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【病院経営者必見!】効果的な集患・集客方法について詳しく解説!
2023年08月19日更新日:2024年04月19日
病院を経営するうえで、ネットや街頭広告などでの集患・集客は切っても切り離せません。各種広告やSEO対策・MEO対策を充実させることで他院と差別化を図り、実際に大きな集客効果を上げた病院も多いです。
しかし、ホームページはあるものの更新が滞っているという病院や、SEO・MEOという単語を知っていても、具体的な対策はしていない病院も多いのではないでしょうか。
今回は、病院経営者の方に向けて、効果的な集患・集客方法を解説します。現在は既存患者で十分に経営が成り立っている病院でも、集客を怠れば患者数が減少する可能性や、既存患者が他院に流れる可能性が高まります。長期的に安定した病院経営をしていくために、ぜひ参考にしてください。
集客・集患ポイント① | 現状分析:集客・集患できない原因を知ろう
病院の集客・集患やマーケティングを強化する際にまず行うべきなのは、課題を詳細に洗い出すことです。なぜ集客がうまくいっていないかが明確でないと、今後どのように集客するのか、そのためには何をするべきかがわかりません。結局今までの方法を惰性で続けることになるでしょう。
集客・集患やマーケティングがうまくできていない原因としては「人員不足で集客・集患に専念できる人がいない」「コストをかけられない」「既存患者である程度経営が成り立っているため、集客を改善する意識が低い」などが挙げられます。ほかにもさまざまな課題が考えられるため、まずは一つひとつ課題を明確にする時間を設けましょう。
課題の洗い出し・細分化の方法
集客・集患やマーケティングの課題を洗い出すためには、まず「なぜ集客・集患やマーケティング方法を改善しなくてはならないのか」「集客・集患やマーケティング方法を見直すとどうなるのか」を共有して、関係者全体で意識を共有する必要があります。病院内のスタッフから広く意見を募ることで積極的な意見交換ができ、課題の洗い出しをスムーズに行うことができるでしょう。
課題が複数見つかった場合は、細分化を行う必要があります。課題を大まかにしか把握できていない場合や、大量の課題を一挙に解決しようとした場合、曖昧で漠然とした改善策しか生まれません。極力多くの課題を出して細分化することで「具体的にどのような改善策を講じるか」を考えやすくなります。
集客・集患のポイント② | 他院との差別化を図ろう
現状分析を行って「集客・集患できない原因」が明確になったら、具体的にどのような改善策を講じるかを考えます。重要なのは、課題改善だけでなく「差別化」も考慮することです。
課題解決だけを考えると、多くの病院が行っているオーソドックスな集客・集患方法に帰結しやすく、他院と差別化ができていないために効果が見えにくくなります。そのため、どのように課題解決をするかを考えたあとに、その解決策をどのようにアレンジして差別化を図るかを考えましょう。
差別化を図るのは非常に難しく、院内スタッフだけではよいアイデアが出ないことも多いです。よい差別化方法を思いつけば、コスト抑制や効率化など思わぬメリットに繋がることもあるでしょう。時間をかけてじっくりと考えてください。
集客・集患において差別化を図る方法
病院の集客・集患やマーケティングで差別化を図る方法として、まだ病院関係者が積極的に行っていない方法を用いることが挙げられます。
例えば、MEO対策はその代表例です。少しずつ認知度が高まっていますが、現段階で対策に力を入れれば、他院と大きな差をつけられるでしょう。
MEO対策とは、Googleマップでの検索において上位表示されるために行う対策のことです。昨今はGoogleマップの検索で病院を探す人や、口コミを見て病院を比較する人が増えているため、集客・集患方法として非常に重要なものと考えられています。
また、他業界の集客やマーケティング方法をアレンジして活用することも、差別化を図る方法のひとつです。飲食業界・アパレル業界・小売業界は特に集客においてさまざまなノウハウをもっており、インターネットでも情報を得ることができます。他業界のノウハウを盗むことも、差別化を考えるうえで行き詰まった際のブレイクスルーとして有効でしょう。
集客・集患の方法① | オフライン広告
病院の集客・集患やマーケティング方法として一般的なのは「オフライン広告」です。自院の広告を出したことがあるという方や、駅などで病院の広告を見たことがあるという方は非常に多いでしょう。オフライン広告は、多くの人に訴求できる点や、特定地域に絞って訴求できる点が魅力です。
「オフライン広告」にはさまざまな種類があり、種類によって特徴やメリット・デメリットが異なるため、病院ごとに適したものを選ぶ必要があります。かかるコストも大きく異なるため、予算に応じて選択することも重要です。
以下、オフライン広告の種類ごとの特徴を解説します。自院の抱えている課題や目指している集客形態をふまえて、最適なものを選択しましょう。
駅や街頭のポスター
駅や街頭のポスターは、その地域に住んでいる方や通勤・通学で日常的に往来する方に対して、広く訴求できるオフライン広告です。
性別・年齢層・年収・趣味趣向を問わずに訴求できるため、その地域全体での認知度を高めたい場合に適した集客・集患方法といえます。また、動画広告と比べて一目見たときの情報量が多く、興味を持っていない人にも必要最低限の情報を伝えられる点もメリットです。
テレビCM
テレビCMは、地域を問わずに幅広いターゲットに訴求できるオフライン広告です。
番組ごとに視聴者属性(年齢・性別・趣味趣向など)に偏りがあるものの、街頭ポスターや雑誌広告に比べると多くの人に訴求することができます。動画広告のため情報量が多く、YouTubeやほかのネット広告と比べてスキップされる可能性が低いことも魅力です。
雑誌・新聞広告
雑誌や新聞などの紙媒体広告は、特定の層への訴求に適したオフライン広告です。
媒体ごとに年齢層や趣味趣向が異なるため、整形外科や思春期の肌トラブルに強い皮膚科など、得意とする分野が明確な病院は特に適しているでしょう。地方紙は読者の居住地域が絞られるため、地域に根ざした医療を大切にしている病院にも適しています。
ラジオCM
ラジオCMは、読み飛ばされることやスキップされることがないオフライン広告です。
現在のラジオは視聴中にスキップできず、生放送を聴く方も比較的多いため、広告を聴いてもらいやすい集客・集患方法といえます。特に、ローカル局では病院のラジオCMを取り扱うことも多く、ローカル局でCMを流している病院も多いです。
チラシ(街頭での配布やポスティング)
チラシの街頭配布やポスティングは、メディア広告に比べて低コストで行える集客・集患方法です。訴求地域も限定できるため、効率よく認知度を高められます。
しかし、テレビCMや雑誌・新聞広告に比べると情報量が制限されることが多いです。情報量を増やそうとすると雑然とした印象になることがあるため、専門のデザイナーにデザインを依頼するとよいでしょう。
集客・集患の方法② | オンライン広告
オンライン広告とは、主にインターネットを用いて配信する広告のことです。適切に活用することで非常に多様な層に訴求することや、特定のターゲットを絞って訴求することができるため、柔軟な集客・集患が可能な方法といえます。ターゲットを絞った場合はコストを抑えられるため、予算に限りがある病院でも導入しやすいでしょう。
オンライン広告は選択肢が豊富なため、運用方法も複雑に思うかもしれません。昨今はユーザーフレンドリーな広告ツールが増加しており、広告の作成や運用をサポートする専門業者も多く存在します。
以下でオンライン広告に関する知識を深め、自院で運用するのが難しいと感じた場合は専門業者に運用を依頼することを検討してもよいでしょう。
リスティング広告
リスティング広告とは「検索連動型広告」を指し、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴をもとに、その広告に興味があると考えられるユーザーのみに絞って表示させる広告のことです。
GoogleやYahoo!の検索結果上部に表示され、即効性やコストパフォーマンスを重視する方に適したオンライン広告といえます。
SNS広告
SNS広告は、YouTube・Twitter・LINE・InstagramなどのSNSで配信する広告です。通常の投稿内容やSNSの検索結果と同じ形式で表示されるため、見てもらいやすいメリットがあります。
リスティング広告は「この病院を探している」という人に表示されるためコンバージョン率が高くなりやすいです。SNS広告は病院を探しているタイミングでなくても表示されるため、コンバージョン率はリスティング広告ほど高くなりにくい傾向があります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやメディアサイト、ブログなどに表示される広告です。表示させるユーザーを指定するリターゲティング配信、インタレスト配信、配信サイトを選択するプレースメント配信などさまざまな種類があり、リスティング広告に似た特性をもつオンライン広告といえます。
画像だけでなく動画やさまざまなサイズを選択できるため、多くの情報を伝えたい病院に適しているでしょう。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは「成果報酬型広告」のことで、アフィリエイト業者が運営するブログやメディアサイトに広告を掲載してもらい、成約に繋がったら報酬を支払う広告です。成果報酬型のため費用対効果が高いことが魅力です。
しかし、広告掲載主(アフィリエイター)は広告業者(ASP)のサイトから扱う広告を選んで掲載するため、自院の広告が選ばれない場合や、掲載してもらえる媒体が極端に少なくなる場合もあります。
集客・集患の方法③ | 広告以外の手法
広告を利用しなくても、集客や集患は行えます。
しかし、広告より集客・集患コストが安い方法では、競合が多く効果が得にくい場合があるため注意が必要です。以下のような手法と広告を組み合わせることで大きな効果を発揮するでしょう。
どのような手法があるかを把握し、ほかの手法と組み合わせて集客・集患を行いましょう。
SEO対策(ホームページ運営)
まず行うべきなのは、ホームページの運営です。例えば、東京にある歯科医院のホームページが「東京 ホワイトニング」「東京 歯列矯正 おすすめ」などのキーワードで検索結果の上位に表示されると、多くの人に来院してもらえる可能性があります。
特定のキーワードで検索上位に表示されるよう行うのが、SEO対策です。具体的には、コンテンツの執筆・投稿やサイトの技術的な最適化(モバイル対応・読み込み速度の改善など)を行い、GoogleやYahoo!の検索エンジンから高く評価してもらえるように対策します。
MEO対策
MEO対策とは、GoogleマップやYahoo!地図などの検索において上位を獲得する対策です。Googleマップにおける上位表示の獲得を意味する場合が多いです。
Googleビジネスプロフィールを活用して掲載している内容を充実させ、口コミへの対応を行い、信頼度を高めます。SEO対策に比べて対策できる範囲に限りがありますが、SNSの運用やホームページの運営などとあわせて活用すれば、大きな集客・集患効果を発揮できるでしょう。
SNSアカウント運用
SNSアカウントの運用は、低予算で効果的に集客・集患できる手法の一つです。多くのSNSは無料で利用可能で、定期的なコンテンツ投稿や、フォロワーとの信頼関係構築などを行えば、より多くの人が来店・来院してくれます。
病院の場合は、Twitter・Instagram・Facebook・YouTubeを活用するケースが多いです。各SNSの特徴を把握し、ユーザーにあわせたコンテンツを投稿することで、高い知名度と評価を得られるでしょう。
ポータルサイトへの掲載
ポータルサイトとは、何らかの情報がまとめられた、情報の入り口となるようなサイトです。「Google」や「Yahoo!」のような検索型・総合型のポータルサイトのほか、「EPARK」や「病院なび」「マイクリニック」のような専門型のポータルサイトもあります。
医療関係のポータルサイトに自院情報を掲載することで、情報を求めている人や病院を探している人に絞って効果的にアプローチできます。掲載料が必要ですが、掲載順位が上位であれば多くの人が来院するきっかけになるでしょう。
次回予約の徹底
次回の予約を取ることを徹底することで、患者数のベースを増やせます。集客・集患効果が出にくい時期があっても、一定の患者数が確保されていれば、より安定した経営が続けられるでしょう。
次回予約を徹底するには、医師が治療計画を明確に説明することが非常に重要です。患者の悩みに対して、どのくらいの期間でどのような治療をするのか、次に来院した際にはどのような治療をするかを明確に説明しましょう。患者の再来院の意欲を高められます。
治療の見通しが不透明だと不安を感じやすく、他院に移る可能性が高まるので注意しましょう。
病院が効果的に集客・集患を行うためのポイント
病院が効果的に集客・集患を行うためには、いくつかのポイントがあります。手法だけを知っていても、ポイントを押さえていないと効果が出にくく、本来必要のない予算が増える可能性もあるので注意しましょう。
以下、病院が効果的に集客・集患を行うためのポイントを5つご紹介します。
費用対効果を考える
どれだけ効果のある集客・集患方法であっても、費用が高すぎると意味がありません。対策によって得られる売上を、対策費用が上回る可能性が高いためです。集客・集患対策を行う際は、必ず費用対効果を考慮して導入すべきか考えましょう。
ただし、SEO対策やMEO対策などは、対策をスタートしてから効果が出るまでに最低数か月ほどかかります。継続して対策しないと効果が出ない対策も多くあるため、売上が伸びないからとすぐに中止しないでください。
競合調査を行う
競合調査を行うことも、集客・集患を行うために非常に大切です。同じ地域にどのような医院があるかを把握していなければ自院の立ち位置を掴めず、効果的な集客・集患方法も考えられません。
競合調査をする際は、ただ医院の場所や規模を調べるだけでなく、オンライン・オフラインの双方でどのような集客・集患をしているか調べましょう。競合が行っている手法を調べれば、差別化しやすくなります。
また、同じ地域にある医院だけでなく、検索結果において自院よりも上位に表示される「オンライン上の競合」も調査しましょう。オンライン上の競合についても、どのような手法で集客・集患しているか調べれば、自院の手法をアップデートする、差別化するなどに役立ちます。
他院との差別化を図る
競合分析を行ったら、他院との差別化を図りましょう。設備を拡充する、サービス料金を変更するなど、差別化するポイントは多岐にわたります。既存サービスの利点を活かしたうえで行える工夫を探してください。
オンライン上の競合と差別化を図る際は、競合が行っている施策と、ユーザーのニーズをそれぞれ把握しましょう。ニーズがあるのに競合がカバーできていない部分が見つかれば、集客・集患するための大きなチャンスになります。
患者の満足度を高め、リピート率を向上させる
患者の満足度を高めることも、集客・集患を行う際のポイントです。患者の満足度が低いと、集客・集患コストがかかり続けます。一度獲得した患者を逃さず、長く利用してもらうために、患者の満足度を高めましょう。
満足度を高めるには、まずアンケート調査を実施して患者の意見を集めることが重要です。スタッフや医師の視点だけでは気づかない部分があります。患者の声を聞いて経営に活かすことで、患者との信頼関係が強固になり、満足度が向上するでしょう。
スタッフの負担を考慮し、外注を検討する
満足度向上のためには、スタッフのモチベーションも非常に大切です。集客・集患対策が好調でも、スタッフの負担が大きすぎるとサービスの品質の低下を引き起こします。増加する患者にうまく対応できず、ミスが増える可能性もあるでしょう。
サービスの品質を向上させながら満足度も高めるには、集客・集患対策においてスタッフに負担がかかりすぎないよう工夫しなくてはなりません。SEO対策やSNSアカウントの運用などを、専門会社に依頼することも検討しましょう。コストはかかりますが、専門の会社に依頼すれば効率よく集客・集患対策を行えます。
病院が集客・集患をする際の注意点
医療関係の広告には「医療広告ガイドライン」が存在し、違反しているものは行政処分の対象となります。広告作成や運用をする際は注意が必要です。規制の対象者には、広告の出稿主や作成主はもちろん、掲載したサイトの運営主なども含まれることが明記されています。ガイドラインに違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるのです。
厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」では、以下のように記載されています。
「広告媒体との関係 広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、テレビ、出版等の業務に携わる者及びアフィリエイターは、依頼を受けて広告依頼者の責任により作成又は作成された広告を掲載、放送等するに当たっては、当該広告の内容が虚偽誇大なもの等、法や本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった場合には、広告依頼者とともに法や本指針による指導等の対象となり得るものである。」
引用元:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」
上記のとおり、自院関係者以外のさまざまな方が指導対象となる恐れがあります。ガイドラインに違反せず、見た人に有益な広告を作成できるように意識しましょう。
医療広告ガイドラインで禁止されている広告は、以下の8種類です。
- 広告が可能とされていない事項の広告
- 内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)
- 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)
- 誇大な広告(誇大広告)
- 患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談
- 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等
- 公序良俗に反する内容の広告
- その他 (ア)品位を損ねる内容の広告 (イ)他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告
今回は、1〜5に絞って解説します。これから広告作成を行う予定の方は、ぜひ参考にしてください。
広告に記載可能な事項を把握する
医療広告に掲載することができない内容は、ガイドラインで明確に定義されています。
例えば、専門外来についての内容や死亡率・術後生存率等についての内容、未承認医薬品に関する記載はガイドライン上掲載できません。専門外来は、糖尿病や花粉症など特定の治療や検査を外来患者に行えるという内容は掲載可能です。
虚偽の内容を記載しない
「絶対に安全」などの広告や、加工・修正した画像を用いた広告は「虚偽広告」にあたり、処罰の対象になります。処置後の経過観察が必要であるにも関わらず「1日ですべての治療が終わります」などの内容を記載することもやめてください。虚偽広告扱いとなるため注意しましょう。
「ほかの病院よりも優れている」という表現はしない
「県内トップの病院」や「日本一の実績がある」など、ほかの病院と比較して自院が優れているという表現の広告(比較有料広告)は禁止されています。
医療広告ガイドラインには、以下の具体例が示されています。
- 広告規制の対象範囲:暗示的又は間接的な表現の扱い、病院等のウェブサイトのURLやEメールアドレス等によるもの
【具体例】
nolhospi@xxx.or.jp 「nolhospi」の文字は「No.1Hospital」を連想させ、日本一の病院である旨を暗示している。「日本一」等は比較優良広告に該当するものであり、認められない。
- 禁止される広告について:他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)
【具体例】
- 肝臓がんの治療では、日本有数の実績を有する病院です
- 当院は県内一の医師数を誇ります
- 本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております
- 芸能プロダクションと提携しています
- 著名人も○○医師を推薦しています
- 著名人も当院で治療を受けております
引用元:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」
「日本有数」「県内一」「最高の医療」のような表現のほか、URLやEメールアドレスに「日本一」を暗示させる表現を用いることも認められないと明記されているのです。「自院は他院よりも優れている」という表現を広告に用いることはできません。
極端に誇張した内容を用いて広告を作成しない
活動実態のない団体名を使って「〇〇学会認定病院・医師」などの表現をした場合や、根拠なく「安全な手術」という文言を使った場合は「誇大広告」に該当し、ガイドライン違反となります。
病院を開設するにあたって必須である都道府県の許可を「知事公認の病院」などと表現することも、誇大広告に該当します。医師の人数が実態とは乖離している場合や、地域医療の中枢的な役割を担っていないのに「〇〇センター」と表記することも指導対象となるので、注意しましょう。
患者の体験談や口コミを使った広告を作成しない
患者ごとに感じることや経過状況は異なるため、誤解を与える可能性があります。そのため、患者の体験談や口コミは、広告に使用してはいけません。
口コミサイトは誘因性がないことから広告に該当しませんが、病院側に便宜を図ってよい口コミを掲載していた場合は処分対象になる恐れがあります。
まとめ
病院の集患・集客方法は多様化しています。新しい方法を取り入れながら効果的にマーケティングを行い、よい経営状態を維持している病院も多いです。
しかし、多様化した方法に対応しきれず従来の方法を続けた結果、集客がうまくいかなくなった病院もあります。今後うまく集客できない病院は増加することが予想されるでしょう。
美容整形などのニーズが増加し、競争が激化している分野もありますが、美容医療に関する相談件数も増加しています。医療業界全体として、ガイドラインに遵守した広告作成・運用が求められます。
医療ガイドラインを再度確認し、患者様にとって有益な広告を配信できるように努めましょう。