InstagramやTwitterのようなSNSは、今やネットユーザーであれば使わない人はいないといっても過言ではないほどの広まりを見せています。誰でも気軽に投稿でき、ほかのユーザーとつながれることが最大の魅力で、日常の何気ないつぶやきや趣味の話を通じたコミュニティ作りに活用されています。
さらに現在では、SNSから収益を得る方法が多様化しており「SNS副業」を始める人も増えています。SNS副業にはどのような種類があるのでしょうか。また、どれくらいの収入を得ることができるのでしょうか。
今回の記事ではSNS副業の方法や注意点についてご紹介します。
SNS副業とは?

SNS副業とは、読んで字のごとくSNSを利用して副収入を得る活動を指します。
Instagram・Twitter・YouTubeといったSNSのアクティブユーザーは増加の一途を辿っており、その投稿数の多さや拡散力の高さから、今やSNSはテレビコマーシャルやWebサイトを超える高い宣伝効果があるといっても過言ではありません。そうしたニーズを受け、SNSもビジネスに活用できる機能の導入が進んでおり、SNSで収入を得る方法も多様化しています。
本業のかたわら、隙間時間でできる方法も多いことから、SNSで副収入を得るSNS副業は今後ますます活発化すると考えられます。
どんな方法でSNSを使うと収入につながるの?

それでは、SNSを利用して収入につなげる主な方法をご紹介します。
アフィリエイト
アフィリエイト広告は「成果報酬型広告」とも呼ばれるもので、Webサイト・ブログ・SNSで商品やサービスの宣伝をし、そこから売れた分だけ報酬を得ることができます。一般的には、広告主の企業がASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)にリンクや広告を卸し、ASPに登録しているアフィリエイターが広告を選んで自分のサイト・ブログ・SNSに掲載するという流れになっています。
SNSでアフィリエイトを行う方法としては、直接SNSで宣伝をするパターンと、SNSは集客の手段として利用しブログに誘導して宣伝を行なうパターンがあります。ASPごとにさまざまな規約があり、違反するとアカウント凍結などのリスクがありますので、アフィリエイトを始める前にはその仕組みやルールをしっかり確認するようにしましょう。
動画配信
YouTubeやTikTokといった動画配信系のSNSで動画を配信し、それによって収入を得る方法です。収益を得る方法としては主に以下のようなものがあります。
【1】アドセンス広告
YouTubeでは自分の動画に広告を入れることができます。正確な情報は非公開とされていますが、1再生につき0.1~0.25円の広告収入が発生するといわれています。月に4本動画を公開しそれぞれ10万回再生された場合、4~10万円の収入となり、副収入としてはかなり満足のいくものとなるでしょう。
【2】投げ銭
「投げ銭」とは、ライブ投影の際にユーザーからお金をもらえるシステムです。ユーザーが課金アイテムを購入し、その金額を受け取るという形式が一般的です。広告収入とは異なり、自分の動画を気に入ってくれたユーザーが直接お金を払ってくれるため、人気が出れば一度に稼ぐことができます。
【3】PR案件やインフルエンサーとしての活動
企業の依頼により商品やサービスを紹介して収入を得る方法です。詳しくは各項目で解説します。
【4】その他
YouTubeでは、YouTube パートナープログラムに参加することで、さまざまな収益化機能を利用することができます。詳細は後ほどご紹介します。
PR案件
SNSである程度フォロワー数が増えると、企業からPR広告の案件依頼が来る場合があります。自身のSNSで商品やサービスを紹介することで報酬を得ることができます。フォロワー数が増え影響力が上がるほど、PR案件の依頼数や報酬が上がります。
インフルエンサーとしての活動
インフルエンサーとは、SNSにおいてユーザーに大きな影響を与える人物を指します。現在では、インフルエンサーとして事務所に所属することで、投稿するだけで報酬を得ることも可能です。企業から依頼が来た時の対応・スケジュールリング・アンチや炎上への対応も事務所がおこなうため、効率よく活動することができます。
ネットショップの集客
副業としてネットショップをおこなう際、集客ツールとしてSNSを活用することも可能です。方法としては、SNSに商品の写真や情報を掲載しECサイトに誘導するのが一般的です。タイムリーな情報を流すことができ、話題になればユーザーによって拡散されるため、顧客開拓に便利です。
特にInstagramでは、商品詳細ページにジャンプ可能な「ショッピング機能」が搭載されたことから、Webサイトやブログを持たず、Instagramだけでネットショップを運営する人も増えています。
コンテンツ販売
自作のテキスト・イラスト・写真・動画などをデジタル化してWeb上で販売して報酬を得る方法もあります。ブログのように情報発信や交流ができるSNS「note」ではコンテンツの販売が可能であるため、副収入を得る手段として人気が高まっています。
InstagramやTwitterのようなほかのSNSでもコンテンツ販売をおこなうことはできなくはないですが、個人取引はトラブルが起こる危険性が高いためおすすめできません。SNS自体に販売機能がない場合はコンテンツの宣伝にとどめ、SNSからコンテンツ販売のプラットフォームに誘導して、そこで販売した方が安全です。
SNSの運用代行
SNSを利用したブランディングや商品・サービスの紹介を行う企業も増えています。その運用代行を請け負うのがSNS代行です。クライアントである企業が定めた投稿ルール(ターゲット・テーマ・更新頻度など)に沿って投稿を行うことで、報酬を得ることができます。
副業に向いているSNSとは?

SNSと一口にいっても、それぞれに投稿できるコンテンツ・機能・ターゲット層はさまざまです。副業としてSNSを利用する場合には、どのSNSを選べばよいのでしょうか。副業向きのSNSをご紹介します。
YouTube
「SNS副業」と聞くと、まず思い浮かべるのがYouTubeかもしれません。自身のチャンネルを持ち、動画を投稿したり企業PRを行なったりして収入を得る「YouTuber」は、今や子供が将来なりたい職業にランクインするほど認知度の高いものになっています。YouTubeで収益を得るためには、YouTubeパートナー プログラムに参加する必要があります。
その要件と利用できる機能は以下の通りです。
YouTube パートナー プログラムの利用資格
- すべてのYouTubeのチャンネル収益化ポリシーを遵守している
- YouTubeパートナー プログラムを利用可能な国や地域に居住している
- チャンネルに有効なコミュニティ ガイドラインの違反警告がない
- 有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上である
- チャンネル登録者数が 1,000 人以上である
- リンクされているAdSenseアカウントを持っている
YouTube パートナー プログラムで利用できる収益機能
内容 | 要件 | |
---|---|---|
広告収入 | ・ディスプレイ広告 ・オーバーレイ広告 ・動画広告から広告収益を得る |
・18歳以上である、またはAdSense経由での支払いに対応可能な18歳以上の法的保護者がいる ・広告掲載に適したコンテンツのガイドラインに準拠したコンテンツを作成している |
チャンネルメンバーシップ | メンバーに対し、月額料金を徴収して特典を提供する | ・18歳以上である ・チャンネル登録者数が1,000人以上である |
グッズ紹介 | 動画再生ページで公式ブランドグッズを紹介し、ユーザーに販売する | ・18歳以上である ・チャンネル登録者数が1万人以上である |
Super ChatとSuper Stickers | チャットストリーム内でファンが発言する時、料金を支払って自分のメッセージを目立たせることができる | ・18歳以上である ・Super Chatを利用できる国や地域に居住している |
YouTube Premiumの収益 | YouTube Premiumユーザーがコンテンツを視聴した場合、その利用料金の一部を得られる | ・YouTube Premiumユーザーに視聴されるコンテンツを作成している |
上記のように、YouTubeで収益を得るにはフォロワー数と投稿数の確保が求められるため、収益を得るには長期的な運用が必要不可欠です。ハードルはやや高めですが、自分の得意とするジャンルや他のユーザーが興味を持ちそうな生活・経験をしているのであれば、動画制作や投稿を楽しみながら収益を得ることができます。
SNS副業としてはメジャーであることからノウハウを学べる場も多く、その点では取組みやすい方法であるといえます。
参照元:YouTubeヘルプ YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格
参照元:YouTubeヘルプ YouTube で収益を得るには
Instagramは、2014年2月より日本語アカウントが開設されてからユーザー数が爆発的に増え、アクティブユーザーは3,300万人にも達しています(2019年3月時点)。特にトレンドに敏感な若い女性の利用率が高く、ビジネスツールとしても活発に利用されています。
Instagramで収益を得る方法としては、アフィリエイト・PR案件・商品販売などが挙げられます。特に商品販売については、先述の「ショッピング機能」により利便性が増しています。ショッピング機能とは、投稿内で商品名や価格などのタグ付けができ、リンクされた商品詳細ページに遷移できるというもので、投稿上で商品情報をチェックし、気になった商品の購入ページに直接アクセスできるため、購入動機の向上につながります。
Twitterは、文字数が少なく、気軽につぶやける点が大きな特長です。そのためブログより難易度が低く、かつてはTwitterのアフィリエイトで副収入を得るユーザーが多く見られました。現在ではASPの多くがTwitterへのアフィリエイトリンクの投稿自体を規約で禁じているため、副業としての利用はしづらくなっています。
しかし、文字数が少ないことから、隙間時間で副収入を得る手段としていまだ活用の余地を残しています。そのひとつが運用代行です。まずは個人的なTwitter運用を行い投稿に慣れるとともに、バズった投稿や炎上した投稿をチェックし傾向をつかんでおきましょう。Twitterに関する知識や経験は、案件を取る際の強力なアピールポイントになります。
TikTok
TikTokは、15~60秒の短尺動画に特化した動画配信系のSNSです。気軽に動画を投稿できることから特に10~20代の若い世代を中心に人気を集めています。 2021年1月より、TikTokに「ギフティング機能」が導入されました。これはいわゆる「投げ銭」システムで、視聴者がTikTok上でコインを購入し、応援したいクリエイターにギフトとして送るというものです。クリエイターは受け取ったギフトのポイントに応じ、収益を得ることができます。
先ほどご紹介したとおり、YouTubeの場合は、ある程度チャンネル登録者数が確保できなければ収益化はできません。一方、TikTokは20歳以上であれば誰でもギフティング機能を利用できるため、収益化のハードルは低めです。
ギフティング機能以外にも、インフルエンサーとして商材を紹介するYouTubeチャンネルに誘導して広告収入を得る、SNSアカウントに誘導して商材を購入してもらうなど収益化の方法はさまざまです。やや飽和状態であるYouTubeと比較すると、比較的参入しやすい今が狙い目のSNSであるといえます。
note
noteでは自分のコンテンツを有料販売することができます(無料公開も可能)。記事自体を収益化できるためダイレクトに収入を得られます。記事ごとに好きな価格(無料プランの場合、税込100円~10,000円の範囲)を設定できるほか、複数の記事をまとめ売りしたり月額制でコンテンツを販売したりもできるなど、さまざまな販売方法を試すことができます。それに加え、クリエイターサポート機能により、読者から寄付を受け取ることもできます。TikTokの「投げ銭」に近いものと考えるとよいでしょう。
好きなジャンルや話したい体験などがあり、文章をこつこつ書くのが好きな方におすすめのツールです。
SNS副業ではフォロワー数が重要

SNS副業で収益を増やすためには、フォロワー数を増やすことが重要です。アフィリエイトによる収入はフォロワー数に比例しますし、PR案件やYouTubeパートナープログラムはフォロワー数(チャンネル登録者数)が一定数に達していないと始めることすらできません。
まずはユーザーが興味を持つようなコンテンツを投稿し、ユーザーとのコミュニケーションを通じて自身のアカウントのブランディングやファン獲得に努めましょう。そのためにも自身の強みや得意とするジャンルを活かし、楽しみながら投稿を行っていくことが重要です。
SNS副業の収入はどれくらい?

SNS副業をおこなうことによる収入は、ツール・手法・フォロワー数などによって大きく異なります。参考として、Instagramにおけるアフィリエイト・PR案件・YouTubeチャンネル運用による広告収入の目安をご紹介します。
Instagramのアフィリエイト収入
商品購入・サービス利用で報酬が発生し、1件当たり数百~数万円の報酬を受け取ることができます。例えば1件当たり500円、20件成立すると収入は1万円になります。
InstagramのPR案件の収入
企業からインスタグラマーに支払われる報酬は、1フォロワー当たり1円が相場です。フォロワーが3万人いるインスタグラマーが月2件PR案件を受けた場合、月収は6万円になります。単価はインスタグラマーによって異なり、影響力のあるインスタグラマーであれば、1投稿で100万円以上の収入が得られることもあるようです。
YouTubeチャンネル運用
YouTubeチャンネル運用の収益はジャンル・投稿数・視聴回数・広告の種類や数によって大きく異なりますが、目安としては1再生当たり0.1~3円程度であるといわれています。月に10回投稿し、それぞれの視聴回数が10万回、1再生当たりの収入が0.3円とすると、月収は3万円という計算になります。
まとめ

SNS副業の方法と注意点についてご紹介しました。SNS副業は初期投資額がほとんどかからず、隙間時間でできる点が魅力です。
しかし、まとまった収入を得るためには、ある程度フォロワー数を増やさなくてはならず、ユーザーの心をつかむ投稿を地道に続ける必要があります。SNS副業を始める際には運用目的やポリシーを明確にし、一貫性のある活動を行うことが重要です。また、「仕事」だからと気負うのではなく、自分の好きなジャンルで楽しみながら取り組むことを忘れないようにしましょう。
※本記事はSNS副業を推奨するものではありません。SNS副業を始める際は、ご自身でよくご検討のうえ、自己責任で行うようにしてください。