分がもっと使いやすくなれば嬉しい」など、消費者の口コミから企業が今まで気づかなかったアイデアを見つけるケースもあります。

消費者ニーズが多様化するなかで、有益な口コミがある場合は商品開発やサービス向上のヒントとして役立つでしょう。

迅速なサービス改善につながる

口コミのなかには、ネガティブな内容もあります。

しかし、ネガティブな口コミには、サービス改善のヒントが隠れています。「問い合わせをしたら待たされて、非常に時間がかかった」「ホームページからの注文の仕方がわかりづらかった」など、消費者が感じた自社に対するリアルな不満を知ることで、迅速なサービス改善のPDCAを行うことができるでしょう。

口コミ分析のデメリット

口コミ分析のデメリットは、情報が膨大で、欲しい情報を見つけづらいことです。

消費者がSNS上に投稿する口コミにはルールがないため、欲しい情報を選別するためには労力や経験が必要です。仮に間違った情報を収集・分析してしまうと、商品開発やサービス改善の方向性がずれてしまい、売上低迷などのリスクにつながるでしょう。

また、SNSは性別や年齢を把握することが難しいため、自社に合ったターゲットの口コミだけを収集・分析するのが非常に難しいです。

分析すべき口コミとは

グッドマークやハートが出るスマホを持つ女性

分析すべき口コミは、大きく分類すると以下の3つです。

  • SNSの投稿
  • 口コミやレビューサイト
  • ホームページやブログのコメント

それぞれ詳しく解説していきます。

SNSの投稿

SNS上に投稿された口コミは、自由度が高く、消費者からの評価や感想を幅広く知ることができます。

テキスト投稿のほかに、写真付きの投稿ができることで「インスタ映え」などの言葉も流行しました。自社の商品やサービスのどのポイントが人気なのか、商品をどのように利用されているかをリアルタイムで知ることができるでしょう。

消費者は、ハッシュタグを付けて商品やサービスの使用感を投稿することも多いです。TwitterやInstagram、Facebookで、ハッシュタグを付けて商品やサービスを検索しましょう。

ハッシュタグとテキスト投稿の例は、以下のとおりです。

  • ♯レストラン名「この前、人気のレストランに行きました。パスタがとても美味しかったよ!」
  • ♯ダイエットサプリ名「このダイエットサプリや運動で1か月で3キロ痩せました!」

上記のように、ハッシュタグで検索すると、実際に体験した消費者のリアルな口コミを収集できるでしょう。

口コミやレビューサイト

口コミやレビューサイトは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)やAmazonレビュー、価格.comなどがあります。商品やサービスを利用した使用感のコメントや点数、星の数などで消費者が評価するため、数値化した口コミ評価がわかるメリットがあります。

例えば「先日、病院に行ったら受付の方やスタッフの方が笑顔で親切に対応してくれて、緊張が和らぎました」など、店舗や企業側が気づきにくいリアルな声を知ることができるでしょう。

ホームページやブログのコメント

自社でホームページやブログを運用している場合は、コメント欄に感想や質問が投稿されている場合があります。

感想は、消費者のリアルなニーズを知ることができます。また、質問に対して丁寧に回答することで、ユーザーとの信頼関係を築くことができるでしょう。

ほかの見込み客への参考材料になるため、購入の後押しに繋がるといえます。

口コミ分析の方法

スマホを片手にパソコンを触る女性

SNS上で口コミ分析する方法は、大きく分類すると以下の4つがあります。

  • 自社で検索・口コミを収集する
  • 口コミ分析ツールを導入する
  • 口コミ分析サービスを利用する
  • 口コミ分析を外注する

それぞれ詳しく解説していきます。

自社で検索・口コミを収集する

自社に関連する企業名や店舗名、商品やサービス名など、リサーチしたいキーワードを決めて、ネット上に投稿されている口コミを収集し分析する方法です。芸能人などが行っている「エゴサーチ」もこの方法に分類されます。

コストがほとんどかからないメリットがありますが、手作業でリサーチするため、労力と時間が必要です。分析にはスキルが必要なため、何を知りたいのか目的をしっかりと決めなければ、改善に活かすことができない分析結果がでるリスクがあります。

口コミ分析ツールを導入する

口コミ分析ツールには、TwitterやInstagramなどのSNSに投稿されている口コミを、自動で収集・分析できるメリットがあります。

機能はツールによって異なりますが、エリアや年代ごとに収集・分析できるなど、自社に合わせてカスタマイズできることが多いです。運用は基本的に自社で行うため、社内リソースが必要になります。

口コミ分析サービスを利用する

口コミ分析サービスは、専門業者が提供する分析サービスを利用する方法です。

社内リソースや分析スキルがない場合に有効ですが、分析ツールの導入に比べ、分析項目が決まっていることが多く、自由度は低くなります。分析項目が増えるとコストも増えることがデメリットです。

口コミ分析を外注する

社内で口コミ分析にかける時間やリソースがない場合は、外注する方法もあります。

専門業者に依頼するため、収集・分析のほかにマーケティングや口コミ分析の活用方法などのコンサルティングサービスがついていることも多いです。デメリットは、コストが高額であるとことです。

口コミ分析後の活用方法

USEと書かれた積み木とスマホ

SNS上で収集・分析した口コミは、販売戦略などに活用してはじめて意味があります。ここからは、口コミ分析後の活用方法をご紹介します。自社に合う活用方法を考えてみましょう。

口コミ分析後の活用方法は、以下の3つです。

  • 自社イメージの分析
  • 販売促進の効果測定
  • 競合リサーチとリスクマネジメント

それぞれ詳しく解説します。

自社イメージの分析

SNS上の口コミは、消費者が自社の商品やサービスに対するイメージを自由に投稿しています。ポジティブな投稿やネガティブな投稿を分析することで、売上アップのブランディングに活用できるといえるでしょう。

販売促進の効果測定

自社で展開した販売促進キャンペーンや広告の評判を確認し、次回以降の販売戦略に活用することは非常に有効な活用方法です。SNS上の口コミはリアルタイムで確認できるため、ビジネスで重要な「スピード感のあるPDCA」を回すことができるでしょう。

競合リサーチとリスクマネジメント

SNS上の口コミには、競合他社の商品やサービスに関する投稿もあります。従来のアンケートやインタビューでは知ることができなかったライバルの口コミは、今後の販売戦略での差別化や他社のキャンペーン情報、効果を把握するのに役立ちます。自社のネガティブな口コミを参考に素早く改善することで、売上低迷などのリスクマネジメントに活用できるでしょう。

おすすめの口コミ分析ツール

青い背景の前で黄色の星を並べている

口コミ分析ツールには多くのサービスがあります。主要なSNSを網羅するものや特定のSNSに特化したツールなどさまざまです。

今回は、おすすめの口コミ分析ツール3選をご紹介します。

  • Social Insight
  • Hoshitorn(ホシトルン)
  • Keywordmap for SNS

それぞれ詳しく解説します。

Social Insight

Social Insightの画像

Social Insightは、日本最大のビッグデータを保有し、独自のテキスト処理で特定のキーワードやハッシュタグ、記事などを分析することが特徴です。

主要なSNSであるInstagramやTwitter、LINEに対応しており、自社と競合のSNSアカウントとの比較が一括でできるため、SNS全般の口コミ分析に活用したい方に向いているでしょう。複数のSNS投稿管理機能もあるため、予約投稿やコメントへの一元管理ができます。

Hoshitorn(ホシトルン)

Hoshitornの画像

Hoshitornは、Googleビジネスプロフィールに特化した口コミ分析ツールです。Googleマップ上にある店舗の口コミを総合的に管理し、口コミ数と評価をアップさせるさまざまな機能を搭載しています。

口コミ投稿文をAI解析し、低評価の原因を見える化してポジティブ投稿を増やし、ネガティブ投稿を抑えます。Google口コミの評価が上がることで、SEO上位表示の改善につながるでしょう。

Keywordmap for SNS

Keywordmap for SNSの画像

Keywordmap for SNSは、拡散力に優れたTwitter運用・分析のオールインワンツールです。口コミ分析や投稿予約、フォロワーやアカウントの調査・分析などの機能が搭載されています。

感情分析として「愛情・楽しみ・ニュートラル・怒り・悲しみ・恐れ」という6つの感情に分別してツイートの調査が可能です。反響を得やすいツイートの特徴がわかるでしょう。

口コミ分析ツールを選ぶポイント

白い背景にPOINTと書く男性

口コミ分析ツールを選ぶポイントは、自社の状況や今後の戦略に合った分析ツールを選ぶことです。

主要なSNS全般を分析・運用したい場合やGoogleビジネスプロフィール、Twitterなどの特定のSNSに特化した口コミ分析をするかによって、最適な分析ツールは異なります。コストが安い、有名だからなどの理由で選んでしまうと、自社が欲しい情報とマッチせずに失敗するケースもあるため注意しましょう

まとめ

スマホを手にもつたくさんの人々

今回は、SNS上の口コミを分析するメリットと顧客のリアルな声を活用する方法を解説しました。

SNS上の口コミは消費者のリアルな声がわかり、企業や店舗のマーケティングに非常に役立ちます。消費者が商品やサービスを購入する場合に84.4%の方が、インターネット上の口コミやレビューを確認することからも、口コミ分析の重要性がわかるでしょう。

SNS口コミ分析を活用することで、新商品開発やサービスの改善ができ、売上アップが可能になります。自社に合った分析方法やツールを選んで、SNS口コミ分析の効果を最大化してみてください。

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