YouTubeでBtoBマーケティングを成功させるためのポイントと活用方法を解説!

手のひらに浮かぶたくさんの映像

BtoBマーケティングにYouTubeを活用する企業が増えているのをご存じでしょうか。YouTubeは、BtoCマーケティングに活用するものというイメージがあるかもしれませんが、使い方を工夫すればBtoBマーケティングにおいても大きな効果を発揮します。

今回は、BtoBマーケティングでYouTubeを活用するポイントや、活用方法、活用事例などをご紹介します。

BtoBマーケティングとは?

パソコンとスマホで動画を見る男性

BtoBは「Business to Business」の略で、BtoBマーケティングは企業(Business)に対してサービスや製品を売る仕組みを作ることです。まずBtoB(B2B)は、企業間取引を意味します。マーケティングは、商品やサービスが売れる仕組みを作ることを指し、ブランディングや広告宣伝、市場調査などの取り組み全般を意味する言葉です。

法人向けの製品やサービスを提供している企業が、自社サービスをよりスムーズに販売できるような仕組みを作ることがBtoBマーケティングです。

BtoCマーケティングとの違い

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングは、誰に対して施策を講じるかが異なります。BtoBは企業に対して行うので、市場調査やブランディング、広告宣伝などの施策も企業向けになるでしょう。企業を訪問して営業を行うことや、ホワイトペーパーを活用して顧客情報を獲得するなどの施策を講じます。

BtoCマーケティングは、一般消費者に対して行う施策です。テレビCMやイベントスペースでの販促活動、SNSアカウントの運営を通じたファンコミュニティの拡大などが重要になるでしょう。

BtoBマーケティングにYouTubeを活用するメリット・デメリット

撮影を行うテレビカメラ

昨今では、BtoBマーケティングにYouTubeを活用する企業が増加してきました。YouTubeは、無料で動画投稿を行える点や、動画資料を通じてより製品・サービスの魅力を詳しく伝えられる点などが魅力です。

しかし、動画制作のために手間やコストがかかる点はデメリットといえます。以下、BtoBマーケティングにYouTubeを活用するメリットとデメリットをご紹介しますので、アカウント運営をスタートする前にチェックしましょう。

メリット

BtoBマーケティングにYouTubeを活用する一番のメリットは、利用料金がかからないことです。写真や文章に比べて、製品の質感や動作、サービスの雰囲気、スタッフの人柄などを詳しく伝えられることも魅力でしょう。

BtoBマーケティングにYouTubeを活用するメリットは、以下のとおりです。

  • 基本的に無料で利用できる
  • 製品やサービスの魅力を動画で詳しく伝えられる
  • 投稿した動画を二次利用できる
  • ユーザー数が多いプラットフォームである

YouTubeは、月間利用者数7,000万人を超える世界的な動画共有プラットフォームです。企業の決裁権をもつ人が利用している可能性もあるでしょう。見込み顧客や潜在顧客に対して、製品・サービスを訴求できる可能性も高いです。

また、投稿した動画をイベントや営業などで活用することも可能です。動画制作に手間やコストはかかるものの、二次利用しやすいことは非常に大きなメリットといえるでしょう。

参照元:Think with Google「YouTube をマーケティングのヒントに —— トレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む

デメリット

BtoBマーケティングにYouTubeを活用する場合、動画制作に非常に手間がかかります。写真や文章コンテンツを制作するのに比べて、撮影や編集、音声録りなどさまざまな工程が発生します。初めて動画制作を行う場合、1本の動画を作るのに数日かかるケースも少なくありません。

外部の制作会社に依頼する場合は、制作コストがかかるでしょう。BtoBマーケティングにYouTubeを活用するデメリットは、以下のとおりです。

  • 手間やコストがかかる
  • 簡単な動画を制作すると二次利用しにくい
  • 定期的に投稿しないとチャンネルが伸びない

編集に手間がかかるからと簡単に編集した動画を投稿していると、ブランディングにおいてマイナスになる可能性があります。クオリティが高くない動画は、営業やイベントなどでは使いにくいと感じるでしょう。

また、BtoBビジネスのYouTubeチャンネルは、一般消費者があまり興味のない分野の動画が中心となることが多いです。そのため、チャンネル登録を伸ばしにくい傾向にあります。

BtoBマーケティングにおけるYouTubeの活用方法

パソコン2台で業務をする男性

BtoBマーケティングの一環としてYouTubeに投稿した動画は、さまざまなシーンで活用できます。具体的には、動画広告やイベント、営業などで活用することが可能です。これまで行ったウェビナーのアーカイブを投稿して、情報発信に役立てることもできるでしょう。

以下、BtoBマーケティングにおけるYouTubeの活用方法を6つご紹介します。

動画広告として利用する

YouTubeに投稿した動画は、そのまま動画広告として利用できます。YouTube広告は、豊富なユーザーのなかから興味をもってもらえそうな人のみに表示させられる点が魅力です。予算に応じて広告を出稿できるので、あまり予算をかけられない場合でも利用しやすいでしょう。

ある程度チャンネルの投稿動画を増やした状態で広告を打てば、見込み顧客にチャンネル登録してもらえる可能性も高まります。

営業用の動画資料として活用する

営業・商談などにおいて、YouTubeに投稿した動画を見せるのもよいでしょう。紙のパンフレットでは伝わらない魅力を、より詳しく伝えられます。動画をしっかりと作り込んでおけば、新人の営業担当者でも商談をスムーズに進められるでしょう。営業担当者のスキルに頼らず商談を進められるようになるため、成約率の向上も期待できます。

イベント・展示会で流す

イベントや展示会において、来場者の興味をひくために動画を流す活用方法も考えられます。YouTubeの場合、再生リストを設定すればループ再生させることが可能です。YouTube Premiumに加入していれば再生端末に動画を保存できるので、電波が不安定な場所でも問題なく再生できます。

YouTubeチャンネルのQRコードをビジョンの近くに掲示しておけば、イベント来場者がチャンネル登録することで、より自社の製品やサービスについて深く知ってもらえるかもしれません。

ウェビナーのアーカイブ動画を投稿する

過去に行ったウェビナーやイベントなどの録画を、YouTubeに投稿するのもよいでしょう。自社がもつ情報やノウハウを詰め込んだ動画を公開すれば、潜在顧客が自社を認知してくれる可能性が高まります。

業務課題の改善策を調べた人が、自社のウェビナーやイベントのアーカイブ動画を視聴してくれれば「この企業に何か依頼してみよう」と考えるかもしれません。ウェビナーやイベントの動画を公開する際は、視聴した人を自社サイトやホワイトペーパーのダウンロードページなどに誘導する工夫をすると、より集客効果が高まります。

採用活動に活用する

昨今では、就活生向けの動画をYouTubeに投稿している企業も多く見られます。BtoBビジネスを行っている企業の場合、一般消費者からの認知度が低いケースが少なくありません。YouTubeを活用すれば、就活生を含めた一般消費者からの認知度を高め、より多くの人にエントリーしてもらえる可能性が高まります。

社員インタビューや製造工程の紹介、自社製品・サービスが利用されている風景などの動画を投稿すると、就職後のイメージが湧きやすくミスマッチも防げます。YouTubeに投稿した動画は、自社サイトに埋め込んで二次利用するとよいでしょう。

既存顧客向けの動画資料として使う

いわゆるカスタマーサポート用の資料をYouTubeに公開する活用方法もあります。製品の使い方や自社サイトへのログイン方法、ソフトウェアのインストール方法などを公開すれば、スムーズに自社製品・サービスを利用してもらえるでしょう。カスタマーサポートを担当している社員の負担軽減にも役立ちます。

自社サイトのQ&Aページに各動画を埋め込むことで、顧客が問い合わせせずに問題を解決できるようになります。商品やサービスを利用する際のストレスが軽減されるでしょう。

YouTubeでBtoBマーケティングを成功させるためのポイント

資料を見ながら相談するビジネスマン

YouTubeでBtoBマーケティングを成功させるには、目的を明確にすることや、動画を作り込むことなど、さまざまなポイントがあります。以下、ポイントを3つご紹介しますので、マーケティングを行う際にご活用ください。

活用する目的を明確にする

まずは、何のためにYouTubeを利用するのかを考えましょう。動画資料を投稿するのか、採用動画を公開するのかなど、目的はどのようなものでも問題ありません。目的が曖昧だと、投稿する動画の方向性に一貫性がなくなり、活用できずに放置する原因になります。

目的が複数にわたる場合は、チャンネルを分けることも検討してください。例えば、製品のマニュアル動画と採用動画が混在する場合などが挙げられます。就活生向けの動画と既存顧客向けの動画が混在するのであれば、チャンネルを2つに分けたほうがよいでしょう。

チャンネルの運営体制を考えるために、目的は明確にしてください。

動画を作り込む

投稿する動画は、企業の信頼度を測る要素になります。動画のクオリティが低いと、企業の信頼度にも傷がつきかねません。どんなジャンルの動画であっても、しっかりと作り込みましょう。

最低限行いたいのは、画質の調整です。最低でもフルHDの画質でないと、ほかの動画と比べて見劣りします。手ブレが酷い動画や、字幕やカット編集が適切でない動画も、なるべく避けてください。動画編集ができる社員がいない場合は、外部の制作会社に依頼することも検討しましょう。

外部の制作会社への依頼を検討する

動画制作ができる社員がいない場合や、動画制作に割けるリソースがない場合は、外部の制作会社に依頼するとよいでしょう。制作会社に依頼すれば、社員の負担を増やさず効率よく動画を制作できます。コストはかかりますが、コンスタントに動画を投稿するのであれば制作会社に依頼したほうがよいケースが多いでしょう。

ただし、制作会社に依頼する場合には数万〜数十万円の費用がかかります。動画を制作したからといってすぐに売上が向上するわけではないので、ある程度の余裕をもった予算組みが必要です。費用対効果や予算の状況などを考えて検討してください。

YouTubeを活用したBtoBマーケティングの事例

デジタルスクリーンを指でタッチする

YouTubeを活用する際は、すでに活用している企業の事例を知っておきましょう。成功事例を知っていれば、どのように活用すべきかのイメージが湧いて施策を考えやすくなります。以下、YouTubeを活用したBtoBマーケティングの事例を3社ご紹介しますので、参考にしてください。

ナブテスコ株式会社

ナブテスコ株式会社

ナブテスコ株式会社は、自動ドアや航空機器、鉄道車両用機器などを製造しているメーカーです。自動ドアはさまざまな施設に導入されているため、知らないうちに目にしている人も多いでしょう。

ナブテスコ株式会社のYouTubeチャンネルは、トップページに掲載する動画を「5分でわかる ナブテスコ」に設定しています。チャンネルトップページを訪問したユーザーに対して、最も適切といえる動画が設定されているのです。

freee株式会社

freee株式会社

freee株式会社は、クラウド会計ソフト「freee」を提供している会社です。同社のYouTubeチャンネルでは、個人事業主や法人などに向けて起業や会計などの情報を発信しています。また、ソフトウェアの紹介やCMなどの動画も投稿しています。

参考になるポイントは、アイキャッチの作り方です。情報発信系の動画は、シリーズごとにアイキャッチが統一されています。ユーザーのトップページにおすすめ表示された際に「freee会計の動画だ」と認識してもらいやすくなる工夫といえるでしょう。

一般消費者の認知度を高めたい企業や、チャンネル登録者数を伸ばしたい会社は参考にしてください。

Sansan株式会社

Sansan株式会社

Sansan株式会社は、名刺管理サービスを提供している会社です。取引先からもらった名刺のデータを、社内で円滑に管理するためのサービスを提供しています。「それ、早く言ってよー」というセリフが印象的なCMは、多くの人が見たことがあるのではないでしょうか。

同社のYouTubeチャンネルでは、CMや顧客インタビューの動画が多く投稿されています。情報共有システムは、利用イメージや効果などが見えにくい側面があります。利用者インタビューを豊富に投稿することで、利用した際のメリットを具体的に示すことができ、売上アップも期待できるでしょう。

まとめ

撮影現場で指示を出すディレクター

BtoBマーケティングでもYouTubeを活用していくことは可能です。YouTubeをうまく利用すれば、営業の成約率を上げること、潜在顧客に自社を認知してもらうことに役立ちます。動画制作に際して手間やコストはかかりますが、クオリティの高い動画を制作すれば、さまざまな場所で二次利用して費用対効果を高められるでしょう。

本記事を参考に、BtoBマーケティングにYouTubeを活用してください。

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