お気軽にお問い合わせください
顧客エンゲージメントとは?メリットや計測すべき指標、具体的な施策を解説

顧客エンゲージメントとは、企業やブランドと顧客との間に築かれる継続的な関係性やつながりのことです。商品やサービスの品質だけで差別化することが難しくなった現在、顧客に「また利用したい」「このブランドを応援したい」「誰かに紹介したい」と感じてもらうことが重要になっています。
この記事では、顧客エンゲージメントの意味や注目される理由、顧客満足度・ロイヤルティとの違い、高めるメリット、計測すべき指標、具体的な施策について解説します。
Contents
顧客エンゲージメントとは

顧客エンゲージメントとは、顧客が企業やブランドにどれだけ関心を持ち、継続的に関わっているかを表すものです。ここでいう「関わり」は、商品を購入することだけではありません。繰り返し利用する、SNSの投稿に反応する、レビューを書く、知人に紹介する、改善要望を送るといった行動も含まれます。
例えば、新機能の案内を確認したり良い体験を周囲に共有したりする顧客は、企業との接点が深い状態にあります。売上だけを見ていると、こうした関係性の濃さまでは分かりません。顧客エンゲージメントは、「どれだけ売れたか」ではなく、「顧客とどのような関係を築けているか」を見る視点です。
顧客エンゲージメントの具体例
顧客エンゲージメントは、具体的な行動として表れます。代表的な行動としては、以下のようなものがあります。
- 商品やサービスを継続的に利用する
- 同じブランドの商品を繰り返し購入する
- 企業のSNS投稿にいいねやコメントをする
- メルマガやアプリ通知を開封する
- レビューや口コミを投稿する
- 友人や家族に商品・サービスを紹介する
- キャンペーンやイベントに参加する
- ユーザーコミュニティで情報交換をする
- アンケートやインタビューに協力する
このように、顧客エンゲージメントは購入行動だけでなく、情報発信への反応や口コミ、コミュニティ参加などにも表れます。顧客が企業やブランドに対して能動的に関わっているほど、エンゲージメントが高い状態だといえるでしょう。
顧客エンゲージメントが注目される理由
顧客エンゲージメントが重視されるようになった背景には、企業が顧客と長く付き合う必要性が高まっていることがあります。現在は、顧客が多くの選択肢の中から商品やサービスを比較できる時代です。価格や機能だけで選ばれている状態では、より条件のよい競合が現れたときに乗り換えられてしまうこともあります。
そのため、購入後の体験やサポート、ブランドへの共感などを通じて、「次もこの企業を選びたい」と感じてもらうことが大切になっています。
新規顧客の獲得が難しくなっている
市場が成熟すると、似たような商品やサービスが増え、新規顧客に選ばれるハードルは高くなります。広告を出せばすぐに成果が出るとは限らず、見込み顧客に情報を届けるためのコストもかかりやすくなっています。
一方で、すでに利用経験のある顧客は、企業やサービスの価値をある程度理解してくれている存在です。そうした顧客との関係を深め、継続利用や再購入につなげられれば、新規獲得だけに頼らない売上を作りやすくなります。顧客エンゲージメントが注目されているのは、既存顧客との関係づくりが事業の安定や成長に直結しやすくなっているためです。
商品や価格だけで差別化しにくい
機能や価格が似ている商品・サービスが増えると、顧客は「何を買うか」だけでなく、「どこから買うか」も重視するようになります。例えば、購入後のフォローが丁寧だった、問い合わせへの対応が早かった、ブランドの考え方に共感できたといった体験は、次回の購入先を決める理由になります。商品そのものの違いが伝わりにくい場合でも、顧客との関係性を深めることで「次もこの企業を選びたい」と感じてもらいやすくなります。
サブスクリプション型ビジネスが増えている
SaaSや動画配信サービス、定期購入サービスなど、継続利用を前提としたビジネスモデルでは、契約してもらうことがゴールではありません。導入後に使い続けてもらい、価値を感じ続けてもらえなければ、更新や継続にはつながりにくくなります。
そのため、利用状況を確認したり、活用方法を案内したり、困りごとを早めに拾い上げたりする取り組みが欠かせません。こうした継続的な関係づくりの重要性が高まっていることも、顧客エンゲージメントが注目される理由の一つです。
SNSや口コミの影響力が高まっている
今の顧客は、企業が発信する広告だけを見て商品やサービスを選んでいるわけではありません。購入前にSNSで評判を調べたり、レビューサイトを確認したり、実際に使っている人の感想を参考にしたりすることが一般的になっています。
顧客エンゲージメントの高い顧客は、自分の体験をSNSや口コミで共有してくれる可能性が高いです。企業からの宣伝よりも、実際の利用者の言葉の方が信頼されやすい場面も少なくありません。
ただし、良い体験だけではなく、不満も広がりやすい点には注意が必要です。日頃から顧客との関係を丁寧に築いておくことが、結果的にブランドの評価を守ることにもつながります。
顧客満足度やロイヤルティとの違い
顧客エンゲージメントは、顧客満足度や顧客ロイヤルティと混同されやすい言葉です。どれも顧客との関係性に関わる考え方ですが、見ているポイントが少し異なります。顧客満足度は、商品やサービスを利用したときに「満足したか」を見るものです。購入直後のアンケートや、問い合わせ対応後の評価などで測られることが多いです。
顧客ロイヤルティは、企業やブランドに対する信頼や愛着の強さを表します。「次もこのブランドを選びたい」「他社よりもこのサービスを使い続けたい」と感じている状態です。
一方、顧客エンゲージメントは、満足や愛着が実際の行動として表れているかに注目します。継続利用、口コミ、SNSでの反応、イベント参加、フィードバックの提供など、顧客がどれだけ能動的に関わっているかを見る考え方です。
整理すると、顧客満足度は「満足したか」、顧客ロイヤルティは「選び続けたいか」、顧客エンゲージメントは「実際に関わり続けているか」を捉えるものだといえます。
| 用語 | 意味 | 特徴 |
| 顧客満足度 | 商品やサービスに対する満足の度合い | 購入・利用直後の評価として表れやすい |
| 顧客ロイヤルティ | 企業やブランドに対する信頼・愛着 | 継続利用やブランドへの忠誠心に関係する |
| 顧客エンゲージメント | 顧客が企業やブランドと積極的に関わる度合い | 購入、利用、口コミ、SNS反応など行動にも表れる |
顧客エンゲージメントが低い状態とは

顧客エンゲージメントを高めるには、まず「低い状態」がどのようなものかを把握しておく必要があります。顧客との関係が弱まっている場合、いきなり解約や離脱として表れるとは限りません。購入頻度が少しずつ下がる、メールへの反応が減る、問い合わせ内容に不満が増えるなど、小さな変化として表れることもあります。こうしたサインを早めに捉えられれば、顧客が離れてしまう前に改善策を打ちやすくなります。
利用頻度や購入頻度が下がっている
以前は定期的に購入していた顧客の購入間隔が空いている、アプリやサービスへのログイン回数が減っている、主要な機能が使われなくなっているといった場合は、顧客エンゲージメントが低下している可能性があります。
特に、サブスクリプション型のサービスでは、利用頻度の低下が解約の前兆になることもあります。顧客がサービスに価値を感じにくくなっている場合、そのまま放置すると競合への乗り換えや契約終了につながりかねません。売上だけでなく、利用状況や購入間隔の変化にも目を向けることが大切です。
メールやSNSへの反応が少ない
メルマガの開封率やクリック率が下がっている、SNS投稿へのいいねやコメントが少なくなっているといった状態も、顧客との関係が弱まっているサインの一つです。
もちろん、すべての顧客が毎回反応するわけではありません。しかし、以前に比べて反応が落ちている場合は、発信内容が顧客の関心と合っていない、配信頻度が多すぎる、そもそも情報が届きにくくなっているといった原因が考えられます。
企業側が伝えたい情報ではなく、顧客が知りたい情報を届けられているかを見直す必要があるでしょう。
不満や問い合わせが増えている
問い合わせやクレームが増えている場合も、顧客エンゲージメントの低下につながる可能性があります。問い合わせが多いこと自体が悪いわけではありません。
ただし、同じ内容の質問が何度も寄せられている、使い方が分かりにくいという声が多い、サポート対応への不満が増えているといった場合は、顧客体験のどこかに課題があると考えられます。
不満を抱えたまま利用を続けている顧客は、きっかけがあれば離脱してしまう可能性があります。問い合わせ内容を単なる対応履歴として終わらせず、商品やサービスの改善材料として活用することが大切です。
解約や競合への乗り換えが起きている
解約や競合サービスへの乗り換えは、顧客エンゲージメントが低下した結果として表れやすい行動です。解約理由は価格だけとは限りません。サービスを十分に使いこなせなかった、期待していた効果が得られなかった、サポートに不満があった、他社の方が使いやすそうに見えたなど、さまざまな理由が考えられます。
そのため、解約が起きた場合は件数だけを見るのではなく、理由まで確認することが重要です。解約アンケートやヒアリング、利用データをもとに原因を把握できれば、同じ理由で離脱する顧客を減らしやすくなります。
顧客エンゲージメントを高めるメリット

顧客エンゲージメントを高めることで、企業にはさまざまなメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを解説します。
リピート率を高められる
顧客エンゲージメントが高い顧客は、企業やブランドに対して信頼や愛着を持っているため、継続的に商品やサービスを利用する傾向があります。例えば、価格が多少高くても「このブランドが好きだから」「サポートが安心だから」という理由で選ばれることがあります。
リピート率が高まると、安定した売上につながりやすくなります。新規顧客の獲得だけに頼らず、既存顧客から継続的に収益を得られる点は大きなメリットです。
解約率の低下につながる
顧客エンゲージメントが高い顧客は、商品やサービスを使い続ける理由を持っています。例えば、サービスの利便性を実感している、担当者のサポートに満足している、ブランドの考え方に共感しているなど、企業との関係性が深いほど解約されにくくなります。
反対に、顧客との接点が少なく、価値を十分に感じてもらえていない場合、競合サービスへの乗り換えや解約につながりやすくなります。
顧客エンゲージメントを高めることは、解約率の改善にも有効です。
LTVの向上が期待できる
顧客エンゲージメントが高まると、LTVの向上も期待できます。LTVとは「Lifetime Value」の略で、1人の顧客が取引期間全体を通じて企業にもたらす価値を指します。
顧客との関係が深まると、継続購入や追加購入につながりやすくなるでしょう。例えば、定期的に利用してもらえる、上位プランに切り替えてもらえる、関連商品を検討してもらえるといった動きが生まれます。
ただし、LTVを高めようとして無理に販売を重ねると、かえって不信感を持たれることがあります。大切なのは、顧客の課題や利用状況に合った提案を行うことです。「売り込まれている」ではなく、「自分に合った提案をしてくれている」と感じてもらえれば、結果として顧客単価や継続期間の向上につながりやすくなります。
口コミや紹介が増えやすくなる
顧客エンゲージメントが高い顧客は、自分が良いと感じた商品やサービスを周囲に紹介してくれる可能性が高いです。SNSで投稿したり、レビューを書いたり、友人や同僚にすすめたりすることで、企業側が広告費をかけなくても認知が広がることがあります。
実際に利用した顧客の口コミは信頼されやすく、新規顧客の獲得にもつながります。
アップセル・クロスセルにつながる
顧客との関係性が深まると、アップセルやクロスセルの提案も受け入れられやすくなります。アップセルとは、現在よりも上位の商品やプランを提案することです。クロスセルとは、関連商品や別サービスを提案することです。
顧客エンゲージメントが高い状態であれば、顧客は企業からの提案を単なる売り込みではなく、「自分に役立つ提案」として受け止めやすくなります。その結果、顧客単価の向上にもつながります。
顧客エンゲージメントの計測指標

顧客エンゲージメントは、売上だけでは正確に把握できません。顧客の行動や意識を複数の指標から確認することが重要です。ここでは、代表的な計測指標を紹介します。
NPS
NPSとは、Net Promoter Scoreの略で、顧客が商品やサービスを他人にすすめたいと思っているかを測る指標です。一般的には、「この商品・サービスを友人や知人にすすめる可能性はどのくらいありますか」と質問し、0〜10点で回答してもらいます。
回答者は、9〜10点の「推奨者」、7〜8点の「中立者」、0〜6点の「批判者」に分類されます。そして、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いてNPSを算出します。
顧客エンゲージメントが高い顧客は、商品やサービスを周囲に紹介する可能性が高いため、NPSはエンゲージメントを把握するうえで有効な指標です。
LTV
LTVとは、Lifetime Valueの略で、顧客生涯価値を意味します。一人の顧客が取引期間全体を通じて企業にもたらす売上や利益を示す指標です。以下の式で算出できます。
LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間
顧客エンゲージメントが高いほど、購入頻度や継続期間が伸びやすくなるため、LTVも高まりやすくなります。なお、利益ベースで見る場合は、粗利率も考慮します。
解約率
解約率は、一定期間内にどれだけの顧客がサービスを解約したかを示す指標です。
解約率 = 解約した顧客数 ÷ 期間開始時点の顧客数 × 100
顧客エンゲージメントが低い場合、サービスへの関心や利用頻度が下がり、解約につながりやすくなります。特に、サブスクリプション型サービスでは、解約率を継続的に確認することが重要です。
リピート率・継続率
リピート率は、商品やサービスを再度購入・利用した顧客の割合を示します。継続率は、一定期間サービスを使い続けている顧客の割合です。ECサイトや店舗ビジネスではリピート率、SaaSやサブスクリプションサービスでは継続率を見るとよいでしょう。
アクティブ率・利用頻度
アプリやWebサービス、SaaSでは、アクティブ率や利用頻度も顧客エンゲージメントを測る重要な指標です。例えば、DAU、WAU、MAU、ログイン頻度、主要機能の利用回数、コンテンツの閲覧数などが挙げられます。
顧客が継続的にサービスを利用している場合、そのサービスに価値を感じている可能性があります。
ただし、利用頻度だけで判断するのではなく、継続率や満足度、問い合わせ内容などもあわせて確認することが大切です。
メールやSNSの反応率
メルマガやSNSを活用している場合は、顧客の反応率も確認しましょう。具体的には、以下のような指標です。
- メールの開封率
- メール内リンクのクリック率
- SNS投稿へのいいね数
- コメント数
- シェア数
- 保存数
- フォロワーの増減
顧客が企業からの情報発信に反応しているかを把握することで、関心度や関係性の強さを確認できます。
レビュー数・紹介数
レビュー投稿数や紹介数も、顧客エンゲージメントを測るうえで有効です。顧客は、強い不満や高い満足がない限り、自発的にレビューを書いたり、誰かに紹介したりしないことが多いです。
そのため、良いレビューや紹介が多い場合、顧客との関係性が良好な可能性が高くなります。
ただし、レビュー数だけでなく、レビュー内容や評価の傾向もあわせて確認することが重要です。
顧客エンゲージメントを高める手順

顧客エンゲージメントを高めるには、思いついた施策を一つずつ試すのではなく、現状把握から改善までの流れを整理して進めることが大切です。顧客との関係性は、一度のキャンペーンやメール配信だけで大きく変わるものではありません。顧客の状態を見ながら、必要な接点や体験を少しずつ整えていく必要があります。
ここでは、基本的な進め方を紹介します。
現状の課題を把握する
まずは、自社の顧客エンゲージメントにどのような課題があるのかを確認します。例えば、購入後のリピートが少ないのか、サービスの利用頻度が低いのか、解約率が高いのか、メールやSNSへの反応が弱いのかによって、取るべき施策は変わります。
売上や契約数だけを見ていると、顧客がどこで離れているのかまでは分かりません。購入履歴、利用状況、問い合わせ内容、アンケート結果などを確認し、顧客との関係が弱くなっているポイントを探しましょう。
目的に合った指標を決める
次に、何を改善したいのかに合わせて指標を決めます。例えば、継続利用を増やしたい場合は解約率や継続率、再購入を増やしたい場合はリピート率や購入頻度、紹介を増やしたい場合はNPSや紹介数が参考になります。
すべての指標を一度に追おうとすると、かえって何を改善すべきか分かりにくくなります。まずは自社の課題に直結する指標を絞り、施策の前後で変化を確認できるようにしておくことが大切です。
顧客をセグメントごとに分ける
顧客エンゲージメントを高めるうえでは、すべての顧客に同じ対応をするのではなく、顧客の状態に合わせて分けて考えることが大切です。例えば、初回購入後の顧客、リピートしている顧客、しばらく購入がない顧客、解約の兆候がある顧客では、必要な情報や接点が異なります。
BtoBサービスであれば、導入直後の顧客、活用が進んでいる顧客、更新時期が近い顧客などに分けることもできます。顧客の状態に合わない情報を届けても、反応は得られにくくなります。誰に、どのタイミングで、どのような情報を届けるべきかを整理しておきましょう。
施策を実行する
課題や指標、対象となる顧客が整理できたら、具体的な施策を実行します。購入直後の顧客には使い方や活用方法を案内する、利用頻度が下がっている顧客には個別にフォローを行うといった方法があります。
このとき大切なのは、企業側が売りたいものを一方的に提案するのではなく、顧客にとって役立つ内容になっているかを確認することです。顧客が「自分に関係のある情報だ」と感じられる接点を増やすことで、関係性を深めやすくなります。
効果を検証して改善する
施策を実行したあとは、必ず効果を確認します。メールの開封率やクリック率、リピート率、継続率、解約率、NPS、問い合わせ件数などを見ながら、狙った変化が出ているかを確認しましょう。
思ったような成果が出ない場合でも、すぐに施策全体を否定する必要はありません。対象とする顧客が合っていなかったのか、タイミングが悪かったのか、内容が分かりにくかったのかを見直すことで、次の改善につなげられます。
顧客エンゲージメントの向上は、一度の施策で完了するものではありません。データと顧客の声を見ながら、継続的に改善していくことが大切です。
顧客エンゲージメントを高める施策

顧客エンゲージメントを高めるには、顧客との接点を増やすだけではなく、顧客にとって価値のある体験を提供することが重要です。ここでは、その具体的な施策を紹介します。
顧客データを収集・分析する
顧客エンゲージメントを高めるには、まず顧客のことを正しく知る必要があります。担当者の感覚だけで施策を考えると、実際のニーズとずれてしまうことがあるためです。確認したいデータには、購入履歴、利用頻度、問い合わせ内容、アンケート結果、メールの反応、サイトやアプリ上の行動データなどがあります。
例えば、リピートしている顧客はどの商品を選んでいるのか、解約した顧客はどのタイミングで利用が減ったのか、問い合わせが多い箇所はどこかを確認するだけでも、改善のヒントが見つかります。
大切なのは、データを集めること自体を目的にしないことです。顧客の行動から課題や関心を読み取り、コミュニケーションやサービス改善にどう活かすかまで考えることで、エンゲージメント向上につながります。
顧客に合わせたコミュニケーションを行う
顧客エンゲージメントを高めるには、一人ひとりの状況や関心に合わせたコミュニケーションが重要です。例えば、購入直後の顧客には使い方の案内を送り、長期間利用している顧客には限定特典や活用方法を案内するなど、顧客の状態に応じて内容を変えると効果的です。
一斉配信のメールや広告だけでは、顧客にとって不要な情報になってしまう場合があります。顧客の属性や行動履歴に合わせて情報を届けることで「自分に合った提案をしてくれている」と感じてもらいやすくなります。
顧客体験を改善する
顧客エンゲージメントを高めるうえで、顧客体験の改善は欠かせません。顧客体験とは、商品やサービスを知るところから、購入、利用、問い合わせ、再購入に至るまでの一連の体験を指します。
例えば、以下のような改善が考えられます。
- Webサイトを見やすくする
- 購入手続きを簡単にする
- 商品の使い方をわかりやすく案内する
- 問い合わせへの対応を早くする
- アプリやサービスの操作性を改善する
- 購入後のフォローを充実させる
顧客がストレスなく利用できる環境を整えることで、継続利用や愛着につながります。
SNSやコミュニティで接点を増やす
SNSやコミュニティは、顧客と継続的な関係を築くうえで有効です。SNSでは、商品情報だけではなく、活用方法や開発の裏側、ユーザーの声、キャンペーン情報などを発信することで、顧客との接点を増やせます。
また、ユーザーコミュニティを運営すれば、顧客同士の交流も生まれます。顧客が自ら情報を発信したり、他の顧客をサポートしたりすることで、ブランドへの愛着が高まりやすくなります。
ただし、SNSやコミュニティは一方的な宣伝の場にしないことが大切です。顧客との対話を意識し、双方向のコミュニケーションを行いましょう。
カスタマーサポートを強化する
カスタマーサポートは、顧客エンゲージメントに大きく影響する接点です。顧客が困っているときの対応次第で、企業への印象は大きく変わります。
問い合わせへの返信が遅い、回答が分かりにくい、担当者ごとに対応が違うといった状態が続くと、顧客は不安を感じます。反対に、必要な情報にすぐたどり着けたり、状況に合った案内を受けられたりすると、「この企業なら安心して利用できる」と感じてもらいやすくなるでしょう。
また、問い合わせ内容には商品やサービスを改善するためのヒントが含まれています。サポート部門だけで抱え込まず、開発や営業、マーケティング部門とも共有することで、顧客体験全体の改善につなげられます。
サポートは単なるトラブル対応ではなく、顧客との信頼関係を深める機会の1つです。
ロイヤルティプログラムを導入する
ロイヤルティプログラムとは、継続利用や購入回数に応じて特典を提供する仕組みです。例えば、ポイント制度や会員ランク、限定クーポン、先行販売、会員限定イベントなどが挙げられます。
顧客に「利用し続けるメリット」を感じてもらうことで、リピート購入や継続利用を促進できます。
ただし、単に割引を提供するだけでは価格競争になってしまう可能性があります。顧客に特別感や満足感を与えられる設計にすることが重要です。
顧客の声を商品・サービス改善に活かす
顧客エンゲージメントを高めるには、顧客の声を聞くだけでなく、実際の改善につなげることが大切です。アンケートやレビュー、問い合わせ、SNSのコメントなどには、顧客の不満や要望が多く含まれています。
それらを分析し、商品改善やサービス改善に反映することで、顧客は「自分たちの声を大切にしてくれている」と感じやすくなるでしょう。
また、改善した内容を顧客に伝えることも大切です。「お客様の声をもとに機能を改善しました」「ご要望の多かった支払い方法に対応しました」といった形で共有すれば、顧客は自分たちの意見が反映されたと感じやすくなります。
顧客の声を集めるだけでなく、改善し、その結果を伝えるところまで行うことで、企業への信頼感や愛着を高めやすくなります。
顧客エンゲージメントを高める際の注意点

顧客エンゲージメントを高める施策は効果的ですが、やみくもに実施すればよいわけではありません。ここでは、注意すべきポイントを解説します。
短期的な売上だけを追わない
顧客エンゲージメント向上の取り組みは、短期的な売上だけを目的にするものではありません。過度なキャンペーンや割引を繰り返すと、一時的に売上は伸びるかもしれませんが、顧客が価格だけで判断するようになる可能性があります。
重要なのは、顧客に長く選ばれ続ける関係性を築くことです。短期的な売上だけではなく、継続率、LTV、満足度、口コミなども含めて成果を確認しましょう。
過度な接触を避ける
顧客との接点を増やすことは大切ですが、過度なアプローチは逆効果になる場合があります。例えば、頻繁すぎるメール配信やプッシュ通知、しつこい営業連絡は、顧客にストレスを与える可能性があります。
顧客にとって有益な情報を、適切なタイミングで届けることが重要です。配信停止率や開封率、クリック率、問い合わせ内容などを確認しながら、コミュニケーションの頻度や内容を調整しましょう。
指標を追うだけで終わらせない
顧客エンゲージメントを高めるには、指標を設定するだけでなく、その結果を施策の改善に活かすことが大切です。例えば、メールの開封率が下がっている場合、件名が合っていないのか、配信頻度が多すぎるのか、内容が顧客の関心とずれているのかを確認する必要があります。
数字を追うだけでは、顧客との関係性は改善されません。指標の変化から原因を考え、次の施策に反映していきましょう。
継続的に改善する
顧客エンゲージメントは、一度施策を実施すればすぐに高まるものではありません。顧客のニーズや行動は変化するため、継続的にデータを確認し、施策を改善していくことが重要です。定期的に効果を測定し、PDCAを回しながら取り組みましょう。
まとめ:顧客エンゲージメントの向上は長期的な目線をもって取り組もう

顧客エンゲージメントは、顧客が企業やブランドにどれだけ関心を持ち、継続的に関わっているかを示すものです。購入してもらうことだけではなく、使い続けてもらう、意見を寄せてもらう、周囲に紹介してもらうといった関係性まで含めて捉える必要があります。
エンゲージメントが高まると、リピート率やLTVの向上、解約率の低下、口コミの増加などにつながりやすくなります。そのためには、NPSやLTV、解約率、リピート率、メール・SNSの反応率などを確認し、自社の課題に合った指標を追うことが大切です。
短期的な売上だけを追うのではなく、顧客と長く付き合う前提で取り組むことが、顧客エンゲージメントを高めるうえで欠かせません。