近年、商品・サービスを購入する前にインターネットを利用してさまざまな情報を収集するユーザーが増えているので、中小企業もインターネットを活用した集客(SEO対策)を行っていく必要があります。
この記事では、中小企業のSEO対策について徹底解説します。ぜひ参考にしていただき、自社のオウンドメディア運営にお役立てください。
SEO対策とは?

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化という意味で、Googleの検索結果で自社サイトを上位に表示させるための施策のことを指します。企業が行うSEO対策の目的は、認知度アップ・商品購入などに繋げることです。現在、多くの企業が自社サイト(オウンドメディア)でSEO対策を施したコンテンツ制作に力を入れています。
中小企業のSEO対策の重要性

インターネット・スマートフォンの普及により、商品・サービスを購入する前に、Webサイトから情報を収集するユーザーが増加傾向にあります。そのため、自社のターゲットユーザーが調べそうなキーワードで自社のサイトが上位表示していると、購買に直結しやすいです。
例えば、「ニキビ 治し方 男」というキーワードで上位表示しているサイトは「製薬会社」「ニキビ専門のクリニック」です。ニキビの治し方について詳しく書かれたコンテンツの中に、自社の商品やクリニックの案内があれば集客・購買に繋がりやすいといえます。
さまざまな商品・サービスが溢れているなかで競合との差別化を図るには、Webコンテンツからの集客が「必須」となっています。
中小企業のSEO対策のメリット

中小企業がSEO対策を行うメリットは以下のとおりです。
- 認知度拡大が見込める
- 購買意欲の高いユーザーを集客できる
- 長期的に見ると低コストである
- サイトが資産となる
それぞれ詳しく解説していきます。
認知度拡大が見込める
キーワードには、それぞれ1か月の内に検索される「検索ボリューム」という指標があります。
検索ボリュームの多いキーワードで上位表示すれば、それだけ多くのユーザーの目に触れることになるので、認知度拡大が見込めます。もちろん、検索ボリュームの多いキーワードほどライバルが多い傾向にありますが、地道にコンテンツの制作やSEO対策を行っていけばライバルに勝てるキーワードはたくさんあるので、挑戦する価値は十分にあります。
購買意欲の高いユーザーを集客できる
マーケティング業界では、ユーザーが購買行動を起こすまでに、Attention(認知・注意)→Interest(興味・関心)→Search(検索)→Action(行動・購買)→Share(共有)のプロセスを辿るといわれています。
- テレビやYouTubeで商品の存在を「認知」する
- 認知した商品を、自分に関係のあるものとして「興味・関心」をもつ
- 「興味・関心」をもった商品について「検索」し、情報を収集する
- 自分に必要であると判断した商品に対して「行動」「購入」する
- 商品に満足したら、感想などをブログやSNSで「共有」する
商品を購入する前に商品についての検索行動(情報収集)を行うユーザーが多いため、自社のターゲットユーザーが検索しそうなキーワードで上位表示することで、購買意欲の高いユーザーを集客できます。
長期的にみると低コストである
ユーザーが検索したキーワードに合わせて広告を表示させるリスティング広告は、基本的にユーザーが広告をクリックした際に費用が発生します。効果が高い分、継続的にコストがかかり続けます。
しかし、SEO対策で上位表示すれば何度クリックされても費用は一切かかりません。SEO対策は多くの労力・時間をかける必要がありますが、上位表示すれば定期的なメンテナンスのみで、長期的に集客が可能です。
サイトが資産となる
SEO対策を意識してコツコツと作り上げたコンテンツは、そのままサイトの資産となります。サイトはドメイン代の更新を行っていれば、自身で削除しない限りはずっと残り続けるからです。
また、ユーザーの検索意図を満たした有益なコンテンツを追加し続けることで、サイトのSEO評価(ドメインパワー)も上がり続け、上位表示にさらに優位に働きます。かけた労力がその場限りで終わらず、集客のための資産として残り続ける点は大きなメリットといえます。
中小企業のSEO対策方法と成功させるポイント

中小企業のSEO対策方法、成功させるポイントは以下のとおりです。
- 専門性を高める(Expertise)
- 権威性を高める(Authoritativeness)
- 信頼性を高める(Trustworthiness)
- キーワード選定を徹底する
- 内部対策を徹底する
SEO対策にかかせない「E-A-T」について把握しておきましょう。E-A-Tとは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取ったもので、Googleが検索順位を決めるうえで重要視している指標です。
まず、これら3つの重要指標について解説し、その他SEO対策に必要なポイントについて詳しく解説していきます。
専門性を高める(Expertise)
専門性の基準は、その名のとおりコンテンツの内容が専門的に述べられているかを指します。
専門性を高める方法は以下のとおりです。
- ジャンルを絞る(特化する)
- 専門的な情報を網羅する
例えば「ペット商品の製造・販売」を行っている企業のサイトで「美容」や「筋トレ」に関するコンテンツが複数あると、ペット商品を探しているユーザーが混乱してしまいます。
Googleは「ユーザーファースト」に重きを置いているので、ユーザーにとって不便なサイトはGoogleからの評価(検索順位)も低くなります。サイトを制作する際は、ジャンルに特化することを心がけましょう。また、特化したジャンルに関する専門的なコンテンツを制作することも大切です。ペット商品を販売している企業であれば、ペットに関する専門的なコンテンツを制作しましょう。
権威性を高める(Authoritativeness)
権威性とは、価値のあるコンテンツであると第三者が評価しているかの指標です。Webサイトにおける権威性は、基本的に第三者からの「被リンク」によって判断されます。
しかし、ただ闇雲にリンクを集めるだけでは、権威性を高めることはできません。質の低いサイトからの被リンクや自作自演の被リンクを集めても権威性は得られず、Googleからペナルティを受け、検索順位が下がるリスクもあります。そのため、被リンクは信頼できるサイトからの良質な被リンク(ナチュラルリンク)を集めるようにしましょう。
被リンクのチェックはGoogleが無料で提供しているツール「Googleサーチコンソール」や有料ツールの「Ubersuggest」で確認できます。これらのツールに関しては、後ほど詳しく解説します。
良質な被リンクを集める方法
良質な被リンクを集める方法は以下のとおりです。
- 検索意図に沿った良質なコンテンツを制作する
- 一次情報を含める
- サイトにシェアボタンを設置する
- 業界の著名人による寄稿や対談記事を追加する
- SNSで拡散する
- メルマガの配信を行う
良質な被リンクを集めるための大前提は「検索意図に沿った価値のあるコンテンツを制作すること」です。第三者が「シェア」「引用」したくなるような価値のあるコンテンツでなければ、リンクは貼ってもらえません。
ユーザーファーストの意識をもってコンテンツを制作したうえで、SNSでの拡散やメルマガの配信などの施策を行っていきましょう。
信頼性を高める(Trustworthiness)
信頼性とは、コンテンツの内容や運営者が信頼できるかどうかを示す指標です。Webサイトを運営している企業の詳細・個人情報保護方針・お問い合わせフォームを設置することから始めましょう。
具体的には以下の項目を掲載しておくことをおすすめします。
- 会社名(正式名称)
- 事業内容
- 企業理念
- 代表取締役
- 営業時間や休日
- 本社所在地と電話番号
- サービスや商品の紹介
- 採用情報
- 社員紹介
- お問い合わせフォーム
- 個人情報保護方針
- よくある質問(FAQ)
これらの情報を掲載することで、Googleからの評価があがるだけでなく、訪れたユーザーに安心感を与えられます。「このサイトは安心できる」と思ってもらえれば、ユーザーの購買意欲を促進できます。
また、情報の鮮度にも注意する必要があります。古い情報(誤った情報)を掲載していると、ユーザーに多大な迷惑をかける可能性があるからです。例えば、休日の情報に誤りがあり、遠方から訪れたユーザーが店舗を利用できなかったとなるとサイト(企業)の信頼はガタ落ちです。サイトに掲載されている情報に誤りがないか、定期的にチェックしましょう。
キーワード選定を徹底する
コンテンツを制作する前に、目標とする「キーワード」を必ず決めましょう。
キーワード選定を行う際の重要なポイントは以下の4つです。
- 自社サイトに関連するキーワードを選ぶ
- 自社のターゲットが検索しそうなキーワードを選ぶ
- 実際に検索されているキーワードを選ぶ
- 競合に勝てそうなキーワードを選ぶ
自社サイトに関連するキーワードを選ぶことは、前項で解説した「専門性」に繋がりますので、必ず守りましょう。
また、自社のターゲットが検索しそうなキーワードを選ぶとなお良いです。注意点としては、自社サイトに関連するキーワードであっても、全く検索されていないキーワードを選んでしまうと上位表示に成功しても誰もサイトに訪れないため、必ず検索需要(検索ボリューム)のあるキーワードを選びましょう。
検索需要(検索ボリューム)を調査するには、Googleが無料で提供しているツール「Googleサーチコンソール」や有料ツールの「Ubersuggest」で確認できます。これらのツールでキーワードの候補をいくつかピックアップしたら、実際にGoogleの検索窓でピックアップしたキーワードを検索してみましょう。検索ボリュームの多いキーワードほど競合が多い(強い)ので、自社サイトのクオリティやドメインパワーで勝てそうなキーワードを選ぶことが大切です。ドメインパワーは先ほど紹介した「Ubersuggest」で確認できます。
内部対策を徹底する
SEO対策には大きく分けて「外部対策」と「内部対策」があります。
外部対策は、前項で解説した「被リンク獲得」に対する対策のことを指します。一方「内部対策」は、自サイトの内部で行うSEO対策を指します。外部対策は第三者の協力を必要としますが、内部対策は自身で行える対策だけなので、すぐに行えます。
内部対策の主な内容は以下のとおりです。
- XMLサイトマップを活用する
- 内部リンクを最適化する
- パンくずリストを設置する
- SSLを適用する
- 見出しタグを適切に使う
- 重複コンテンツに気をつける
- altタグによる画像の説明を行う
- ページの表示速度を速くする
- タイトルにキーワードを含ませる
- メタディスクリプションを最適化する
このほかにも枝葉のテクニックはたくさんありますが、まずは上記の基本的な内部対策から行っていきましょう。基本的な内部対策を行うことで、検索エンジンにコンテンツの内容を正しく伝えられます。
サイト運営に役立つツールを導入する
サイト運営(SEO対策)を効率的に行っていくには、ツールが必須です。
SEO対策におすすめのツールについて3つご紹介します。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
- Ubersuggest
それぞれ詳しく解説していきます。
Googleアナリティクス

Googleアナリティクスとは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールで、主に以下のデータを解析できます。
- ユーザー数
- セッション数
- ページビュー数
- 平均セッション時間
- デバイス
- ユーザーの属性(年齢・性別・地域など)
- 直帰率
- 新規とリピーター
Googleアナリティクスはご覧の通り、サイトに訪れたユーザーの情報・行動を可視化できるツールです。
Googleサーチコンソール

GoogleサーチコンソールもGoogleが無料で提供している分析ツールで、主に以下の分析が可能です。
- キーワードの検索順位
- キーワードの表示回数
- キーワードのクリック数やクリック率
- ページのインデックス状況
- エラーやペナルティの有無
これらのデータは、SEO対策を行っていくうえで必須です。また、作成したコンテンツのインデックスを促進することもできます。
Ubersuggest

Ubersuggestとは、アメリカの有名なデジタルマーケタのニール・パテル氏が開発・提供しているSEOツールで月額2,999円から利用できます。
Ubersuggestでは主に以下の調査が可能です。
- キーワードの検索ボリューム
- キーワードのSEO難易度
- キーワードのサジェスト、候補の抽出
- 被リンク数、被リンク元
- ドメインパワー
Ubersuggestは有料ツールとなりますが、効率的にキーワード選定ができるようになるので、ぜひ導入したいツールです。
まとめ

この記事では中小企業のSEO対策の重要性・対策の方法などについて詳しく解説してきました。
今やインターネットを活用した集客は、企業規模の大きさに関わらず必須といえる時代になりました。SEO対策は効果が出るまでに時間はかかりますが、価値あるコンテンツを積み重ねていけば必ず成果は現れます。本記事を参考に、自社オウンドメディアのSEO対策を積極的に行っていきましょう。